こんなことになるなんて ―The Final Place―
『瑠璃でもなく、玻璃でもなく』唯川 恵さんの小説。私、この美月が大嫌いでした。これを読み始めたのはね、ちょうど今の会社に、派遣されたての頃でした。無神経で、自分のコトしか考えていない女、そう思いました。ふざけないでよ。あんたが奪ったものに付随してた人達の気持ち。あんたになんか解かんないでしょ。そう思いました。あと、歌は好きだけど、今井美樹さんが、嫌いになってしまいました。山下久美子さんが好きなので…。誰が、思ったでしょうか。誰が、予想したでしょうか。今、私が、もっとも嫌っていた立場にいることを。そうならざるを得ないと知ったとき、果てなく、計り知れない苦しみが、私の上に覆いかぶさりました。何かが起こりそうな夜は 祈りをささげて 目を閉じなよこんな月の溶ける夜に 愛され生まれてきたのと ママは言った『お願い 遠くへ行かないで』と 何故ママは涙を流すの?『ずっとずっと側にいるよ』 小さな心で思ってたけどあの人に会うまでは 心揺らされるまでは…ごめんね、おかーさん。おかーさんの気持ち、よく解かるよ。いちばん選んで欲しくない道だったと思うよ…。私も、いちばん選びたくない道だったよ…。でもね、たぶん、これを乗り越えないと、私、ずっとあの日から、心が冷えたままなんだ。さぁ 裸足になって 大地けって 虹を越えて 空をつかんで…I wish 胸の十字架を握り 朝は 希望があなたに降り注ぎ夜は やわらかな光が あなたを包み込み 明日への勇気を与える… おかーさんが、血の繋がるおとーさんと、引き離されたときからね、おとーさんが、あの女に、連れて行かれたときからね、ずっと、ずっと、あの日降っていた雨が、止まないよ。制服を通して、心まで、身体まで冷やしていく、夕暮れの雨が、いつまでもいつまでも、私の心を縛ってるよ。その日から、心がどんどん荒んでいってね、きれいなものが、消えていきそうになっていたの。一生懸命、いい子でいようとした。でも、消えてしまいたくて仕方なかった。初期衝動のように渦巻く、激しい憎しみと、苦しみと、悲しみを、どこにぶつけたらいいのか判らなくてね、大切なもの、いっぱい、いっぱい、傷つけてきたんだよ。自分のこと、いっぱい、いっぱい、傷つけてきたんだよ。幼い頃に 植えつけられた傷は重く心にのしかかり暗い狭い世界で 心無い世界で ゆりかごに似た やすらかなFinal Song…もう二度と 逢えないと解かってても 色を変えても繋がってるから 空は白い羽根身につけ 大きく羽ばたいて 未来を変えるよ この手でもう、トモユキにも、修二にも、謝れないんだよ。すべてを知ってでも、大事にしてくれてたのに。もう、見守ってくれていた、派遣会社の主任にも逢えないんだよ。『ごめんなさい』『ありがとう』そのすべてを、伝えたくても…自分で壊したんだから。『本当にお前を大事に思っててくれた人達ならば、 お前のしあわせを、どこかで祈ってるはずだよ、薬袋。』今は、それを信じよう。他に、何も出来ないならば。いつか、すべてが解放される日が、許される日が、きっと来るから。I wish forever her great happinessEverynight in your dream I see you I feel youTears Stood in her eyes, Please Don't cryForever still for you, Still for your love…私は、いつまでも、彼女がものすごくしあわせであること、祈ってるから。毎夜、あなたの夢の中で、あなたに会うの。あなたを感じるの。彼女の瞳が…涙でうるむ……おねがい、どうか、泣かないで……。いつまでも、あなたの中に(側に)。そして、あなたの愛(想い)のために…。(※意訳です)【Still for your love より】