一日 付き人体験
週末は、付き人をやってました。と、言うのも私は日本舞踊を習っているのですが師匠が他の先生の舞台に招かれて踊るというので、その付き人をしてきたのです。師匠だけでなく、同じ門下で去年専門部に通過した(師匠になるための難関の試験を突破した)Mちゃんも招かれての舞台。二人が万全の体勢で踊れるように、私も気合を入れて舞台裏でお手伝いをすることに。当日、会場に着いた私は楽屋に直行。お世話になる関係者にご挨拶を済ませてから、来場するお客さんのために、お弁当・お茶・まき物*を準備。*こういう会では、招待したお客さんにお弁当、お茶、おみやげ等を用意して渡します。まき物というのはおみやげのこと。踊り手さんによって、このまき物は違います。渋い和風のお皿だったり、お扇子だったり、お菓子だったり。不足がないかなどを入念にチェック。そしていよいよ師匠とMちゃんの顔の準備。お化粧です。楽しい白塗り♪まずは髪をぐいぐいと引っ張られて止められ、ドーランを刷毛で塗られます。そして眉毛・目・口元と、どんどん舞台用の化粧がほどこされていきます。これがまた職人技!粋な和風のTシャツを着こなし、黒髪を結い上げた女性の職人さんがテキパキと仕上げます。(う~ん。かっこいい)顔の後は衣装。師匠とMちゃんがそれまで着ていた浴衣をあずかって畳んだり・・・とこまごまとしたことをそばについてやります。衣装もまさに職人技。重たい着物を、すごいスピードできっちり着せてくれる職人さん。二人ががりです。そして最後にカツラ。こちらも今回は二人の職人さんが前と後ろを見ながら、手早く着けてくれます。私はこの間も、楽屋に走って雑用をこなしたりしてバタバタ。お客さんもひっきりなしに訪れるのでその対応も。師匠とMちゃん以外の方々の踊りは全く見ることができませんでした。。。予想はしてましたが。実はMちゃんには「お姉ちゃん」と呼ばれて頼りにされている私。その日も、緊張しやすいMちゃんに「こんな機会、なかなか無いからね。とにかく思いっきり踊って来てね。」そう言って励ましました。Mちゃんは、「うん。がんばる。ありがとうお姉ちゃん」と言って舞台へ。客席へ行くと、門下のお弟子さんたちも勢ぞろい。師匠とMちゃんの踊りを見に、みんなが集まってました。中には何十年もお会いしていなかったお弟子さんも。みなさん結婚するとなかなか日舞を続けられないんですよね。そんな元お弟子さんのお姉さまがた(40~50代)から懐かしそうに、「espressoちゃんでしょうっ!?」 と声をかけられました。「すっかり大きくなっちゃって~」なんて言われたりして(笑)私がまだ幼稚園や小学生のころに、遊んでくれていた姉弟子たちです。私はもう37歳。大きくなっても何もないわけですが・・・(笑)。なんだかそんな風に言われて嬉しいやら、くすぐったいやら。でも、すぐに私と分かった姉弟子たち・・・。私ってそんなに顔、変わってないのかな?(汗)そして見事に踊りきったMちゃん。感動して涙が出るぐらい。。。本当に上手でした。こっそり涙をぬぐって、楽屋裏に帰ろうとする時、気づきました。私だけでなく、門下みんなが涙ぐんでました。師匠の踊りはもちろん最高!安心してその素晴らしさに酔いました。無事、舞台が終わっても付き人の仕事は終わりません。後片付けに、お世話になった方々にごあいさつ。記念撮影も忘れずに。。。全てが終わった後、足はまるで棒のよう。でも心は、言いようのない充実感に包まれていました。