「セックスボランティア」 河合香織 著
【中古】afb【古本】セックスボランティア/河合香織定価1500円(税別)なのに、中古で100円台で入手可能ということは、きっと一時はめちゃくちゃ売れたんでしょうね。2004年6月30日発行で僕の持っている本の場合は2004年9月25日で12刷です! きっと、タイトルから購入した方が多かったんでしょうが、だとすると「くそ、金返せ」「ブックオフにたたき売ってやる」っていう方がほとんどだったのでしょうか? 内容は、障害者であるがゆえに性なんてないものとして扱われる日本の現在をぎこちないながらも真摯な態度で救いあげようとする好著です。 「私は障害者向けのデリヘル嬢」がデリヘル嬢から見た歯がゆい現状のレポートだったのに比べ、この「セックスボランティア」は「ノンフィクション・ドキュメンタリー」といった感じで学者のレポートのような体裁でもあります。ですから、切り口もやたらまじめです。 著者自らの性の問題にも直面せざるを得ないと述べているとおりです。 障害者が性の対象としてボランティアなり、デリヘルなり、ホストを頼むということの分析を行っているわけですが、たぶん、性って個人的なものなのでもっともっと多様性を考えなくてはならないんじゃないかなと思います。 オランダにまでいって、市が障害者に呈してセックスを買うためのお金を助成する実態を調べ、さらに障害者向けのセックスを行う団体にインタビューするなど行動力も、どうしてなかなかです。 優生保護法の幽霊がいまだに彷徨っているこの国にあっては、このような本はまだまだ必要だと思われます。