サンゴヒメエビの1種
サンゴヒメエビの1種、通称ガンダムエビと呼ばれているものです。こちらのエビも、沖縄本島でドルフィンキックさんに見せていただいた珍しい甲殻類のひとつです。ネット上で得られる情報によると、このエビが観察されているところは、沖縄本島のほか、石垣島・水納島等複数あるのですが、いづれの島でも「年に数個体見つかる」とか「数年ぶりの発見」とかいったレベルの様で、まさに幻という存在です。しかし、ドルフィンキックさんでは、「この種に絞って探せば、(1DIVE中で)50%の確率ぐらい。」と、このエビにしては驚異的な発見率のようです。もちろんドルフィンキックさんのリサーチ力の高さもあるのでしょうが、沖縄本島のこの生息ポイントが、特にこのエビにとって適応しやすい場所であるということもあるのでしょう。通称は、特徴的な触角の様子から○○ガンダムに似ているということなのでしょうが、この触角のおかげで、撮影は困難を極めます。生物の撮影は眼にピントを合わせるのが基本だと思うのですが、ふさふさの触角が邪魔になり、2枚目の写真のように眼を覆ってしまうのです。また、眼と触角が重ならない角度・タイミングを捉えられたとしても、肝心のピントがはっきりしないのです。エビやヤドカリなどの甲殻類の眼は、中心部に芯のような部分あるものが多く、いつもは、その芯を手がかりに撮影を行います。このときも、芯らしきものがファインダー内で見うけられたので、そこにピントを合わそうとしたのですが、何やら滲んでいる様な感じで、全くといっていいほど明確な芯として見出すことができないのです。このエビの撮影には、かなりの時間と枚数をかけたにもかかわらず、明確に眼の芯にピントを合わせられたと思えたものは結局ありませんでした。モヤモヤした気分を引きずったまま、浮上後、ストレージビューワーで画像を拡大確認したろ、原因が判明、なんとこのエビの眼は複眼だったのです。(トンボのように、6角形の多数の眼が合わさって一つの眼として構成されるものを複眼といいます。)さすがに、通常のマクロレンズで見出される倍率では、(少なくとも私には)このハニカム眼の一つ一つを明確にみわけることは出来ないなと納得したのでした。(1枚目の写真をトリミングしたものが4枚目です。)