鳥インフルエンザパンデミックに備える その6
昨日、一昨日と、Webからの情報ではなく電話で私が直接聞いた言葉を元に文を作ったことで、私の聞き違いや誤った解釈などがあり、今日はそのことに気付いたので、昨日書いた此処の文章はとりあえず削除させていただき一昨日の日記は一部修正いたしました。「その6」として書きたかったことは、近い将来パンデミックを起こすのでは無いか?と言われているH5N1という鳥インフルエンザウイルスの感染や発病のメカニズムについてなのです。このことはどのくらい危険で、どんな対策が可能かを探る上で私はどうしても詳しく知らねばならない問題と感じていたわけです。そこで、私は、Webで得られる情報の中で、そのことに触れているなるべく専門機関の論文などを参照し、参照元を明示しながら正確性を期して書いて行こうと思う。現状と確定している事柄から書いてゆこう1.今起きている鳥インフルエンザはH5N1は鳥から人に感染する能力があるがその感染力はウイルスが人間に取り付くことが出来る特定の物質が限られていることで、充分危険な段階に達していない。2.充分危険な段階に無いという理由は、現在のH5N1ウイルスが取り付くことが出来る物質が人間の呼吸器の深部の肺胞と極少ない鼻の繊毛のある粘膜細胞に限られるからである。3.H5N1ウイルスが取り付くことが出来るレセプターは元来人では肺胞に殆どがあるシアル酸=シアリルオリゴ糖(SAα2,3Gal)だけだが、人から人に容易に感染するためには、人の咽や鼻腔等に多く分布しているシアル酸=(SAα2,6Gal)に取り付く性質が必要になる。その理由は咽や鼻腔に多く出現する(SAα2,6Gal)と言うレセプターから侵入出来る咽や鼻の粘膜細胞で無いと、くしゃみや咳でウイルスを撒き散らすことが出来ない為に、人から人に対しての感染力が強くなれないと言う理由による。4.しかしすでに鳥型のレセプター(SAα2,3Gal)と人型のレセプター(SAα2,6Gal)の両方に対して取り付くことが出来るH5N1も出現している・・・(A/HK213/2003等がそれにあたる)5.それでもH5N1鳥インフルエンザウイルスは未だパンデミックを起こし得るほどに人から人への感染力を獲得していない。6.一部で人から人への感染も起き、鳥からの感染では60%を越える致死率を示しているが、世界的大流行を起こすには、H5N1ウイルスの人型レセプターへの感受性が更に強くなることと、ウイルスの増殖の効率を高めるポリメラーゼ遺伝子の変化が不可欠と考えられているが、それだけでは不十分であり、我々が知らないアミノ酸変異がさらに起きる必要があると考えられている。参照先URLhttp://jsv.umin.jp/journal/v56-1pdf/virus56-1_085-090.pdf#search='ヘマグルチニン%20レセプター'http://www.jst.go.jp/pr/announce/20061116/index.htmlウイルスの進化の速度は非常に速いことが知られていて、そうした変異を遂げればパンデミックが起きてしまうということですが、それが明日なのか10年後、或いは100年後なのか誰も未だ解らないのです。