インド洋大津波緊急支援よびかけ 「インド現地からの報告」
先日知り合った特定非営利活動法人アジアボランティアセンターの方からのメールを転載します。■■■インド洋大津波:子どもたちを助けてください!■■■インド洋大津波緊急支援よびかけ第2報「インド現地からの報告」インドネシアのスマトラ島沖で昨年末、12月26日に発生した大地震によるインド洋大津波の被害は甚大です。私たち特定非営利活動法人アジアボランティアセンター(AVC)の現地カウンターパートNGOの活動地域においても多くの人びとが犠牲となりました。多くは漁村やスラムに暮らす子どもたちと母親です。私たちAVCはアジア各地の現地カウンターパートNGOと協力関係を結んでいますが、南インドおよびスリランカとも草の根の交流・協働を数年にわたり継続しています。同地域の現地NGOからの要請に基づき、現地NGOを通じて昨年末からインド洋大津波緊急支援にとりくんでいます。皆様のご支援・ご協力を引き続き賜りますよう何卒よろしくお願い申しあげます。 2005年1月 特定非営利活動法人アジアボランティアセンター★南インドの現地カウンターパートNGOである「農村貧困者のための協会(ARP:代表=Rev.フェリックス N. スギルタラージ)」をはじめとする諸団体のチェンナイ(マドラス)沿岸部におけるプロジェクトサイトには多くのスラムや漁村などが集中しており、低カーストやダリット(被差別カースト)の土地なし農民などの人びとが深刻な被害を受けています。現在、チェンナイを中心に被災者の緊急支援に取り組んでいます。■■■インド洋大津波子ども支援募金にご協力をお願いします■■■皆様からのご寄付は現地カウンターパートNGOを通じて緊急支援に活用させていただきます郵便振替:00930-1-119782加入者名:アジアボランティアセンター ▼通信欄に「インド洋大津波支援」とご明記ください ▼1口何円からでも結構です連絡先:特定非営利活動法人アジアボランティアセンター〒530-0013 大阪市北区茶屋町2-30TEL 06-6376-3545 FAX 06-6376-3548E-mail avc@earth.email.ne.jp(以下は長いのでご参考まで。。。)---インド洋大津波支援 参考資料(1)---■■■ インド現地からの報告:「農村貧困者のための協会(ARP)」リーダーのフェリックス・スギルタラージ氏の報告から一部抜粋 ■■■▼ 報告(1)(12月31日付のフェリックスさんからの手紙より一部抜粋翻訳)「・・・・・私たちのボランティアスタッフであるパスカル・メアリー(Ms.PascalMary)は、12月26日日曜日の朝6時から6時半、聖アントニー・カトリック教会のミサに出席していたが、奇跡的にたすかった。カルパッカム(Kalpakkam)という原子力発電所の近くの町にある教会は3度の津波により破壊され、2人の司祭を含む42人の礼拝者が犠牲になっている。・・・・・津波とよばれる巨大な波により致命的打撃を受けホームレスや孤児となった1,00,000人の被災者のために最も必要なものは食糧、衣料そして薬である。私は2004年12月26日からマハバリプラム近くの沿岸の漁村で数次にわたり緊急支援活動をしている。私はこれらの地域を訪問し、痛ましい状況を視察した。・・・・・津波で流された5つの漁村において1週間にわたり1日3,000食(1食約10ルピー)を配布する。私たちは被災者のためにブランケットと安価な衣料と薬を購入する。ブランケットは約40ルピーだが親類を失った500人の孤児のための衣類は50ルピーである。けがをした人々の治療と予防のためにビタミン剤と抗生物質を含めて薬を買う。飲料水の不足のためにコレラが蔓延する恐れがある。・・・・・どうか迅速な支援に心を砕いてほしい。(私たちはすでに古着、米、料理道具などを周囲で集めている)・・・・・昨日再び、国の交通省が他の津波が東海岸を午後1時以降に襲うかもしれないと警告し、村々に残っていた人々は即刻避難した。マドラス市内でさえ多くの人びとが安全な場所を探して逃げた。しかし幸いなことに今まで何も起こっていない。・・・・・」▼ 報告(2)(12月31日付のフェリックスさんからの現地報告より一部抜粋翻訳)「・・・・・カンヤクマリ(Kanyakumari)とナガパティナム(Nagapatinam)地域において計100の漁村が流された。・・・・・被災した主な地域はカンチープラム(Kancheepuram)、マドラス(Madras)、シルベロール(Thiruvellore)、ヴィルプラム(Villupuram)、ポンディ(Pondy)、クダロール(Cudalore)、タンジョール(Tanjore)、ナガパティナム(Nagapatinam)、プドゥコッタイ(Pudukottai)、ラマナタプラム(Ramanathapuram)、トゥトゥコリン(Tutucorin)、ティルネルヴェリ(Tirunelveli)そしてカンヤクマリ(Kanyakumari)である。・・・・・タミルナドゥの東海岸は1,076キロにわたり続く。漁業で生計をたてている人は少なくとも100万人いる。そして500万人以上の登録していない漁民がいる。・・・・・700隻のトロール漁船、1万1千隻の大きなボートと5万3千のいかだが破壊された。・・・・・152村の8万戸の家屋が津波によって破壊された。・・・・・通常の状況に戻るまで少なくとも5ヶ月はかかるだろう。漁業はまったくめどがたたず、通常の状態に戻るまで向こう2ヶ月間はかかるだろう。・・・・・タミルナドゥ州政府は家族や家財を失った家族に対して10万ルピーの緊急支援を行った。しかし援助金はまだ人々には届いていない。政党の幹部はまるでエージェントとして動いており、政党メンバーの多くいる村々だけで活動しようとしている。・・・・・」▼ 報告(3)(フェリックスさんによる現地視察報告) ◎視察日:2005年1月4-5日◎視察地域:インド タミルナドゥ州※ カニパッカム(KANIPAKKAM)とマラカナム(MARAKANAM)およびヴィルプラム(VILLUPURAM)にかけて2005年1月4日から5日にかけて現地カウンターパートNGOである「ARP(農村貧困者のための協会)」リーダーのフェリックスさんが、インド、タミルナドゥ州のカニパッカム(Kanipakkam)、マラカナム(Marakanam)およびヴィルプラム(Villupuram)にかけて視察を行った。以下の表はその報告である。なお、報告と同時に手紙の中で、フェリックスさんは次のように述べている。「・・・・・村人たちは飲料水、衣服、ござ、料理道具そして薬が必要である。私が訪問した村々はすべて深刻な被害にあっており、いくつかの村においては政府からもボランティア組織からもどこからも援助がない状況だ。どうか漁民と沿岸部の経済的に貧しい民衆のために緊急支援を切にお願いする。・・・・・」 村名/リーダー名 総家屋数 被災家屋数 ビニール製ボート/漁網総量 木のいかだ/漁網総量 死者数1 ムットゥカドゥアラガムクッパム村/カバリヴァディヴェルパンディアンさん139戸 43戸 32隻/4,800kg 15隻/1,500kg 2人2 ヴァサヴァンクッパム村/G.K.マニゴピさん 300戸 150戸 67隻/10,050kg 20隻/3,000kg 4人3 カイパニクッパム村/パドマナバムさん 246戸 134戸 55隻/8,250kg 21隻/2,100kg1人4 エッキヤルクッパム村/ジャヤパウルチェンガイヤクッパンさん 900戸 300戸 50隻/7,500kg 100隻/10,000kg 不明5 マムドヴァイプドゥクッパム村/パラヤサンさん 260戸 14戸 25隻/3,750kg 50隻/5,000kg 2人6 アラムバラクッパム村/ムツヴェルさん 356戸 103戸 80隻/12,000kg 148隻/14,800kg3人7 カダパッカム村/マゴーランさん 164戸 15戸 25隻/3,750kg 74隻/16,400kg 不明 8 パナイヤルクッパム村/ジェヤラマンさん 105戸 51戸 64隻/9,600kg 23隻/2,300kg2人9 アリクッパム村/カンダスワミさん 550戸 336戸 69隻/10,350kg 380隻/38,000kg7人(以上、2005年1月6日:抜粋翻訳AVC)---インド洋大津波支援 参考資料(2)---インド洋大津波 緊急支援活動 AVC現地カウンターパートNGO一覧(1) ARP=農村貧困者のための協会(Association for the Rural Poor)代表者:フェリックス N. スギルタラージ牧師ダリット出身の社会活動家フェリックス・スギルタラージ牧師が中心となり差別と貧困に苦しむ農漁村民の組織化や権利回復運動にとりくむNGO。ダリットや先住部族、土地なし農民、女性や子どもなど社会的弱者に焦点をあてた意識化教育、自立支援を実施。また南インドのアンバッカム村にインド身障児のための家というダリットで身体に障がいを持った子ども、孤児のリハビリテーションホームを運営し、身体と心に深い傷を負った多くの子どもたちが思いやりとたすけあいの精神に満ちた共同生活により癒されている。(2) IFDE=開発教育研修所(Institute for Development Education)代表者:アニータ A.G.M. .女史「持続可能な人間発展」「草の根の女性のエンパワメント」「人間団結のための相互運動」「人権学習」などを柱に活動するNGO。チェンナイにおけるスラム地域やチェンナイ近郊の先住部族の村々において職業訓練、女性のエンパワメント、自立支援などを地域社会に根ざした住民参加型の運動で展開している。(3) CSI=南インド教会(Church of South India)代表者:Bishop = V.デヴァサハヤム南インド教会のマドラス教区(Diocese of Madras)は伝統ある教区のひとつである。南インド教会はさまざまな教派を越えた連合体であり「ともにわかちあう・学ぶ・成長する」ことを柱に1947年から活動を開始。マドラス教区はキリスト教教育だけではなくタミル・ナドゥ州、アンドラ・プラデシュ州を中心に教育支援、保健・医療支援、女性の自立支援、ダリットなど社会的弱者の支援を行っている。今回のインド洋大津波被害ではARP、IFDEなどNGOとスクラムを組み緊急支援を展開している。(4) SFFL=スモール・フィッシャーズ・フェデレーション(Small FishersFederation in Sri Lanka)代表者:アヌラダ W. 氏スリランカ沿岸部における経済的に貧しい漁民の自立支援を目的に組織された漁民によるNGO。現在、約60の漁村を基盤にした小規模な住民組織で構成されたグループである。