[マスコミ]の記事一覧 | ヘンリーの国際関係学

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ヘンリのヒトリゴト（コラム）27

[マスコミ] カテゴリの記事

全31件 (31件中 1-31件目)

天気予報とライブドア

「Remember Afghanistan？」地下鉄を待っている間に、ポケットから携帯電話を取り出す。特に理由があるわけではないのだけれど、僕は電車内では携帯電話を使いたくない。優先座席に近かろうが遠かろうが。優先座席には最初から座らないでいようと思う気持ちと同じかもしれない。ま、読書に気が入らないようなら携帯をいじることもあるけれど。要するに大げさな決まりではないのだ。そうそう。携帯電話にメールが届いていた。英字紙のIndependentからだ。PCで長時間、英語を見るのが好きではない（正直言うと日本語も）ので、空き時間を利用してニュースが見れる携帯の方にメルマガを登録させた。Independentのメルマガは、アクセスしない限り見出しだけが送られてくる。それでも、世界のニュースは何となくわかるし、最近ご無沙汰の英語に触れられるのが嬉しい。その日のトップニュースは、「Remember Afghanistan？」だった。続いてWorld News、そしてUK（国内）、ヨーロッパのニュースと来て、Business、Education、スポーツの順となる。そんなに読んでるわけじゃないけど、英国のマスメディア（クオリティペーパー、BBC）を見ていて感じるのが、「意識が世界に向いている」ってことだ。新聞の一面トップ記事にワールドニュースは珍しくない。そして、それが“発掘モノ”、つまり記者が自身の興味で掘り下げて取材して書いたものが出ていたりするのもよく見た。以前、このブログで紹介したスーダンの記事もそうである。「大きな何かが起こったから書いた」というのではなく、慢性的に起こっている事に問題意識を感じて、取材をして書かれている。日本では、海外のニュースが一面にあることがほとんどない。あったとしても、大きな何かが起ったときだけである。また、今のライブドアを取ってみてもわかるように、一つの問題に全部のマスコミが集まって、横並びの記事・番組が並ぶ。眼を凝らさないと分からないような違いを強調することに一生懸命になる。毎日毎日、こんなニュースばかりを見せられてたら、視野は狭くなっていくだろうし、「世界のことに関する嗅覚」が失われそうで怖い。ふと、そう感じた。もちろん、これは好みの問題ではあるんだけれど･･･。極端な話、天気予報を比べてもBBCとNHKで違っていた。（とはいっても、僕がここでいう天気予報は日本で見たものなんだけど。イギリス滞在中はそれほどTVを見てなかったのもあって、英国国内の天気予報を見た記憶しかないです）BBCでは、アジア地域一帯の衛星写真から雲の動きを見せ、天気の変化を知らせた。それを見ていると、「アジアではこんな流れで風が吹いているんだな」とかがわかって、環境問題について思わず考えちゃうのである。NHK（BS７）では、衛星写真はなく、点で各地の天気を伝える。線や面のつながりは見えないのである。「日本のマスメディアによって、日本人の視野が狭くなるぞ」なんて言う気は更々ない。それでも、何となく不安に感じてしまう自分も居る。今、渦中の堀江氏は税制改革に関してこう言っていた（気がする）。「こんなんだったら、有能な企業はどんどん海外に出ちゃいますよ」広い視野を持ったマスメディアを求めて、有能な人物は海外の新聞に走るかもしれない。英語さえ読めれば、WEBを通して、英語圏以外も含めた様々な国の海外の新聞を読めるのだから。……と、まぁ最近こんな感じの日記を書いてたんですが、結論が微妙だったんでお蔵入りにしてました。で、そのままにしようかと思ったんですが、後輩とスタバでコーヒーを飲んでる時に出た話題とリンクしたんで載せる事にしました。話題はライブドア問題。「ライブドアの強制捜査によって、ヒューザーの小嶋社長がメディアでほとんど取り上げなくなった。どうも、小嶋社長は政治力のある○○会と関係があるらしい」…だそうで。これって、以前、白装束のタイミングと有事法案の国会審議が完全に一致したことを思い出しちゃいます。「マスメディアが同じ方向を向いている時、報道されないものが重要になる」ってのは、つくづく忘れがちな教訓であります。これって、わざとなんですかね？現場ではそうじゃないと思うんですが、逆らえない権力が紙面やオンエアを牛耳ってるんでしょうか？折角、マスコミ関係者と飲み会に行ってたんですが、このスタバ談話の方が後だったため、聞かなかったという惜しいことを…。さて、卒業寸前なんで、そろそろ免許合宿に行って参ります。

January 28, 2006

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読売新聞に対して、ちょっと思ったこと。

尼崎JR脱線事故。それの報道について思ったことを少し。気になったのは読売新聞の記事。26日付の朝刊。兵庫県警の「速度超過による人為ミスが主要因という判断」が表立っており、運転士の過失を印象付ける紙面だった。（「気のせいだ」と言われれば、反論できませんが･･･）JR西日本の「粉砕痕」を理由に置石の疑いがあるという主張も書かれていた。だが、兵庫県警が先頭車両が巻き上げた石を後発車両が引いた跡の可能性があるとしている意見でフォロー。同日夕刊では、原因は不明だと言う感じの印象を受ける内容だった。27日朝刊では、識者の「原因を断定すべきでない」という意見を載せた。今でも原因はわかっていないけど、色んな要素が重なり合ったという見方があるようだ。（ダイヤ至上主義・電車の脆さ・ブレーキなどのJR側の過失も多そうだが）で。その最初の報道における読売新聞の「運転士の過失を印象付ける紙面」に疑問を持ったんです。まだ原因がわかっていない段階で、「運転士を犯人扱い」してしまうことって好いんでしょうか、っ思ったんです。日本って、「疑わしき罰せず」の推定無罪の原則があるはずですよね。なのに「運転手のせいで、事故が起こった」と見せてしまうのは報道被害になるんじゃないかと。そんなことを思った次第であります。原因は何であれ、それを解明して再発を防いで欲しいと思います。また、遺族・被害者の方に満足の行く謝罪をして頂きたいたいと思います。

April 27, 2005

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父との話/本のレビュー　「日本経済新聞は信用できるか」/ジャーナリズム再考

（一部追記しました）先日、某企業で集団面接を受けました。酷い出来でしたが、翌日に合格の電話が。後日、個人面接に進みます。第一志望の業界では無いとはいえ、あまりの不出来に凹んでいましたので、ちょっと安心しましたわ☆では、気を取り直して。今日、父と夕食時に話してました。OECDの国際調査で、日本の読解力が8位から14位に低下しているという内容です。ある教師は「楽しさがあふれている次代に、いかに本を読む気にさせ、読む楽しさを教えていけばいいのか。名案が浮かばない」と嘆いているそうです（朝日新聞、2004年12月8日）父は本が好きなので、嬉々として話してくれました。「活字を読むことで、考える力が生まれる」「登場人物の感情を理解することは、人の気持ちを理解することにつながる」「まずは自分の好きな本を読めば良い。難しい本でなくても良い」「一般的に『悪い』と思われる行為をしている主人公の話も読んでみるべき。仕事人だって、していることは『殺人』だ。色んな視点の本を読むことで、『自分の力で善悪を判断できる力』を養っていく」などなど。もうちょっとうまいことを言ってたのですが、今の僕ではこんな感じです。で、話を少し変えて。東谷暁「日本経済新聞は信用できるか」（PHP研究所、２００４年）を読みました。内容は「日経新聞の批判」。日本経営の「三種の神器」（終身雇用・年功序列・企業組合）の良さを褒めたたえた後、いかに「日本型経営」が「欧米と比べて遅れているか」を語りだす。そして、批判のないアメリカ式への賛美へ。これを筆者は、「問題にすべきは、日本的経営を課題に評価して、それが交代すると今度はアメリカ型だ、世界標準だと煽った日本経済新聞社の姿勢だろう」と表現しています（78頁）。そんな感じで、「日経が日本を煽った出来事」が書かれてある興味深い本でした。ちなみに。この筆者は、最近「文藝春秋　三月号」で、『日経新聞「中国報道」が危ない』という記事も書いています。英紙Financial Timesと言い、経済紙は中国が嫌いらしいですね。「日経が経済紙なのかどうか」は、議論があるところだとは思いますが。-----------（追記）-----------英紙Financial Timesが中国が嫌いってのは、親友の中国人から聞きました。僕も、ある記事からそう感じましたが、どの記事も「中国嫌い」なのかは不明です。また、この日記は日経新聞「中国報道」が危ない』読む前に書いたのですが、読んでみたところ「中国嫌い」ではなく、「中国に気を遣う」という記事になっているようです。経済界の要望が反映しているとのこと。----------（追記終り）---------さて、今日の結論。何度か書きましたが、「新聞に書かれていることが真実とは限らない」という姿勢を持つ事が重要です。「新聞が信用できない」としても、「では何が信用できるのか」を考えれば、大切なのは「受け手の姿勢」となると僕は思います。そこで、父の発言の「自分で『考える力』を持つこと」の重要性を改めて思い知らされます。その一助になるようなことを書いていけるヘンリーで、ヘン国で在り続けるように、これからも頑張ります☆＜参考：過去のヘン国日記「ジャーナリズムを考える」＞僕が考える理想の記事／英国生活ピンポン未遂／『介護入門』／プロのジャーナリストある発言への考察（後篇）マスコミの抱える構造的欠陥マスコミ論その２「地べたから撃て」と中国天安門事件の話。中台関係について。

February 14, 2005

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戦争とメディアと日本国憲法

帰国後、TVがつまらな過ぎてビックリしてますヘンリーです。ニュースとドキュメントと漫才とコントしか見る気がしません。まぁ、TVのニュースも大概ですが。「イギリスと比べて面白くない」ってよりも（英語のTVはほとんど理解できませんでしたし）、留学前と比べて質が落ちていると感じました。新聞も、イギリスで読んだ新聞に比べると読み応えが無いですね(海外・政治記事については)。記事に意見がないこと、短いこと、どの新聞も同じ事を言っていることが原因だと思います。「自分で調べた！」という情熱も感じられませんし（発表を受けて、という印象）。ちょっと寂しいです。こっちも、英字新聞とではなくて、留学前と比べて質が落ちていると思いました。そーいや、「少子化」が妙にどの新聞で取り上げられていますね。僕が見た範囲ですが。政府の要請なのかなぁ、なんて勘繰ってしまうあたり、我ながら懐疑的になってきたと思います。＜大学のーと　戦争とメディア＞さて、毎週末はメディア論！･･･と思っているんですが、うまくいきませんね。いつものように大学で学んだ話を。（１）報道価値がある戦争は、「dramatic（ドラマチック）」「eventful（波乱に富む）」「dangerous（危険な）」「unpredictable（予期できない）」「emotion-laden（感情論が詰まった）」という、Newsworthy（報道価値のある）なニュースである。（２）戦時メディアの役割「批判的Observer」「Publicist（広報係）」（そのConflictのofficial versionを特権化して、広報する）「Battlegroundとしてのメディア」（促進も反対もせずに、中間的な役割を）（３）戦時中のNews managementニュースのManagementやSpinはCrisisや戦争の時に明らかになる。政府や軍が、情報をコントロールするから。政府は戦争を行なう際にサポートを必要とする。ニュースはPublic Opinionを動かしたり形作ったりすることができ、政府の決定にLegitimacy（正当性）を与える事も可能だ。（４）Crisis中のジャーナリスト・Publicを守る為に、戦時ジャーナリズムは重要になる。　しかし、同時に、批判的視点や権威に対する疑問、客観性が薄れるのである。・Quickness（迅速さ）とAccuracy（正確性）の衝突が起こる。・Sensationalism（扇情的意図）の危険がある。・Infortaiment（インフォメーション＋エンターテイメント）となる。　注意を引く画像によって、ゲームのようなスタイルで報道され、Bloodless warになる。・小さなカメラなど、技術発展によって更なるアクセスが可能となり、危険も更に増えた。・コントロールの問題。ジャーナリストは、完全に軍の情報を頼りがち。（５）チャーチルの言葉「In wartime, truth is so precious that she should always be attended by a bodyguard of lies」「戦争の時、真実はとても大事だ。但し、その真実は嘘というボディガードによって常に守られるべきだがね」＜憲法と＞（３）の中にあった「政府は戦争を行なう際にサポートを必要とする」について補足する。少し長いが、清水英夫『マスメディアの自由と責任』（三省堂、1993年、6－7頁。）から引用・抜粋する。--------------------------------------------------------------（アメリカ合衆国において）戦時における軍事情報をはじめ、「公共の福祉に余りにも反しており、事後の救済がまったく不適切であるような言論」には、例外的に事前抑制（検閲）が許される。･･･軍事情報は、事実上秘密の聖域におかれることになった。（中略）日本のそれ［検閲の禁止］は、ほとんど例外の入る余地のない憲法上の明文規定であり、その意味で絶対的な禁止である、ということができる。検閲の禁止をめぐる日米間の相違は･･･憲法が戦争を禁止しているか、いないかということも大きな関連がある。･･･戦争を放棄しない以上、軍事秘密は当然最高の国益になるのであり、検閲禁止原則の典型的な例外とならざるをえない。（中略）憲法の各規定は総合的に判断すべきものであって、［検閲禁止を謳った］憲法21条は憲法9条と一体化して解釈しなければならないのであり、その逆もまた同じである。たしかに、憲法9条だけの解釈に限定するかぎり、自衛権を認め、その範囲内で軍隊を持つという解釈は不可能ではないだろう。しかし、軍事情報を含めた検閲の禁止が厳存するかぎり、戦争の遂行は―たとえ自衛戦争であろうとも―およそ不可能であろう。なぜなら、報道管制（軍事検閲）を実施しないで、戦争を遂行することは絶対に出来ないからである。----------------------------------------------------------------以上のことから、「戦争には、政府によるメディアのコントロール（検閲）が不可欠である」というのが解る。身近な例を挙げると、イラク戦争の開戦時期について、メディアを通して流された情報よりも早く攻撃を開始し、イラク側を混乱させた、という事があったらしい。このことは逆に言えば、戦争状態を作り上げることで、メディアのコントロールを正当化することだって出来るわけだ。憲法で禁止しているはずの検閲が始まる時、日本は戦争を始めようとしているのではないか。そう考えることは、あながち間違っていないだろう。「軍事秘密は当然最高の国益になる」という考えがあるのだから。さぁ。ここ数年の間にメディアを規制するような動きは無かっただろうか？少し思い出して欲しい。＜日本国憲法第21条＞（１）集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。（２）検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。余談。NHKの事件について、読売新聞（特に紙の方）ではほとんど取り上げていません。これがどういう意味を持つのか。興味深い話だと思います。追記（1月23日）最近、新聞が面白くなってきた気がします。特集が多くて、調査報道になってるからかもしれません。

January 15, 2005

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ジャーナリストに会って　後篇　映像信仰

前篇に続き、「ジャーナリストの方に会って」という事で書いてみようと思います。今回は、ひょっとすると陥りやすい「映像信仰」について。「映像信仰」とは、文字通り、「映像として“見える”ものは、真実だ」という考え方です。一応、マスコミ志望でレスター大学でマスコミの勉強もしたので、僕的には、この考え方は「眉唾モノ」なのですが、現在大学でレクチャーをしているＡさんによると、映像信仰家は多いらしいんだそうで。似たようなことが、古本屋で１００円で買った『２００１年度版マスコミ就職攻略本』（ＴＮＳマスコミ研究会編、池田書店）にすっごい意見が載っていました。まさか、マスコミの研究者である発行している側が、本気でそう思っているとは考えられないのですが、面接官と受験者（報道記者を志望）の会話の中で、こんな事が書かれていました。「映像とは文字とは違い、見たままのありのままの姿が伝わります。受け取る側によって、解釈の違いが生じることはほとんどありません。」同ページの下の欄で、この受験者に対して「はっきり言って、受かるレベルにはほど遠いものがあります」と面接官が語ってあったので、一応のフォローはしているのかな、とは思うのですが、これが誤解の元にならないことを祈ります。いやはや、これを読んだ時にはビックリしました。ですが、Ａさんのお話によると、「生徒の多くは、映像＝客観的真実、活字＝主観的意見とさえ考えている」のだそうです。なるほど、たしかに映像の中で「見えるもの」は「客観的」であるのかもしれません。「事実」なのかもしれません。ですが、「見えないもの」はどうでしょうか？「見せていないこと」は、作り手の「主観的な意見」ではないのでしょうか？同じ写真から、全く違う意見を作り出す事だってできるのです。もし、今の社会に「映像で見ることができるならば、それは即、客観的真実である」と考えてしまう、短絡的とさえ言える思考がはびこっているのなら、何が原因なのでしょうか？「活字離れ」と、それに伴う「思考の粘着力の低下」ではないだろうか？これは、Ａさんが仰っていたのですが、僕もそのように思います。まず、「活字離れ」は、顕著だと思います。本の売り上げが下がっている、と聞きます。また、大学生はネットをよく使用すると思いますが、ネットの文章は本と比べると、たいてい短い文章であることを考えると「活字離れ」と言えるでしょう。映像や画像は、思考を必要とせずに、頭に勝手に流れてくるものなので（と、僕は思います）、それに頼ってしまうと「考える力」が衰えるのは自明の理でしょう。また、「その映像では見えないもの」について、考えようという所までは滅多にたどり着けません。「見る」は「読む」と比べれば、想像力を必要としない行為なのですから。そういった生活に慣れてしまうと、「思考の粘着力」は衰えていくのだと思います。「長い文章を読みきれない」「難しい文章に、すぐに挫折してしまう」「答えが曖昧なものよりも、不確かでも（時に洗脳的でも）ハッキリとした『答え』を求める」読者・視聴者に優しいマスコミは、そういった大多数に合わせるようになり、「ジャーナリズムの質の低下」につながるのだと、僕は思います。英国の新聞と比べて、明らかに短くて浅い日本の新聞。仮に、長く、深く、記事を書いたところで、それを読者は喜ぶのか、読めるのか？ちょっと論点があっちこっち言っちゃったので読みにくかったと思いますが、「映像を信じないで欲しい」（見えない物の方が大切）「活字を読んで欲しい」（思考して欲しいから）と言う思いを込めて、書きました。是非、一度考えてみて下さい。＜ヘン国内の参考日記＞2004年8月28日の日記内にある＜舞台レビュー　オペラ座の怪人 Phantom of the Opera＞2004年9月15日『人権ってなぁに？』」に対する、ある先生の答え＜今日の哲学な言葉　　目に見えない＞「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ」（サン＝テクジュペリ、内藤濯訳『星の王子様』岩波少年文庫）　キツネが王子様に贈った言葉だ。「肝心なことは目に見えない」。先ほどの文章の中でも書いた事と共通すると思って載せてみた。僕は「見えないもの」に、どれほど思いを馳せる事ができるだろうか。見えないものを形にするのは「活字」の力だと、僕は信じたい。※『星の王子様』は、志村史夫『「考える知恵」がつく本』（三笠書房）からの抜粋である。

January 10, 2005

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オンラインジャーナリズム～伝統的ジャーナリズムへの挑戦

＜大学のーと　オンラインジャーナリズム>一部の方々、お待たせしました！久々の「大学のーと」です。今回は、マスコミの授業のハンドアウトから「オンラインジャーナリズム」について。色々書いた後に私論も述べてみます。（１）ニュースの個人化（Personalization）ジャーナリストと編集者の役割が制限される。すなわち、ユーザーがどのニュースを受け取るかを決定することができなくなる。これは、「Danger of missing out on important events」（重要なニュースを見逃す危険）につながる。（２）代替的ニュースオンラインオンラインのみで記事を書くニュースサイトがある。Monica Lewinskyのニュースをすっぱ抜いたDrudge Reportのように、主要メディアが無視するようなStoryをoriginateできるアドバンテージがある。しかし、信用性にまだ問題があり、既存メディアの「Newsroom routine」で設けられている制度的チェック＆バランスが、こちらには無い。（３）ウェブログ[ブログ]Web上の他の記事から、ブロガーが面白いと感じたものを選出する。だが、我々がブロガーをジャーナリストとしてみなすかどうかは疑問である。（４）21世紀のジャーナリストの役割ネット上で利用可能な情報の量とSource（情報源）が多様化した。誰でも比較的簡単にウェブサイトを立ち上げ、情報とニュースを回すことができる。しかし、それは「混乱（confuse）」「方向感覚を狂わせる（disorientate）」「overload（負担のかけ過ぎ）」を引き起こす潜在的な力がある。大量の情報が溢れる中で、ジャーナリストの役割は「情報を集め、それを我々にaccessible（利用可能）する」だけでなく、「Audienceをnavigateすること」にある。なんて事を習ったワケです。ではちょいとコメントを。（１）ニュースの個人化。これは僕も不安に感じます。どこで見たか忘れましたが、新聞の記事について、アクセス数と紙面での扱いが違う点を指摘して、「もっと読者に合わせなくてはならない。こんな傲慢な事で新聞は大丈夫か」なんて語っていた意見を見たことがあります。その意見に僕は賛同できません。一般的に普通の人が「気になる記事」は政治ではありません。海外の文献で申し訳ありませんが、Sparks, C. (2000), “From dead trees to lice wires: The Internet’s Challenge to the Traditional Newspaper”, in Curran, J. and Gurevitch, M (ed) Mass media and society 3rd edition, New York: Arnold, pp268-294.から、米国のオンラインニュースの人気の順位（1999年）を挙げますと、６４％　天気５９％　テクノロジー５８％　エンターテイメント５８％　ビジネス４７％　スポーツ４７％　インターナショナル４６％　健康４３％　科学４３％　政治４２％　ローカルということで、オンラインでは、政治は科学と並び、非常に興味が無い分野となっています。しかし、オフラインニュース（紙の新聞）では政治の記事が一面を飾ることが多いです。これは読者にとって重要なニュースを伝えるという選別があるからだと考えるのが妥当だと僕は思います。しかし、オンラインにおいては、ジャーナリストと編集者による選別が「ニュースの個人化」によって失われるのです。海外のマスコミに関する文献では指摘されることが多いと思われる、この「ニュースの個人化問題」。日本ではどれほど取り上げられているんでしょうか？（２）オンラインニュースサイトとして、先生ご推薦のものを以下にあげておきます。http://www.drudgereport.com/http://www.ananova.com/（３）ブログについては、これからも書いていこうと思いますんで、今日はノーコメント。（４）ジャーナリストの役割とは何か？これは、色んな意見があるIssueですよね。ここで、先生は「情報を与えるだけでなく、ナビゲートすること」だと説いています。これに対して、「そんな事はおこがましい。傲慢だ」って意見があるのは僕も知っています。英国で文献を漁った際は見なかったですが、日本語ではネットをうろついた時に幾度か見かけました。でも、僕は本来あるべきジャーナリストの役割は、先生の指摘したものである、と思います。特に、情報過多の時代において、「大切な情報」を選出するのは非常に難しく、その役割は大事になると考えています。問題は、「ナビゲート」の中身であると思うのです。「公的機関の言いなり」へと国民をナビゲートするものではいけない。これは「記者クラブ」の弊害で起こりうることです。（乱暴に書くと「記者クラブ」を通じて、特定のマスコミが公的機関から経済的便宜を受ける代わりに、その機関に対して、都合の良い記事を書くようになるというもの。詳しくは、岩瀬達哉『新聞が面白くない理由』講談社、1998年。が参考になると思います。）ジャーナリスト自身が、市民の立場から「大事なもの、考えるべきニュース・情報」を考え、それらを与えて、市民の議論をナビゲートするものであって欲しいと僕は思うのです。ってなワケで。週末前はマスコミ関連の日記を書いて、Media Weeklyまがいの事をしようかなぁ、なんて考えているヘンリです。（※本家は毎週月曜日）

December 29, 2004

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オンラインジャーナリズムについて（英文）

今日（12月6日）のプレゼンの原稿。今んトコは英語ですが、そのうち日本語でも書くかも知れませぬ。タイトルは「Online journalism: Look though 2-3 prominent online knows websites and use this as a basis for discussion about the future of journalism. Is journalism online different from print/broadcast journalism? If so, how and why? 」英語に関してはアテにならんので、其処んトコ宜しくです。では始まり。Today I will talk about online journalism.As you know, the development of online journalism has changed the circumstance of traditional journalism.Therefore, this progress should not been ignored.Then, I will examine “what online journalism is,” ”Deference between online and offline within Newspaper,” ”Deference between online and offline in general,” and ”Future journalism”------------What is online Journalism?First of all, let’s examine what online journalism is?I show 4 types of online news sites.First one is Website organized by traditional journalism.As you know many traditional news organization like TV, radio, newspaper corporation have their own site, such as Guardian, FT.com, BBC, CNN,….Second one is search engine’s news.Famous search engine like Yahoo! and google supply news, now.However this is almost same as first one, because such kinds of news sites depend on traditional news organizations. Third one is online-based news siteananova.com, apbonline,…They are quite new style.Recently, Japanese web site also started same one.Forth one is weblog.For example, the Guardian weblog and so on.Now, web log don’t regard as journalism.However, last US election, blogger played an active part.It was Technorati to contribute it.Technorati is a system to gather information of weblog and create database immediately.If you become member of this, and make ‘watch list’, and register your address,You will be informed when someone link your weblog.The big difference between Technorati and search engine is ‘speed’Google can notice new comment on weblog, it takes at least half of day, or one month later. However, if you register Technorati, you can notice others’ comment on your weblog after a few minitutes they write.Therefore, real time discussion is possible. In US election, Technorati can make examine public opinion of bloggers.Judged by this, citizen could divide blogs into pro-Democratic Party and pro-Republican party.It affected people’s behavior.Besides, I heard that Republican Party invited famous blogger into the Party meeting to inform the party’s opinion.And by Technorati, bloggers have checked whether newspaper article is facts or not in real time.If contents of article have mistakes, immediately bloggers point out them.Then journalist can notice their mistakes by using Technorati, and amend their mistakes soon.It may make article higher quality.Through this explanation, I can say that weblog also has possibility to be proper journalism.--------------------------------Deference between online and offline within NewspaperNext, I’ll compare with online and offline newspaper.I focus on 2 points; revenue and content of article.[Revenue]Firstly, about ‘revenue’.Traditionally, newspaper’s revenue has based on subscription and advertisement.But actually it depends on income from advertising.Income of subscription offsets distributing to shops.On the other hand, online newspaper can cut the cost to distribute.Therefore offline newspaper looks economics.Besides, core online audience is almost same as newspaper readership younger or richer.In addition, online advertisement is progressing.In 1997, less than 1 billion dollars (Internet Advisement Bureau)In 1998, 2 billion dollars (Internet Advisement Bureau)In 1999, 10 billion dollars (Internet Services Providers)In 2000, 20 billion dollars (Internet Services Providers)However, in online world, there is harder competition.They must compete with ‘Other newspaper, Different media’, Specialist news’ and ’News recourse’.(1) Other newspaper In the internet, they don’t worry about geographical location to distribute copies.As a result, local newspaper has been forced to compete with national newspaper, and national newspaper must compete with foreign ‘Brand’ newspaper.(2) Different mediaNot only newspaper but also other media, such as radio or TV become competitors.Especially brand media, like CNN and BBC, is threat for newspaper.(3) Specialist newsSpecialists don’t have to invest in printing and distribution.It becomes easier to entry.(4) News recourseNews recourse doesn’t intermediary to reach the public.They flee from “conventional media value and restriction” For instance, NASA started this service, because they want to cut cost and show unfiltered report. In such severe completion, online newspaper must survive by achieving the advertiser’s trust.This is first difference.[Contents of article]Next, look at the difference of contents in articles.Traditionally, quality newspapers try to reflect the advertisers’ opinion.Advertisers care about quality of readership.“Character is more important than number” (Curran and Seaton, 2003)As a result, in order to meet rich people’s demands, newspaper motivated to be higher quality.On the other hand, online news changed this situation.[News type: News interest of online news consumers in 1999 in US] by SparksWeather 63Technology 59Business 58Sports 47International 47Science 43Health 46Political 43Local 42Political issue is not popular, while front page of newspaper is occupied by political news.What is worth, for advertisers, clear index of attention is the number of access?Therefore, impact of online newspaper may create the danger thatnot only audience miss out important news, but also that newspaper didn’t care significant but less popular news.-----------------------Deference between online and offline in generalThen, next, let me explain the general difference between online and traditional journalism.As I explained, there are several kinds of online journalism, for example web log.Among them, there are news sites who acquire absolute freedom from governments, social pressure or even advertisers.Or, we can access information source directly without journalist’ filter.Thanks to these, we can read free and various points of view to understand news.However such ‘freedom’ and ‘variety’ may have problems.Freedom may be likely to lose reliability.As for web log, it is free, but without check by editors, they can show opinion.Even if they mistakes, they don’t have to feel responsibility.And ‘variety’ may tend to confuse audience.From the whole world, we can gather information.Therefore, it is difficult to judge which news is important.As I pointed out before, it can lead to danger of overlook of political significant news. Conclusion -Future journalism-Povilk said, “To foresee the future of new media technique is ‘Art’ rather than ‘Science’.”Well, I also think it is difficult to guess how online journalism develops in the future.However I can say online journalism will be able to develop better, as Technorati attracted attention at this time US election.Nevertheless, I believe offline journalism should continue at the same time.Because of these 2 reasons.Firstly, there are more people who cannot use Internet than users.Besides, many non-internet users are social week group, such as the poor. Secondly, traditional media can contribute to stop ‘personalization’ and keep paying attention to important news.It will be danger to collapse of democracy, because citizen cannot make right decision by lack of information.Therefore, coexistence as competitors might be ideal future.My explanation is over.Thank you for listening.------------------Discussing questionDo you think online journalism should take the place of offline journalism?--------------------BibliographyCurran, J and Seaton, J. (2003), Power without responsibility: the Press and Broadcasting in Britain (6th edition). London: Rutledge.Curran, J and Seaton, J. (2003), Power without responsibility: the Press and Broadcasting in Britain (6th edition). London: Rutledge.McNair, B. (2001), News and journalism in the UK (4th edition). London: RutledgeLister, M. et al. (2003), New Media: A critical introduction: London Rutledge.Lichtenberg, J. (2000), “In defense of objectivity revisited”, in Curran, J. and Gurevitch, M (ed) Mass media and society 3rd edition, New York: Arnold pp238-254Sparks, C. (2000), “From dead trees to lice wires: The Internet’s Challenge to the Traditional Newspaper”, in Curran, J. and Gurevitch, M (ed) Mass media and society 3rd edition, New York: Arnold pp268-294テクノラティに関してはこちらを参照しました。「ブログを変えるテクノラティの衝撃　2004年 10月 28日」『ネットは新聞を殺すのかblog』ちなみにこんなの。日本でも近々な感じですが、新聞やGoogle、Yahoo!のニュースには載ってないですね、今んトコ。

December 5, 2004

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ブッシュ再選の周り　後篇「日本の新聞の社説研究（２）東京と神戸」

ちょっと痩せました。でも、Crispばっか食べてます（いわゆるポテトチップス。チップスは英国ではフライドポテト）。そして、日本に帰ったら、おしるこを食べたいと思っています。････うん。太るね。････。まはまはだいひょうふ！！（口にチョコを頬張りながら）ってな訳でフロッピー絶不調の為、更新もメールの返信もさっぱりのヘンリーです。＜続・ブッシュ再選を巡る社説研究＞ようやく続きです。読売、朝日、毎日、産経、日経、東京、神戸の新聞から、毎日と読売を除いた５社から。今日も、「良い！」と思った順ってのは止めにして、目に付いた2社に対してコメントを交えて書いていきますが、メチャクチャ主観です。ではでは。-----------------------------------------------------------------------------------東京新聞　「米大統領選　亀裂を修復して欲しい(11/4)」「ブッシュ政権　力だけでは解決できぬ(11/5)」溜息が出ました。＞ブッシュ氏が苦戦したのは、イラクでの大量破壊兵器が発見されなかった経緯や、＞泥沼のようなテロとの戦いに、世論の批判が根強い結果だろう。「結果である」と断言してなかった点は評価できる。先日の日記にも書いたが、テロ対策に関してはブッシュの評価の方が高い。「アメリカは安全になった」と感じているアメリカ人も少なくない（「イラク戦争で米国はより安全になった」人は46％、Yomiuri Online（2004年11月5日））。根拠が乏しいまま、希望的観測で書かれていると言わざる得ない。。＞ブッシュ政権が推進してきた「力の政策」がすでに破綻したことは明白だ根拠は何処にあるだろう？近いうちに書く「反米という親米主義者」で、この点については言及するつもりだが、少なくとも現在進行形の出来事に「明白」という言葉を使うというにはよろしくない。「明白だ」という決め付けは「ナンセンス」と同様、思考力を奪う危険な言葉だ。こういったものの評価はどこを支点にするかで良くも悪くもなるのだから。＞米国がイラク問題で排除し続けた国連の参加を促すことが不可欠だ上に同じ。「不可欠」かどうかはジャーナリストが決めることではない。＞ブッシュ政権は、現在の武力中心から、暫定政府と十分に連携して、対話促進の環境作りなどに＞政策の中心を移すことが肝要だ。同様。また、暫定政府を完全にイラク人の代表として信頼しているようだが、田中宇氏が指摘しているような米政府内の対立によって生まれた産物である、という見方はないのだろうか？（僕も「学校で習わない国際政治」で書きました。よければ参照して下さい）＞米国にとって不利なことでも日本として率直な意見を表明するのが首相の責務である言ってるやん、とか僕は思うのだが････。政治とは世論に従えば好いというものでもない。不勉強な国民に代わってエリートたちが頭を絞って考えて行動しているのであるはずだから、あれは十分、小泉首相の日本の意見であろう。ま、それは主観的な感想だからどうでも好い（「率直」の定義しだいだろう）。それよりも「率直な意見を表明するのが責務である」と断言している点が気にかかる（「率直な意見＝本音」とする）。「国際政治をなめているのか？」なんて思ってしまうのだが。仮に米国にとって不利だと解っているとしても、それを言葉にしてどうする？大量破壊兵器がないことを解ってイラクを攻撃したアメリカが本音を言っているか？フセインが「何も持ってないけど、それがばれたら舐められるか査察拒否します」なんて言ったか？（持っていたかどうかはわかんないけど）「率直な意見を表明する」というのは外交でない。現実は漫画でも映画でもない。正直であってはいけない。新聞の役割を「市民の鬱憤晴らし、ガス抜き」としてしか見ていない社説のレベルだと思う。「市民の気付いていない見方を提供しよう」という気は無いのか？-----------------------------------------------------------------------------------神戸新聞　「ブッシュ政権・内外で協調体制をめざせ（11/5）」「ブッシュ大統領再選／超大国が内向きになっては困る(11/4)」すごくさっぱりしています。＞国際世論がケリー氏に寄せた支持を考えれば国際世論が、ケリーがどのような政策を掲げているかを吟味した上で支持をしていたのかを問いたい。単なる「反ブッシュ」候補だったのではないか？＞世界の安定や発展に向け、中心的な役割を担う国は米以外に考えられない。さりげなく米国一極支配肯定。＞（米国の）信用の失墜は全体にとっての不幸ではないかそれっぽいけど、実は意味の無い一行。「全体」って何処だ？「不幸」って何だ？非常に曖昧である。わかった気にはなれるけど、実は何もわからない。＞（イラク戦争、中絶、同性結婚などの違いが際立った）「敵か味方か」のブッシュ流が影響したのかもしれない二大政党制の選挙だからねぇ。一緒じゃダメでしょ？大きな政策の違いが争点になるのは、ブッシュ流ではなく当然だと思われます。何とかブッシュ批判につなげたくて、二元論批判を「ブッシュ流」とかに決め付けようとしたのかな？＞再選された大統領に対し、欧州諸国などからは歓迎などとともに注文の声が相次いだ。問題は「欧州諸国」しか見ていないこと。アジアはどうだったのか？ムスリム諸国は？「欧州諸国など」とまとめているが、要は「情報は欧州からしかもらっていません」と告白しているようなものである。＞ブッシュ政権が転換を図るとすれば、重要なキーワードは「協調」になるだろう「協調」を語ってくれるのはかまわないが、どことの「協調」だろうか？前述の文には｢欧州諸国｣しか書かれていないことだし、欧州だけだろうか。「国際社会＝欧米」という見方からは逃れられないようになっているのかもしれない。ちなみに日本に関する言及はほとんどなかった（北朝鮮に関して少し。だが要旨はアメリカへの提言）。あたかも神戸新聞がアメリカ人に読まれることを想定して書かれているようだが、それはどうだろう？-----------------------------------------------------------------------------------今日は地方紙を攻めてみた。地方紙だからこそ、もっと読み手を意識して書かれるべきだと思うのですが、どうも読者との距離が遠い感じがする。読んだ後に何も残りません（「やぁねぇ、アメリカって」位だろうか？）。地方紙にとって、国際関係は力を入れるところではないかもしれないが、これではちょっとお粗末ではないかと思いました。あとは朝日、産経、日経やね。＜今日のまとめ＞「明白だ」という決め付けは「ナンセンス」と同様、思考力を奪う危険な言葉だ。「率直な意見を表明する」というのは外交でない。新聞の役割を「市民の鬱憤晴らし、ガス抜き」ではなく、「市民の気付いていない見方を提供できるもの」であって欲しい「国際社会＝欧米」という見方からは逃れられないようになっているのかもしれない。＜へんりのえげれす（６）旅行編　バス>基本的に乗りません。どこで降りるかわからんしね。アムステルダム（オランダ）、パリに行ったときはバスで行きました。ロンドン、アムス、パリを回るバスが￡70（約14000円）。バスで大阪～東京間を往復すると同じ位の金額やんね。同じ値段で海外旅行なんだからお得な感じ。但し。ドーバー海峡で起こされます（夜行の便で行きました）。船に乗る前後でパスポートチェック。日本人はほぼスルーですけど、帰らされている人も居ましたよ。ちなみにイギリスの方が、入国が厳しいです。島国だしね。フランスなんて陸伝いでいっぱい来ちゃうから諦めているんだと勝手に思っています（パリ～アムスはパスポートチェックなしの直通でしたし）。このドーバー超えのフェリー。バスから降ろされるのですが、2時間くらいを仮眠して、バスに戻って････という感じでしたので、ろくに寝れません。フェリーに置き去りにされたらどうしよう･･･なんてハンター×ハンターな気分です（到着時間がわかりませんでしたから）。足しても睡眠時間４時間弱くらいですかね。若くないとできません。（ちなみに、この旅行の前日、思いっきり頭痛でした）・・・・・・・・・はっ！！バスの話をしてねぇ･････(　´_ゝ`）めげずに次回は電車の話。

November 10, 2004

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ローストビーフと広告と

10th　Nov帰国日がほぼ決まりました。12月13日（月）の晩です。11日の金曜日に授業が終わるので、終わってすぐってのもしんどいし、後にずらしたかったんですが、クリスマス前って事で満席らしいです。とりあえずキャンセル待ちをしておきましたが、期待薄ですね。ってな訳で、暇な方は遊んで下さい☆･･････にしても。電話で、帰国日を伸ばせるか確認しようとしたら、オペレーターの人に、「あなたが何を言ってるか解らないから、日本語が話せる方に代わるわ」と言われて、正直泣きかけました。7ヶ月って短いなぁ（遠い目）。＜大学ノート　「広告とメディア」＞昨日、日記に書いていたエッセイの内容は｢広告は自由な新聞に不可欠か｣ってトピックだったのですね。そんな訳で、日本のWEBサイトではろくな意見も集まりませんし（ってか頼んな）、5冊くらいの英語の本から該当する所を探して読んでいたんですが、新聞って印刷代とかで値段そのもののコストが相殺されるらしいのです。つまり、儲けは広告から、ってことになります。TVみたいな感じですね。Curran, J. and Seaton, J.(2003), Power without Responsibility: The Press and Broadcasting in Britain. London: Routeldge.によると、・新聞のオーナーは読み手ではなく、広告主に合わせた新聞作りをする・広告主にとって、読まれる数より、読む人の性質が重要だ。広告主は、お金を持ち、商品を買ってくれる層が読むように要求する。1,000人のupper～middleクラス　＞　100,000人のlowerクラス　いくら興味を引いても、購入されなくてはお金の無駄だからだ。※ちなみに、これは英国の話であり、日本はどうか知りません。で、まぁ、僕もジャーナリストを目指そうなんていっている人間ですから、「広告主に合わせた新聞作り」なんて事を聞いて、ある不安がでてきました。「日本の新聞が読まれているのか」って事です。購読の理由として、積極的に「記事内容」を選ぶ人は「世帯主」「単身者」ともに3割以下、消極的理由（「どちらかといえば記事内容」）を含めても、ようやく5割だそうです。つまり、約半数が「習慣性」によって購読しており、戸別配達がなくなれば、新聞を「必要な時だけ買う」「買いには行かない」という人が合計で7割強にもなるそうです。また、ある販売局員の話では、「すべてのページの『面別閲読量』を調査、分析した結果でも、いかに新聞が読まれていないかがはっきりした。そもそも大半の人は、新聞を一日20分程度しか読まないのですが、読むページも1面、テレビ欄、スポーツ面、社会面に偏っている。政治面、国際面、経済面、商況・証券面などは、まったく読まないという人が、いずれも2割以上いる。逆に読んでいるという人でも、“よく読んでいる”から“四分の一未満しか読まない”という人の平均値をとると、世帯主ですら3割程度しかキチンと読んでいないという結果が出ている。これは新聞の広告料金に直結していることなので、絶対に外に出せない数字なのです」と、あります。（岩瀬達哉『新聞が面白くない理由』講談社1998年、283-286頁）広告収入が新聞の柱である以上（日本の新聞ってそれ以外に色々手を出していますが）、この状況ってまずくないですかね？じゃあ、どうすれば良いのか？とりあえず、自分の中でアイディアは閃いたのですが、就職試験用にとっておきます（笑）。皆さん、新聞って読んでますか？広告を見ていますか？＜へんりのえげれす　こぼれ話>旅行編と銘打ちましたが、ちょっとこぼれ話に変更。先日、ロンドンに行ってきた時、元ホストファミリーの方の車で行きました。帰りの昼ごはんはパブランチ。夜のパブは酒しか出ないようなもんですが、お昼には、ちゃんとした料理が出てくるのです（店によりけりですが）。そこで、何を頼めば好いか分からなかったんで、「一緒ので」って言いました。そしたら｢ローストビーフ」です。屋外。ぽかぽかと照る太陽と、その温度を全て奪う風の中でローストビーフのセットを3人で食べていたのですが、ホストマザーが「フランス人はね、イギリス人のことを『ローストビーフ』って言うんだそうよ」へぇ～。「でね、逆にイギリス人はフランス人を『蛙』って言うの。ある日、フランスの王女様か誰かが『私の可愛い蛙達』なんて言ったこともあるそうよ」へぇへぇへぇ～。なんとまぁ。僕的には80へぇを超えたので、粗品をあげたいところです。で。ホストファーザーの一言。「じゃ、日本人は『ふぐ』かな」･････(　´_ゝ`）　好いけどさぁ。

November 8, 2004

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僕が考える理想の記事／英国生活

The Independent, 18 Oct. 2004　に在った一面記事、“If this isn’t genocide, then what on earth is?”　Lord Altonを読んだ。涙が出た。無性に悲しくなった。未来が無いような世界を知った気がした。遠い世界の事に無関心だった自分に辛くなった。自分らしくもない。･･･こんな風に読んで泣ける新聞記事がある事を知ったのは感動だった。このHPでは、僕が受けているマスコミの授業に関することをちょこまかと書いてみたりしているが、今日は現段階での「自分が理想だと思うような新聞記事」と言うのをまとめておこうと思う。勿論、この考え方は変わるだろうし、実際、この日記を書こうと思ってからも少し変わった。だが、とにかく、この記事を読んで「自分がなぜ感動したのか」を書いて残してみることにする。※僕が書いた、この記事の訳は10月25日の所に置いています。わざわざ分けた理由は、女性の方にとって読みたくないような内容が含まれていたからです。読まれる際はそれを理解した上で読み始めて下さい。＜僕が感動した５つの理由＞（１）実際に足を踏み入れていること。（２）ブレア首相に対して、自ら率先して行動していること。（３）人権団体と協力して、WEBを利用しながら行動していること。（４）感情的な訴えに頼らず、国際法を用いて説得を試みていること。（５）「私」という言葉を使い、突き放したような客観性を持たせていないこと。※（５）に関して。日本の新聞は、客観性を持たせたような口ぶりで「～不満が高まると予想される」「～と考えられる」「～は許されない」などと、受身の文が出てくるが、なんてことは無い、「事実ではなく希望的観測」である。インディペンデントの記事にはそんなものはない。　また、日本の新聞で、「私が」という言葉を見かけた事が毎日新聞以外ないのは気のせいだろうか？「～だとわかった」などと他人事のように書かれているのをよく目にする。これでは「発表モノ」に依存しているのではないだろか、と危惧してしまう。＜僕が思う理想の新聞記事（その壱）＞ここの記事に感動したのは、自分の口で、自分の足で、感情的ともいえる社会正義を、直接は感情に訴えることなく、国際法に基づいた根拠を示し、政府に行動することを訴え、その為に自分が率先して行動しているからだ。マスコミ批判のブログを見ていると、「事実だけ述べるべきだ」「社会正義なんておこがましい」なんて文を見かけることがある。僕は、そうだと全く思わない。希望的観測は望ましいとは思わないが、事実だけでなく、分析や意見が必要であると思う。社会正義という気持ちを持って、自らを律して、多角的な勉強をした上で記事を書くべきだと思う。事実だけ述べてしまっては、記者クラブなどからの「発表モノ」に侵された単なる「広報誌」となるだろう。社会正義を持つ心が無くなれば、真実を知ろうという気持ちも失せ、記事に深みがなくなるだろう。これも広報誌への一歩だ。ではなくて、記者は、ジャーナリストは、もっと踏み込んで、自分の足で調べ、もっと責任を持って、自分の言葉で発表し、もっと事実を踏まえて、感情的・希望的観測にならず、もっともっと勉強して、論理的に多角的に報道し、その為に、もっともっと正義感に燃えるべきだと、僕は思うのだ。これが今、僕が思う理想の新聞記事とジャーナリストの姿である。＜へんりのえげれす（１）買い物その１　カゴいっぱい＞暗い話が何かと多いので息抜きを。友人から「英国の日常が知れて面白い」と言われて、「ありがとう」と言ったものの、書いてませんね、英国生活（笑）。ってな訳で、少しずつですが、僕が感じた英国を書いてみます。今日は第一回「買い物　その１」イギリス人は一気に物を買います。ショッピングカート（イギリス英語でTrolley）には、溢れんばかりに物が入っています。軽く見積もっても「日本の買い物カゴ3つ分」はあるね。どうも、「買い溜め」をする傾向があるようなのです。そのせいか、スーパーも「３つで2つ分の値段」という安売りの仕方をします。また、冷凍食品もかなり充実しているように思います（少なくとも冷凍食品に対して日本人ほど抵抗感がない感じ）ただ、値段は意外に安い。イギリスは基本的に物が高いのだけれど（サンドイッチが400円から800円、3色ボールペン600円など）、食べ物の材料は安い。パンや野菜などは日本の半額よりも随分と安い。勿論、メーカーや質にもよるけれどね。先日も両手いっぱいに買い込んだのに、2000円ちょっとでした。日本なら5000円位する量だと思うから、やっぱり日本の物価は高いのかな？ちなみに。「安い」という理由で、「僕の食べる肉」は「牛の心臓（Ox heart）」です。時に朝から（笑）。さて、次回はレジ編です。

October 27, 2004

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読まれない新聞は誰の為？

26th　Oct＜10行くらい日記＞近頃は南アフリカのことばっかり調べていて、色んな文章に出会う。Googleで調べているのだが、どうも日本語のページは「軽い」ものが多い。ほとんどが明らかに個人サイトだ。一方、英語のページはフォーマルなものが多い。「WEB上の情報の9割は英語だから、英語が重要だ」なんて話を聞いたことがあるのだが、その意味を肌で感じることができた（勿論、フォーマルサイトが全て正しい訳では無いが）。それでも、時間の節約の為に日本語のサイトから得た情報もプリントアウトしてから読むのだが、ツッコミどころが多いものも少なくない（昨日もつっこんだけど）。めちゃくちゃ多いわけでもないけど。それに英語の情報につっこめるだけの英語力がないのもあるしね。その辺から感じた感想もちょくちょく書いていこうかなぁ、と思う。人格批判をするつもりではないんで、「ここの論理がつながっていない」とか「こういう考え方は危険なんじゃないかな？」とかを。まぁ、昨日みたいな感じでね。で。南アフリカの調査は、Development Economicsの授業でフランス人のSophieと一緒にプレゼンするときの資料である。経済は大学2年の時に軽く学習したが、ルイスモデルやらGini係数とかさっぱり忘れている。と、言うわけでSophieに迷惑かけまくりなのでした。･･･がむばろう。＜読まれない新聞は誰の為？＞最近お気に入りの新聞。Independent。日本で購入できるのかなぁ？と思って調べてみた。･･･ら、あるサイトで、「インデペンデントがタブロイド版を出したけど、そんなに売り上げって大事？」なんて文章を見た（出典は忘れました）。タブロイド版というのは、SunやMirrorなど、女性の裸がバーン！と載っているタブロイド紙と同じサイズ、すなわち小さくて読みやすいサイズにしたものである。普通、TimesやGuardianなどの高級紙はBroadsheetと呼ばれるように大きめのサイズなのだが、Independentは他紙に先駆けてタブロイド版を発行した。（Timesも今週からタブロイド版になっている）これは結構勇気のいることある。「タブロイドサイズ＝タブロイド紙」という消費者の先入観があるので、数ある高級紙はなかなか踏み込めなかったのだ。だからIndependentの行動はすごい。そして、実際に売り上げを伸ばしている。（2004年から2003年で21％増。Timesが4.5％増、Financial Times0.8%増以外、他の新聞は0％～－7.5％）この背景には「タブロイド＝売れている」というのがある。ちょっと調べてみたところタブロイドの大衆紙だと、The Sunは335万部、Daily Mailは244万部、Daily Mirrorは180万部など。高級紙だと、The Timesは66万部、The Guardianは37.5万部、The Independentは26.3万部などである。（『The Independent』18,Oct,2004を参照）桁が一個違うのである。いくら良い記事を書いていても読まれなくては仕方ない。この結果、センセーショナリズムを煽るような記事の傾向になりかねない。だがそれは「質の低下」に他ならない。だが、Independentは、内容の質を変えることなく、売り上げを伸ばす手段として「タブロイド版」の発行に踏み切ったのだ（イメージを気にして「コンパクト版」という言い方をしているけどね）。ところで。The Independentが売り上げを伸ばしていると書いたが、それはコンパクト版にしたことが理由とは僕は思わない。内容が好いのだ。僕自身が感じた「個人的意見のIndependentの良さ」は明日の日記に書くとして、「客観的に納得がいくIndependentの良さ」を挙げてみよう。日本ジャーナリスト賞を受賞した経験もある田勢氏によると、「1986年10月7日に創刊されたイギリスの高級紙インディペンデントは創刊にあたってひとつの決断を下した。それは『記者クラブ的なニュース発表を受け入れない』ということであった」「既成の新聞の記者たちも、新聞報道のありかたに疑問を感じていたのである。インディペンデントにはこうした既成の新聞から、有能な記者や論説委員らが新天地を求めて大量に移って行った」対照に日本の新聞に対しては「なぜ、わが国の新聞記事がおもしろくないのだろうか。胸がときめくような記事がないのだろうか。まず指摘しなければならないのは『記者クラブ』を軸にした取材・執筆活動が中心になっていることだ」と批判した上で、「記者クラブ依存しない記事を書く新聞や記者がふえれば。新聞記事に多様性が出てくることは間違いない。ただ、インディペンデントのケースでわかるように、記者の仕事はかなりむずかしくなるだろう」としている。（参考：田勢康弘『政治ジャーナリズムの罪と罰』新潮社、1995年、101～102頁。）しかし、「胸がときめく」ような記事が並ぶなら、読みたくなる。新聞記事は読まれなくてはならない。発行部数だけでなく、読まれることをもっと大事して、質を高めていくような方法を模索すべきだと思う。そんなインディペンデントの中から、僕が「気に入った！」と思う記事と理由については明日書きます。※僕は今の所、記者クラブを全否定するつもりはない。確実に問題はあるけれど。キオスクなどの購買に頼るイギリスと宅配制度がある日本では、新聞に求められるものは違うと思う。（後者では、内容の深さよりも「世間の常識」を伝える「最大公約数」的な記事が不可欠になるであろうから）そう言った背景を無視した「日本メディア批判・欧米メディア賛美」は説得力に欠ける。また、こちらでマスコミの授業を受けている限り、日本メディアが抱えている問題と同様の問題をイギリスメディアも抱えている事は大いにある。「だから日本メディアを批判するな」なんて言うつもりは無いけれど、WEB上では表面的な（日本の）マスコミ批判している文を見ることがあるので。その点はまた今度書きますわ。＜今日のまとめ＞新聞は売れるに越したことは無いが、それが質の低下につながる方法であるべきではない。新聞は読まれるように書かなくてはならない

October 26, 2004

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僕らは考えなければならない

12th　Oct＜大学のーと　「僕らは考えなければならない」＞「Production of News」のレクチャーで貰ったJohn Pilger ‘Where are the Martha Gellhorns of Today’“The Guardian Media Weekly, 4 Oct 2004”のコピーを訳したもの（一部）を書き出してみます。（１）「Never believe anything until it officially denied(公式に否定するまで、何も信じるな)」Claud Cockburn：アイルランド人のMuckraker（汚職などを暴く人）。（２）豪人ジャーナリストWilfred Burchettは、戦後初にヒロシマを訪れたWesternジャーナリスト。　　　彼はDaily Expressに「I write this as a warning to the world（これは世界への警告である）」という予言的な見出しを送った。警告とは、占領軍当局が存在を否定していた放射能について。Burchettは当局のみならず、他のジャーナリストからも非難されるも、勇敢に、自身で核の時代に隠された恐怖を暴露した。　　　Burchettの功績はジャーナリストとして偉大な役割を果たした。今、その役割は失われたのか？（３）馴れ合い（Collusion）の為の報酬：名声、表彰、政府の研究会への参加招待、女王経由でTony（ブレア首相？）から渡されるみすぼらしい賞など（４）自由社会の中のCensorshipは、独裁国家のそれよりもはるかに洗練され、徹底されている。　　なぜなら、公式の禁止が無い限り、不人気な考え方は沈黙させられるし、迷惑な考え方は闇のままにできるからだ。（５）ジャーナリストとBroadcasters（アナウンサー・放送会社）は「Priority（優先権）とFashion（流行）のinternalizing（主観化・内面化・抑圧）」と「Powerの確立のPropriety（妥当性・作法）」という点から歴史家や教師と何ら変わらない。（６）世界で最も自由なメディアを立憲上（constitutionally）持っているアメリカ合衆国では、　普遍的な人道（universal humanity）の考え方が抑圧されることが常習行為（stand practice）になっている。（７）英国議会が「キツネ狩り」なんていう重要でない投票を行い、キツネ狩り狂信者による「Security a Breach」についてジャーナリステックな憤慨を大々的に報道するのは、イラクの恐怖から目を逸らすこと以上の何者でもない。（８）Rupert Murdochは「3年以内にグローバルメディア会社は３つだけになるだろう。そして、マードック帝国がそのうちの一つだ」と言った。これは大げさだが、大げさ過ぎることは無い。インターネットでは、主要な20のウェブサイトがFox（マードック）、Disney、AOL Time Warner、Viacomと一握りの巨大企業に所有され、たった14社がアメリカ人がオンラインで費やす60％の時間を占有している。彼らのグローバルの野望は、知識を持ち、自由な考えをする市民ではなく、従順な顧客を生み出すことにある。この道に我々を導こうとして、何度も繰り返している言葉は「Competition（競争）」と呼ばれる何かが含まれている。だが、「デモクラシー」「改革」「自由市場」と同じく、この言葉を意味すべきものは本来持つべき意味とは違う。すなわち、この「競争」とは「Ownership（所有権）と思考の独占」を意味する。（９）BBCの役割：「公的所有の放送局としての役割」と「多国籍ビジネスとしての役割」（50億ドル以上の収入）　　英国人（Britons）が家でメインのBBCを見るよりも、米国人がBBCの国際放送を見るほうが多い。マードックや上り調子のメディアバロン（Media Baron）が長い間切望してきたのは、BBCが解体し、民営化され、大量の市場占有率を自分たちに譲る渡すことである。（１０）「第五のEstate」（Ignacio Ramonet（Le Mondeの外交関係の編集者））　　：メディアの単一化されたニュース（Mono-News）とモノカルチャーを監視し、公の問題にする役割。（１１）我々はHonourable Exception（栄光ある例外）の新世代を必要としている。（１２）上からではなく、下から変えよう。（from the ground up, not from the top）（１３）ジャーナリズムの最高の伝統は変わることがない。それは「the public has every right to demand their return」ということである。どうです？何か気になる内容はありませんでした？僕は（１）と（８）が気になりました。（１）の「公式に否定するまで、何も信じるな」って、かなり的を得てると思います。それに元来、一般的に「正しさを証明する」よりも「正しくないことを証明する」方が難しいですしね。（８）「彼らのグローバルの野望は、知識を持ち、自由な考えをする市民ではなく、従順な顧客を生み出すことにある」って、すごく恐ろしい野望だと思いました。あながち大げさじゃないと思いますよ。事実、我々の多くが、「デモクラシー」「改革」「自由市場」というアメリカメディアが「素晴らしい」と掲げてきたものを肯定的に受け止めています。本来の意味とかけ離れてアメリカが使っていたとしても。だから、僕らは「考える市民」にならないといけないと思います。実は、ちょっと変えようと思っていた僕の自己紹介文でしたが、まだこのままにしておこう、と決めました。＜哲学な言葉　　市民の役割＞今日は前述の内容と関連する哲学な言葉を。政治のこの腐敗は国家の体制を変革することのみによっては、癒されない。この腐敗は、国家の実質である市民各自の精神の浄化によってしか、癒されないのだ。 ―プラトン（岩田靖夫ほか『西洋思想のあゆみ－ロゴスの諸相』有斐閣、2001年）僕は「精神の浄化」とかは言うつもりは皆目ありませんが、「国家の実質である市民各自」が考える力を持っていくのは重要だと思いますね。じゃないと、ほら。誰かの情報に操られてるかもしれませんよ。注※元来「この腐敗」とは、師ソクラテスを死刑にしたアテナイの民主主義のこと。プラトンはこれを「政治の崩壊だ」と憤慨しました。

October 12, 2004

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客観性とバイアス／政治と人間

11th　Oct＜大学のーと　『Media in Britain』のレクチャーより＞Topic：ニュースの内容（１）　客観性とバイアス（偏向）［客観性の起源］・現代の「事実としてのニュース」というコンセプトは、市場の力の結果として現れた。［客観性：崇高なプロの理想］　・高度なジャーナリズム＝lack of Bias（偏りの欠如）・自由な考え・包括的な情報。［客観性の定義］　・「理想」としての客観性と、「実行（practice）」としての客観性の間には違いがある。　　ジャーナリストは客観性を扱う為の日課（Routine）と実行を、仕事の中に見出さねばならない。　　そのプロセスは「事実確認、情報の裏付け、ジャーナリズムの外側に個人の価値を置き続けるetc。　　しかし、Audienceはそのプロセスをチェックする機会が乏しいか、あるいは全くない。　　それゆえ客観性は、実際には、信用の問題（question of trust）となる。［客観性への批判］　・ジャーナリズムは客観的では無い。なぜならOwnerの干渉や、様々な圧力があるからだ。　・客観性は存在できない。なぜなら、ジャーナリズムは現実を価値無しでは表現（the value-free representation of reality）できないからだ。　・客観性と物語調（Story-telling）との衝突＝事実より先にストーリーが現れる＝ジャーナリズムは「出来事のついてレポートすること」ではなく、「出来事のついての物語を書くこと」だ　・ジャーナリステックな物語調の構成要素：　　　Personalization（Individualization）･･･個人化（個別化）Dramatization （Drastic narrative）･･･ドラマ化（極端な物語）Fragmentation （No Coherence）･･････断片化（一貫性がない）［客観性は必要か？］　・客観的ではないと主張するニュースをあなたは信用できるか？　・自身の客観性に固執する者は、過度に抗議を行う。彼らは横柄（arrogant）か自信過剰か自己欺瞞（self-deceiving）になりがちだ。実際、自身の偏向（Bias）や限界を認めた人々は、自分が客観的であると固執する人間よりもその問題を克服するより多くの機会を得ている。［ちょっとした感想］・「事実より先にストーリーが現れる」「ジャーナリズムは『出来事のついてレポートすること』ではなく、『出来事のついての物語を書くこと』だ」っていうのには衝撃でした。　　・「客観性」について。　　僕が思う客観的なニュースとは、「様々な意見、特に対極に位置する意見を知らせること」だと思うのです。　　ただ、それが顧客の居る新聞で可能かどうかは解りませんが。ちなみに、本で言うと『日本の論点』（文藝春秋）はそれをしてくれてます。　　４ページしかないので、この本だけでは不十分ですが、参考図書も書いていますので客観性の高い本ではないでしょうか？＜哲学な言葉　政治と人間＞※哲学的な思想が勉強する前から染み付いていたという噂もあるヘンリーが、アヤコに借りた本から、たまに言葉を抜粋して紹介してみます。「人間はポリス的（政治的）な動物である」（アリストテレス）共同体の中で政治的に生きるのが人間の本質。政治を抜きにして人間であることはできない。（岩田靖夫ほか『西洋思想のあゆみ－ロゴスの諸相』有斐閣、2001年）僕はそこまで言わないですけど、政治って人生に重要なFactorだと思います（国と時代次第では、まさに人生を左右するでしょ？）「Why is news important?」の答えはまだ見えませんが、政治ジャーナリズムの重要性のひとつって、ここにあるのかもしれません。

October 11, 2004

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誰か教えて下さい。／ステイ終了／キツネ狩り

10th　Oct＜10行で語る今日のできごと＞再びイアンさんの家に行き、お昼ご飯をご馳走になりました。豆を交えたソースのかかった肉料理とポテトとブロッコリー、デザートはライスプディング。ライスプディングは今や僕の好物で、米・バター・牛乳・それと何かを入れて（笑）オーブンに入れて完成。甘い米って最初聞いたときは変な感じだったけど、旨いデス。その後、ドライブに着いていきました。イアンさんの友人宅に言って、娘の誕生日プレゼントを渡し終えた後、でっかい公園に。公園といっても遊具があるわけではなくて、城壁跡がある広原なのですが。滅茶苦茶に風が強い中で、イアン夫婦とイアン母とでのんびりと時間を過ごしました。ステイ中はイアンさん達が忙しく、こういった機会がいっぱい会ったわけではないので嬉しかったです。でかい広原の丘から町を眺めると、気持ちがリフレッシュされたような気がします。家に戻った後、折り紙と手紙を渡すと、「またご飯を食べに来なさい」と言って握手してくれました。本当にホームステイして良かったと思います。いっぱいのありがとうと楽しいが胸に残った2ヶ月半でした。････1行オーバーしたなぁ。＜大学のーと・あるふぁ　The Independentを読んでみる（１）＞『The Independent』（16、Sep, 2004）を読んで、考えた感想を書いてみます。内容というより、ジャーナリストとしての姿勢を見ていくつもりです。キツネ狩りが合法かどうか、というのが国会で話し合われました。キツネ狩りってのは、お金持ちが馬に乗りつつ、犬を使って、キツネを狩るという「スポーツ」であるとのこと。そんな議会の外では「暴動」があり、警察が警棒（truncheons）を使って鎮圧したのですが、中指を立てた血まみれの男性が一面を飾っていました。議会の中に浸入した人も居るようです。英国人は禁止の方向の世論があるようですね。（感想）≪色んな視点≫1面以外に計6ページで、このキツネ狩りと「暴動」について記事が書かれていました。それぞれが別の記者（全記事を通してほぼ全てが署名記事）が書いているため、「多様性を持たすことでの客観性」に近づけることができると思いました。≪比較表は誰の為？≫‘Is ban the only option?’ （禁止が唯一の選択肢だろうか？）‘Impact on rural and hunting communities’（地方やキツネ狩りのコミュニティーへの影響は？）などの様々なIssue（争点）対して、「Anti-hinting lobby」「Pro-hinting lobby」「The Verdict（評決）」からの意見を比較表にしてまとめてありました。そのページにはその表しかなく、判断は完全に読者に任されている印象があります。読者に考えさせようとしている感じを受け、好感を持てました≪特集は一度のすべきか、分けてすべきか≫英国では新聞の宅配はほとんどない。ので、欲しい人はキオスクなどで買ったりするわけでがあるが、毎日欠かさず買う人は聞いたことがない。すなわち、大抵の場合「一話読み切り」なのである。デメリットは、日本のように分けて数日間かけた特集を組めない。センセーショナリズムに走る恐れがある。メリットは、一部を買うだけで様々な視点からの意見を読めること。どっちが良いんだろう？＜推薦図書　『火車』宮部みゆき＞今回も友人の推薦本を。『火車』宮部みゆき：推理小説です。でも、ポイントなのは、ただの推理小説ではなくて、現代のカード社会を風刺した作品なのです。カード化社会に飲み込まれ、火車（ひぐるま）のように、借金を増やして亡くなった女性を追いかけた物語。あっ、でもそんな堅苦しい本じゃないよ。これから、カード化社会に移行していこうとしている今に、是非読んでみるのもよろしいのではないかと★ 宮部みゆきは昔、法律事務所に勤務していた経験があるので、その経験を活かして現代社会の問題を鋭く描いた作品です。････だそうです。買って英国に持ってくるか悩んだんだけど、古本屋で見つけられなかったのと、熱中してしまうことこの上なし！と思ったので、断念しましたが、帰ったら読みたい一冊の１つですね。＜おまけ･･･ってか、誰か教えて下さいませ！＞親友エリックが日本の歴史に興味があることが判明しました。そこで、僕に質問してくれたのですが、よかったら教えて下さい。（１）るろうに剣心新選組の本当の歴史とはどういったものですか？剣心は実在のどの人物にあたるのでしょうか？幕末で、その人物はどのような役割を果たしたのですか？（２）忍者忍者は日本の歴史の中で、どのように発展したのでしょうか？風魔小次郎は最初の、かつ有名な忍者なんでしょうか？知ってたら誰か教えて下さい…。ってな訳で、何やらメンテナンスがあるらしいので、とっとと更新しておきました☆

October 10, 2004

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第4の権力問題／怖いもの

7th　Oct＜大学のーと　マスコミ『A crisis of the forth estate』＞The Production of NewsというModule（単位）で、Guardianの『A crisis of the forth estate』のコピーを貰いました。面白そうだったので訳していたら、たった4枚なのに3時間くらいかかってしまいました。いやはや情けない。（１）視聴率や発行部数を求めるメディア。　　　「Publicに対して、正当な知識を与え、議論するようにさせる」という本来の目的は失われている。（２）メディアは人々に隠しておこうとしている陰謀を、独りよがりの怒りから暴露する。　　　しかし、政治とメディアの自然な緊張関係は常に存在してきた。それは正しく、必要なことだ。　　　自由な報道なしでは、公的なSphere（領域）や知識ある市民は有り得ず、それゆえデモクラシーも存在しない。（３）第4のEstateであるメディアはますます大きな力を得ている。　　　その力はSensationalism（センセーショナリズム・扇情的意図）とSimplification（シンプル化）という原則によって形成された。また、それは「過度の通商主義」と定義される。（４）成功の為に、メディア産業は人の低レベルな本能に訴えることを試みた。（５）受け入れがたい現実かもしれないが、Rupert Murdoch（新聞王マードック）やSiluo Berlisconiの方が、文化的エリートよりも「民主的」である。　　マードックらのメディアによるOutput（意見表明）は、人々の需要を満たすもの（楽しみ、ゲーム、娯楽）を与えているが、文化エリートは自身の価値観の基準を大衆に押し付けようとするからだ。（６）TV番組は成功の為に、無礼で恥知らずであることを約束した。　　　きわどい性描写、自己顕示欲、暴力、のぞき趣味などなど。（７）新聞はただ「報道（Report）」するのではなく、好みや偏見でニュースを伝える。　　　　これがさかんな時期に、コラムニストが成長し、「Commentariat」という言葉が生まれた。（８）現代の政治ジャーナリズムは、内容と複雑さを無視し、政治が矛盾する利益と要求のバランスを取っている時（それはほとんどの場合に当てはまるのだが）にも全てに白黒をつける。（９）ニュースは表面的でセンセーショナルになっている。イメージや絵が重宝される時代だ。　　　もうニュースは「Disastertainment」（Disaster・大災害とentertainmentの合成語？）へと堕落した。（１０）センセーショナリズムと過度のシンプル化は全メディアのOutputの方法に影響を与えた。　　　出来事に対し分析をろくにせずに、バカな見出しをつけたり大げさな話をする。　　　弱者を追い立てる無慈悲さの中、政治家と言い分と公式の数字には差が現れている。（１１）政治とメディアのリズムがバラバラになってきた。　　政治は、複雑だがドラマチックではなく、理解し難いので報道しても複雑で退屈。政策の評価に時間もかかる。　　メディアは、24時間体制、短いコメントを好み、せっかちで評価も短期間に報道したい。（１２）ジャーナリストが求めた政治文化（Political Culture）は、Publicにアピールできない。　　なぜなら、商業主義や市場のプレッシャーから、メディアは政治記事を減らすことになるのだが、それはデモクラシーに参加するのに必要な情報を民衆が受け取る機会を奪うから。（１３）自己批判はメディア内では不人気だ。（１４）デモクラシーと市民社会は、知識ある市民を必要とする。自身の力と責任を気付かせるメディア機関なしに、知識ある市民は継続できない。（１５）デモクラシーがコントロールを失った時、真っ先に困るには政治家である。････ってな訳で、かなり面白い事が書かれていました。＜English Express　「包み紙爆弾」＞大学が再開し、夏休みの間活動休止していた「英国超特急」が復活しました。「英国超特急」はクリスチャン・ユニオンの生徒が運営する留学生を歓迎する会であります。毎週木曜日、学校内の施設であるGate Houseで行われています。僕がレスターに来た当初、英語に触れる機会と英国人の友人を見つける機会を与えてくれた恩人（人？）なのです。とりわけ最初は何も話せなかったのですが、ここで「何をしてるの？」「なんで此処に来たの？」を複数回聞かれることで、反復練習ができました。英国に来ていながら英国人の知り合いがほとんどいない（語学の先生以外には、日本語を学びたがったDavidだけだった）中で、本物の英国人と知り合えました。この超特急、主に遊びがテーマです。まず、自己紹介を兼ねたゲームをします。今日は「包み紙爆弾」(僕が今名付けたんですけど)。幾重にも包み紙が巻かれた物体を、音楽が切れるまで円形になって座った参加者が回します。音楽がストップした所で、その包みを持っていた人が一枚、包んでいるものを剥がします。すると、一枚の紙とお菓子が手に入ります。その紙には「My name is ___________.」と書いてあります。（ここで皆に名前を覚えてもらう訳です）。「My name is」に続いて、紙には様々な問いがあり、それに答えます（好きな映画とか将来なりたい職業とかね）。答え終わったら、包みを再び回し、止まった所で、同様に一枚紙をめくり、問題とお菓子をGet。＜怖いものなぁに？＞その問題の中で考えさせられた問いがあります。「怖いものは何か？」単純に言ったら「虫」とか｢蜘蛛｣とかで良いとおもうんですが、僕がふと思いついた答えは「忘れられること」･･････これが怖いです。誰かに必要にされたいんだと思います。皆さんは何が怖いですか？

October 7, 2004

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ピンポン未遂／『介護入門』／プロのジャーナリスト

3rd　Oct今日は窪塚洋介主演の映画「ピンポン」を見るつもりだったのですが、映画館についてみると「まだフィルムが来ていないんだ。明日来てねー」なんて、ビックリの事態に。コートにマフラーで身を固めて、雨の夜を越えていったのに、あんまりだぜ、朋輩。ちなみに。朋輩は「ニガー」と読みます。芥川賞受賞作、モブノリオ『介護入門』（「文藝春秋2004年９月号」所収）より。ついでなんで、この本の中にあった素敵な台詞を紹介。「記憶は思考への固有の資源だ。」今まで自分がしてきた体験や出会いなどに基づく「記憶」。それは、自分が考えることへの「資源」である。･･････って事ですかね。そう考えると、色んな経験をして「記憶」を作ってきた人って、深くて多様な「思考」ができるのかな、って思いました。僕は「考えたい」って思っている人間なので、色んな「記憶」を作るって事を、もっとやり続けたいなぁ、なんて考えてみたりするのであります。＜大学のーと　マスコミ『Politics and Mass Media in Britain』を読む＞Negrine, R. (1994) Politics and Mass Media in Britain (2nd Edition) London: RoutledgeChapter 7．　News and the Production of Newsこれを読んで、目に付いたことを要約します。（１）ジャーナリスト・編集者たちのMindよりも、Audience（読み手・視聴者）の興味がニュースを作る。（２）ニュースは社会の鏡ではない。社会に割り込んできたAspect（状況）の報告である。（３）「ニュース」と「真実」は同じではない。　　「ニュース」の機能は、出来事を目立たせること(signalize)、　　「真実」の機能は、隠された事実を明るみにだすこと。（４）報道価値のある(newsworthy)ものを選ぶ４つのAspect　　　１．報道組織のニュースを作るシステム。紙面の都合。　　　２．安定供給。議会や裁判所、警察署に人材を配置。記者会見・スピーチなど）３．受身。ハンドアウト、プレスリリース、電話など。４．特定分野に限定。政治ならロビー・外交など。（５）出来事に対する２つの定義者（Definer）。１人目が当局、２人目がメディア。（６）出来事には個人の認知（perception）と解釈（interpretation）が反映される。　　　ゆえに、偏向（bias）か、正当化(justify)か、identifyかどうかを区別するのは困難。（７）公平（impartiality）とは、「客観的（disinterested）アプローチ」と、「特定の見方や意見を基準にして、資料（material）を変えたり選んだりする動機を持たないこと」である。（８）BBCの公平（impartiality）とは、「論戦（controversy）で特定のサイドに偏るのを避けることで、結果的に論点(issue)における様々な根拠（account）のバランスを取ること」である。（９）プロのジャーナリストは「事実」を探し出し、その正確さを確保し、あらゆる側の話を提供する。（１０）ジャーナリストに求められているのは、偏向のない専門的かつ正確な報道である。その方法は、反対意見とのバランスを取ること、立証する証拠を示すこと、反対意見へのアクセスなど。「『ニュース』と『真実』は同じではない」って興味深いと思いませんか？

October 3, 2004

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真実を解った気になる／情けない授業

1st　Oct＜大学のーと　　レクチャー『The Production of News』＞（１）なぜニュースは大事なのか？経済的重要性、世界の窓、民主主義の維持と支援、人々への影響（Agenda settingなど）　　Agenda Settingとは「何が議論すべきか」を決めること。　　例えば、選挙前の報道は、選挙の争点をどこにするか（「年金」「イラク」など）を左右できるってこと。（２）社会的責任　　・市民にfairでobjective unbiasedでfullの情報を与え、正しい選択（sound decision）を可能にする　　・市民に複雑な政治の世界をわからせ、解釈するのを助ける。　　・社会の中の多様なグループの見方を表現する。　　・ニュースとジャーナリズムはPublicを代表すべきである第4のEstate。（３）ニュースとは何か　　・社会の鏡ではない。社会のフィルターだ。（4）ニュースに影響を与えるもの　　・Individuals：個人の価値観、信念、偏見（bias）　　・Work Process：日々の仕事、ニュースの価値判断、門番　　・Organizational：財産、組織的戦略、所有権　　・Extra model -Structure：広告主、政府、テクノロジー、グローバル戦略　　・Extra model-culture/ideology：イデオロギー、社会的コントロール、文化的価値「ニュースはなぜ大事か？」って今まで考えたことがなかったけど、これって確かに考えるべきことだと思いました。なんとなく「ニュースは大事だ」って思ってたけど、「なんで？」って改めて聞かれると答えが出てきませんでした。「ニュースとは社会の鏡ではない。社会のフィルターだ」って面白いと思う。鏡になるには量が多すぎるって理由もあるんだろうけど、それだけじゃない。フィルターが「意図的に」何を濾過してるのか、って見ないと、「真実をわかった気になる」って恐れがあるんだなぁ、と思いました。＜ちょっと授業の話＞授業では先生が質問をしてきます。意見や感想を求めます。日本でもそーゆーのがあったけど、誰も答えないもんね。ここでは、大抵誰かが答えます。でも、情けないことに僕は黙ってます。それは先生のレクチャーを理解できていない事と、自分の考えを俊敏に言葉に出来ないからです。この２つ、これからの課題になりそうです。前者は予習（本を読んでおく）とリスニング力の向上（ラジオ作戦）、後者は……どうしよう？普段から物事を考えておく事と、予習ですかね。＜蛇足＞あ、何でイチイチ自分がしようと思っている事を書いたのかと言うと、「何とかせんとアカンなぁ」じゃなく「どうしたら何とかなるかなぁ」って考える事が大事だと思っている……って言いたかったからです。頑張って実践します。残すところあと2ヶ月、しゃかりき頑張らないとね！

October 1, 2004

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中欧旅行プラハレ　3／3　「アメリカの愛国心／常識再考」

21st　Sep＜１．宿でお話　　　　　　　　　　－2人の日本人－＞＜２．からくり時計　　　　　　　　－12時になると現れる死神－＞＜３．乗車失敗　　　　　　　　　　－駅が違うって何それ？－＞＜４．買い物してたらまた会った　　－二度目のバイバイ－＞＜５．演劇　　　　　　　　　　　　－Black light Theatre－＞＜６．駅に行ったらまた会った　　　－三度目のバイバイ－＞＜７．夜行列車でスロバキアへGO　－いかついアメリカ人と狭い寝台車－＞≪アメリカの愛国心≫　イタリアに乗った寝台車よりもずいぶんと狭い寝台車に乗って、チェコ共和国の首都プラハから、スロバキアの首都プラチスラヴァへ。その寝台車、入って驚いたのが、めちゃイカツイ白人男性2人（マッチョさんとスキンヘッドさん）が同室だったんですわ。一瞬ゴールドセイントに睨まれた雑兵位に動けなくなりましたが、入るときに「Sorry･･･」と小さくなっていたら、すっげー愛想が良く迎え入れてくれました。安心したのも束の間、衝撃の事実が！！この2人のうちマッチョさん（仮名）が、日本で仏教を学んでいたことがあるアメリカ人だったのです。（ちなみにスキンヘッドさん（仮名）はDJだったりする）日本話で盛り上がったのですが、その会話の中で、僕にはビックリな事を言ったのであります。マッチョ「オレはアメリカが好きじゃないからね」へんりー「え？アメリカ人って全員、アメリカ大好きなんだと思ってましたよ」マッチョ「半分はそうだ。だけど、半分は違う。で、オレはその半分のうちの1人さ」･･･まぁ、これが衝撃的でして。ヘン国の問題で「愛国心」を勉強するにあたって「アメリカではイラク戦争に反対するのも愛国心なんだよ」みたいな文をよく見ましたし「アメリカのように国旗を掲げて愛国心を鼓舞しよう」みたいな論ってよく聞きますし。「半分っすか？！！！」となった訳です。で、今日のテーマは愛国心とはなんぞや･････ではなくて、（それは第9回の問題で済みましたし。その時の僕の意見が知りたい方はメールでご一報ください）「モノの見方」の話です。「本当にアメリカ人の半分が愛国的ではないのか？」なんて話はしません。「誰がアメリカ人なのか？」を僕は定義できませんし、（外国に住むアメリカ国籍者も含むのか？ユダヤ系・ヒスパニックなどの割合は？ Etc…）時期や聞き方などで、こういう統計ってうつろうもんだと思います。そんなん言ってたらキリが無いんですけどね（苦笑）。でも、彼（マッチョさん）の発言から僕が気付いたのは「アメリカ人が愛国的だ」ってステレオタイプな見方に完全に支配されていた、って事です。今まで「星条旗を掲げて、毎朝学校で国歌を歌うアメリカ人は皆、愛国的なんだ」とか「政府に反対するのも愛国的で、反対するのも賛成するのも愛国心からなんだ」とか、勝手に誤解していました。日本の「国歌・国旗」問題に関して、「アメリカでは国旗を掲げて国歌を歌うのは世界の常識だ」って話を聞くけど、それが愛国心につながってるんだろうか？他の国ではどうなんだろう？アフリカとかって、勝手に国に分けられたりした経緯とかあったと思うけどどうなのかな？そもそも「世界の常識」ってなんだろう？･･････とかって、僕はよく解らないんですが（知ってたら教えて下さい）、仮にマッチョさんの話が正しいとしたら、僕が「常識」だと思っていた「アメリカ人＝愛国者」って考え方は半分間違っていることになります。「常識」って、ついついそのまま流してしまうけど、「常識」って、なんで「常識」って言えるんだろう？「常識」って思っていることに、正しいと思い込んでいることに、「なんで？」と疑問を突っ込んでいく。ステレオタイプ的ではなく、柔軟に世界を見る。それって大事じゃないのかな？って思いました。何かにもたれかかるのは楽だけど、発見していく喜びはなかなか良いもんだと思うから、「常識だ」と言い切って、放って置かないように、色々考えてみようと思います。

September 21, 2004

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ヘンリのヒトリゴト＜学校で習わない国際政治　アメリカとイラクとマスコミ　前編＞

ヘンリのヒトリゴト＜学校で習わない国際政治　アメリカとイラクとマスコミ　前編＞イラク後のアメリカに関する報道に関して、あることに気付く。「かえって世界は不安定になった。米国の戦略は失敗している」という見方が席巻しているである。だが、果たしてそうだろうか？今回のコラムでは、「イラク侵攻の裏にあるものを見つめて、表に見えているものが真実とは限らない」という考えを持ち、「モノの見方を60度ほど変えてみよう」という目的で書いていこうと思う。2004年9月現在、イラク情勢は混沌としている。アメリカが唱えた「中東民主化」構想が暗礁に乗り上げ、テロが煽られて、これではかえってアメリカの安全が脅かされているという見方が支配的だ。だが、「これが計算どおりだとしたら？」と考えた事はあるだろうか？イラク戦争は、タカ派（チェイニー副大統領・ラムズフェルド国防長官）とネオコン（ウォルフォウィッツ国防副長官・フェイス国防次官・リビー副大統領首席補佐官ら）が望んだものとされている。今回のイラク侵攻ではアメリカはEUや国連と不必要に仲違いし、戦費は自己負担になっており、湾岸戦争では「国際協調」を押し立てて、日・独・サウジアラビアに戦費を出したが、これでは「金銭面」での国益に適わない。石油利権の拡大という見方もあるにはあるが、ネオコンは石油利権と敵対している為、説明にならない。では、なぜなのだろう？また、911後もアメリカが戦争モードに入ったのを機に、ネオコンは国防総省内に誇張した分析を行なう部署「特別計画室」（OSP）を新設し、フセイン政権が危険な大量破壊兵器を持っているとする報告書を作り、ブッシュ大統領と米国民にそれを信用させた。ネオコンの影響下にあるマスコミは、OSPが作った報告書が間違いだと指摘する報告があったが、それを流すようにはしなかった。誇張した分析までを流して戦争に駆り立てねばならぬ理由はなんだったのだろうか？国務省は開戦一年前に戦後イラクの復興計画を策定したが、国防総省のネオコンはその策定報告書を実行する事を拒否した。国務省は、戦後イラクの混乱を懸念して作ったのだが、なぜ拒否をする必要があったのか？イラク占領後に、米軍はイラク人をわざと怒らせるやり方をした（イスラエル軍がパレスチナ人をわざと怒らせて倍返しの弾圧をしてきた戦略とそっくりである）。怒らせる必要があったのか？このように米国民にとって何のプラスにならない上に、米国の威信が下がるような真似をして、あげくイラクを不安定化させるような事をしてまで、何になろうと言うのか。そのような明らかに失敗しているかのように見えるイラクの泥沼の中にも関わらず、米国はイランとシリアの政府転覆を狙っていると見られている。なぜなのだろう？疑問だらけの米国の行動であるが、その不合理に疑問を持って然るべきなのではないだろうか？では、上記に上げたうち、イラクの泥沼化、米国の国際信用度の低下、イラン・シリアの政府転覆、これら3つによって得をするのはどこの誰であろうか考えてみる。この答えは「イスラエル」である。すなわち、「イスラエルがアメリカを持っている中東の石油利権を奪う」ために、「アメリカの石油利権をイスラエルに委譲させる下地を作る」ために、ネオコンがイラク侵攻を計画したという考え方だ。フセイン政権が崩壊し、中東ではイスラエルに対抗できそうな国はイランとシリアを残すのみである。これらの国が転覆し、新イスラエル派が新政権に就けば、イスラエルは現在の軍事力で十分やっていけるようになり、米国の庇護を必要としなくなる。米国が占領の泥沼に懲りて中東から出て行っても問題がないどころか、アメリカの規模が縮小する過程で、イスラエルが隠然と米国の石油利権を奪取できる好機が訪れるのだ。また、先ほど挙げた合点がいかない点もこれで説明がつく場所がある。ネオコンが国際協調を避けた理由である。これはイラク侵攻が国際化すると、石油利権も国際的に分配せねばならず、イスラエルが独占する事が不可能になるから、と説明できる。以上の様に、イスラエルとネオコンは強いつながりを持つわけだが、ここで米政界の状況を確認しておこう。現在の米政界は中道派とタカ派が勢力を争っている。また、サウジアラビアとイスラエルとが、米政界における影響力を競っている。サウジアラビアは石油利権を背景に、ブッシュ家やロックフェラー（石油会社）など中道派系の勢力と、イスラエルは外交における諜報力や、米国におけるユダヤ系とキリスト教右派（キリスト教原理主義・福音派）の影響力の強さを背景にタカ派とつながり、９１１前は、両者のチカラは拮抗していた。だが、FBIが発表した911事件の「犯人」19人のうち15人がサウジアラビア人と発表し（但し、そのうち6人は人違いと判明している）、911がサウジアラビアのせいにされて、米政界におけるイスラエルとタカ派の影響力が増しており、それが現在にまで至っているのである。イスラエルとタカ派をつなぐ勢力であるネオコンはイラク侵攻前、イラクを皮切りにした中東の強制民主化計画の次の目的としてサウジアラビアを挙げており、ネオコンは９１１を機に、石油利権と言うアメリカ中枢の主流派勢力に対して殴り込みをかけたと考えられる。これによって「サウジアラビア+中道派」VS「イスラエル+タカ派+ネオコン」、という図式が頭に思い描けたであろうと思う。さらにこの図式に、国防総省とCIAを交えながら、イラク情勢を考えてみたい。ネオコンは自分たちに親しいアハマド・チャラビをイラク新政権のトップにつける予定であった。だが、米政権中枢での中道派からの反撃の結果、CIAに近いイヤド・アラウィが首相に就任し、チャラビは逮捕状が出されるほどの窮地に陥っている。だが、この反撃がなければチャラビが首相になっていたであろう。ネオコンは湾岸戦争直後からチャラビに資金を提供し、亡命組織「イラク国民会議」を作らせ、フセイン打倒の準備をしていた。一方、CIAは「イラク国民合意」（トップはアラウィ）を「イラク国民会議」に対抗して作った。すなわち、表面上は「チャラビVSアラウィ」だが、これは後ろにある「ネオコンVS中道派」「国防総省VS CIA」という米政権内の対立と全く一致するのである。ゆえに「サウジアラビア+中道派+CIA」VS「イスラエル+タカ派+ネオコン+国防総省」という対立構造が米政界にあり、それがイラクで体現されていることになる。イスラエルは一般に知られぬままに、イラク統治に参画している。イスラエル軍や諜報機関の要員がイラク駐留米軍に混じっている。市内パトロールをする下っ端の兵士としてではなく、諜報分析や作戦立案、拘留者尋問などを行なう頭脳要員として。虐待が問題視されたアブ・グレイブ刑務所で拘留者を虐待していた尋問担当官の中にも、イスラエル軍からの派遣者が含まれていることが判明している。また、前述の「わざとイラク人を怒らせる」というのが、イスラエル軍と結びついているというのも、これと無関係ではないと推測できる。財政赤字や長期化による泥沼に耐えかねて米軍が撤退すれば、その後のイラクではイスラエルの隠然とした影響力が強まる可能性がある。但し表立って行動はせず、クルド人などの代理人を立てて行動するはずである。（続きます）

September 14, 2004

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ヘンリのヒトリゴト＜学校で習わない国際政治　アメリカとイラクとマスコミ　後編＞

（前篇の続きです）イスラエルにとって、中東が今よりも更に小国化することは望ましい。イラクは、北のクルド、真ん中のスンニ派、南のシーア派の３つの地域に分裂する可能性があり、イラン・シリアも複雑な民族構成を抱えており、政権が転覆されると国内が分裂する可能性がある。これはイスラエルにとって統治しやすくなるので好都合である。国内分裂を望み、最終的に米軍が統治に失敗して中東から出て行く事を望むのならば、国防総省のネオコンがイラク復興の人員を少なく見積もったとしても合点がいくし（ネオコンは、50万人という主張を跳ね除け、5万人と主張、最終的には15万人が派兵されたが兵力不足が起きている）、国際協調を望まずに強行したのも合理的だ。アメリカの石油利権をイスラエルに委譲させるのが目的なのだとしたら。アメリカの石油利権（中道派）はネオコンのこうした動きに当然対抗している。チャラビでなくアラウィを首相に就任させたのもその一環である。イラクの米軍の司令官の中には、ワシントンの許可を得ずにナジャフのサドル師やファルージャの民兵組織に対してけんかを売り、一触即発の自体を作った上で米軍側が撤退し、結果的にサドル師やファルージャの民兵を「国民的英雄」に仕立てている勢力がいる。これはわざとこれらの反米勢力を英雄に仕立ててイラクのナショナリズムを勃興させ、米軍が撤退してもイラクの統一が保たれ、イスラエルの勝手にされずにすむようにしかけているのかもしれない、という推測も可能だ。一見「狂気」に見える行動によって、「真の動機」が隠されているかもしれない、というのが垣間見れたのではないだろうか？政府からの発表による報道に依存した新聞やTVなどで我々に知らされている「民主化」や「国際法にのっとって」という理由が、実は「表向きに造られた理由」であったのではないか、と考える事ができたのではないだろうか？「イラク戦争は戦後処理に手間取り」（産経新聞）というが、それが予定通りだとすれば？「イランや北朝鮮の核開発を阻止できていないという現実」（産経新聞）というが、その脅威論は誰が作ったのか？「（９・１１）の恐怖と屈辱がアフガニスタン戦争、イラク戦争に駆り立てた」（朝日新聞、9月10日）という、単純な思考ではなく、９・１１は口実作りに過ぎなかったのではないかと考えてみなくてはならないのではないか？本当の勝利者が見えない場所に居る中で、「米国の戦後統治は誤った」（読売新聞社説）と言ってしまって良いものだろうか？確かに世界は混沌としており、「イラク戦争はテロを世界に拡散させた」（朝日新聞、9月10日）であろう。だが、前述のイスラエル以外にもこのようなデータもある。世界の武器取引の占める米国の割合が増え続け、9 6年の33％から2003年は過去最高の57％に達した、というものである（読売新聞）。更に日本は今、武器輸出3原則の見直しを検討し、「米国が中心的な役割を果たしている」という場合には武器の共同開発・生産を認める方向に動いているが（朝日新聞、8月21日）、これらは無関係だろうか？ここで僕が書いた文章は田中宇氏の「田中宇の国際ニュース解説」を大いに参考・抜粋したものであるが、これを全面的に信用する必要は無いと思っている（僕はかなり信用してしまっているが）。僕のコラムの今回のテーマは「物の見方を60度ほど変えることで、『表に見えているものが真実とは限らない』という考えを持ってもらう事」だからだ。マスコミが流す「誰かの意図にまみれた情報」が正しいわけではない。それは格調高いワシントンポストもそうだし、マイケル・ムーアでもそうだ。考えれば考えるほど、色々な謀略が見え隠れする。だが、それが国際政治であろう。世界は複雑だけど、シンプルにしてしまっては真実には決して近づけない。経済、宗教、思惑、理念･･･色んなものが混ざっているのが世界である。幅広い考え方や情報を吸収していく必要があろう。だから、我々にできる事はなんであろうか？これに関して僕は何の答えも用意していないが、「見える暴力に反対して満足したが為に、見えない暴力に気付く努力を怠ってはいけない」ことは言えると思う。真の意図を隠すために語られる表向きの理由に反対していることで、表向きは変わっても、後ろでは何も変わっていないのならば、同じ悲劇は続くのかもしれない。もっと多くの人が苦しむのかもしれない。日本人として何ができるのか。僕ならば何ができるのか。これから考えていきたいと思う。＜参考文献＞朝日新聞　8月21日「政府、武器輸出3原則見直し」9月10日社説「9･11から3年の米国―蛇の賢さと鳩の素直さを」産経新聞　9月10日社説「9･11テロ３年　より広い包囲網の構築を」田中宇　「石油利権とイラク戦争」2004年9月7日「『華氏９１１』とイスラエル」『同』2004年7月16日読売新聞　9月4日「世界の武器輸出、米国が約6割･･･ロシアは横ばい」9月4日社説「米共和党大会　ブッシュ再選をかけた反テロ戦争」（注１）マイケル・ムーアの『華氏９１１』に対して、一般的な見方と違う見方ができる内容の文書があるので田中氏のHPには是非訪れて下さい）（注２）文章中、如何にも「僕が考えました、フフン」的な文章がありますが、終盤以外ほとんど受け入りです。田中氏の。ごめんなさい、偉そうな書き方で。（注３）ってか、学校で習ってたらごめんなさい。

September 13, 2004

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The Relationship between the press and the government: a comparison between Britain and Japan　（前編）

“Japan might describe themselves as ‘a country with a first-rate economy and third-rate politics,’ but many would also add ‘a second-rate media’ to this list” (McKinley, 2001). This is because the press does not function as ‘watchdog,’ which is able to oversee the government carefully. This problem is thought to be caused by “The Kisha Club (Reporters Club).” This essay will examine what is the Kisha Club, the difference between Kish Club and the British ‘Lobby’ system, and the problem of the Kisha Club system, followed by revealing what is an ideal Japanese press.First of all, two aspects of backgrounds of Japanese Press will be examined; culture and sales. Japan has a unique culture. In spite of accepting Western culture after losing the Second World War, the Japanese have been able to maintain their traditional values; “social harmony,” which means “individuals are expected to function within society”(McKinley, 2001). Therefore, traditionally, society tends to protect individuals, and organizations want to shelter the staff. For instance, Japanese workers, even journalist, expect to continue their job without a big success, such as a sensational scoop, if they do not make a mistake and keep doing routine works. There is another cultural feature; homogeneity. Japanese people prefer being the same as others to being the difference. Hence Japan’s homogeneous audience is willing to read normal opinion more than sensational. As a result, “the readership is not segmented by region (as with many paper in the U.S.), nor by class or educational level (as with many papers in Britain), nor along political lines (as with many European papers).” (Krauss, 2003)The second aspect of background is sales of newspaper. There are over 150 papers in Japan, and daily circulation is 575 papers for every 1,000 person, which is the highest per capita newspaper distribution rate in the world (Krauss, 2003). Japanese three biggest national newspapers, the Yomiuri (morning circulation, about 10 million per day), the Asahi (over 8 million) and the Mainichi (over 4 million) rank three biggest newspapers in the world (Krauss, 2003; McKinley, 2001). Because the Japanese read newspaper everyday, people can be influenced by the press easily. For example, most of the Japanese will tend to believe that the politician is extremely bad, when major newspapers start a campaign to blame one politician. However, despite the huge amount of circulation and the big effect on the Japanese nation, the Japanese newspaper has little impact internationally. Some Japanese newspapers are written in English, but they are not valued as an authorized publication. On the contrary, British quality papers have a higher reputation, although their circulation is less, for example the Times, one of the most famous quality British newspapers, is just 0.6 million copies per a day in 1998 (Iwase, 1998). The reason of Japanese newspaper’s international unpopularity is obvious. This is because the boring contents written only for domestic interests. These backgrounds are considered to relate to the protection of the Kisha Club. The question to be considered is what the Kisha Club is. “The Kisha Club (Reporter’s club) system is similar to the White House Press Corp or the British ‘Lobby’ system.” The Kisha Club is managed by the member of Nihon Shinbun Kyoukai (Japanese Newspaper Association), which is organized by newspaper companies, press agencies and TV stations. The main role is a mediator between the government and the Press. It is said that Kisha Club was founded in 1890. At first, several newspapers cooperated with each other in order to be against for media access to parliament and organize press conference. Although the government had been unfavorable for this Kisha Club, it realized it would be easier to work with them rather than against them, and came to consider how to deal with the Kisha Club (McKinley, 2001). In other words, the government tried to make use of the Press to control public opinion. Though this control had been moderate before the world war started, it was compulsory during the war. Newspapers were controlled by the government and incited the nation to madness. Therefore it is natural that GHQ (General Headquarter), which was USA’s military organization for occupation of post-war Japan, asked the Kisha club to dissolve itself, because of the fault of its censorship. However, the function has not been changed since pre-war period, because the club has deceived its title. The Kisha Club has several advantages for both journalists and the government. For journalists, the Kisha Club could provide easy access and facilities. Originally, the government and other authorities are reluctant to reveal information. However, if a journalist call them and tell, “I am a member of the Kisha Club,” officials seldom refuse the interview (Tase, 1995). In addition, only members of the club can join press conference, which the government holds. Therefore, the club member of the club can cover wide and deep range of news. “This extensive amount of knowledge has helped the Japanese trust the media” (McKinley, 2001). Not only the access to information, but club correspondents can receive facilities from the public authorities. Moreover, the public organizations furnish the press with facilities. For instance, there is a luxurious room for the Kisha Club members on the sixth floor of the Tokyo Metropolitan Government Office. In this room, correspondents can write drafts, read materials, and receive explanation by the press office of the Metropolitan Government. Besides, in 1996, more than 530 million yen (about 2,500 pound) was supplied with each the Japanese ‘Big Three’ newspaper by the public agency (Iwase, 1998). For the government, the Kisha Club is useful and efficient, because new policy can be spread all over Japan by one briefing for the Club. “The news-club system has provided the Japanese public with a great deal of in-depth information about its bureaucracy and policy-making process, . . . , delivered to the reader in an unsensational and seemingly unbiased style”(Krauss, 2001). Furthermore, the government does not worry about what kind of reporters joins the conference (Iwase, 1998).―――――――――――――これは英国の授業の宿題で僕が書いたエッセイです。英語のミスも多々あって見苦しいですが。

September 10, 2004

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The Relationship between the press and the government: a comparison between Britain and Japan 　(後編)

However, the Kisha club has more disadvantages. Firstly, because information is passive, articles are lack of investigation. Even though it is easy for journalists to get information, the government announcing policy to the Kisha Club endlessly may have journalists lazy and deprive them of motivation and ability to find problem, and report voluntarily. (Tase, 1995; 102) For instance, the Tokyo Metropolitan Government announced policies over 4000 times a year. It might make journalists difficult to do research by their will (Iwase, 1998; 49). The result has been revealed in their boring articles. Certainly it had met “the homogenous nature of the paper’s audience.” (Krauss, 2001) Yet, readers came to discover it is not interesting, and they have distrusted mass media. “The differences that exist on the news pages are subtle. Between newspapers, there are slight variations in the selection and placement of the article in pages one (and) the choice of language” (Krauss, 2001). What is worse, if the press is always passive, the government can control the press as same as one during the war. According to Ellis Krauss,“The press in Japan is rarely an agenda setter in the sense of independently raising and pursing issues; it is much more an ‘agenda fitter,’ merely providing information about the activities of the government officials who really set the agenda. Sometimes it can be an ‘agenda sitter,’ keeping political elites in track when they seem to be straying from their intended purpose or what the public expects.”(2003)For example, in the 6th floor of the Metropolitan Government Office, which the Metropolitan Government has provided for the Kisha Club for free, the public officers explain what the organization to be intended to the press. As a result, most of the space on newspaper is filled with the government’s announcement or date which is advantageous to the government.Secondly, there has been collusion between the press and the government. Since the Kisha Club receives big amount of benefits form the government, it must not be easy to blame the government. Consequently Japanese media has not so much as been a ‘watch dog’ (McKinley, 2001; Krauss, 2003). It is regarded as “guide dog” that “serves as an … informer of the Public” (McKinley, 2001) or “lapdog”(Guardian, 2002).Thirdly, the club is too exclusive. The European Union called on Japan to abolish its Kisha (Reporter) Club system in order to remove an obstacle on the free trade in information (BBC, 2002). This is because “foreign correspondent who until recently were completely exclusive from them [the Kisha Club], and today are only accepted on a case-by-case basis”(BBC, 2002). It means, for the long time, foreign (as well freelance) journalists who are not the Kisha club member could not join the government’s spokesman’s public briefing, and even now few can participate in it, and they cannot be admitted to ask questions. “According to the EU, the Kisha clubs are not only a ‘de facto competitive hindrance to foreign journalist’ but they also serve to ‘diminish the quality of information available to the public.’”(BBC, 2002)In order to evaluate the Kisha Club system, there is a further point that needs to be clarified. That is the difference between the Kisha club system and the Lobby system. Before that, it is necessary to explain what the Lobby system is. “The Lobby system is the organization representing political correspondents who work at the British House of Parliament” (Jones, 2003). In 1882, the Westminster Lobby was organized. Its role is the same as the Kisha Club’s one, which is newsgathering from the government office (BBC, 2003). It used to be described as “the last closed shop in British journalism,” because it used be exclusive. One British journalist, Nicholas Jones said, “as a newspaper correspondent in the 1960s it took me two years to qualify to join the Lobby. And the Lobby rules were so tight that until I had full access I was not even allowed speaking to members of Parliament.” (Jones, 2003) This situation is similar to Japanese one. However there are three big differences between the Kisha Club and the Lobby system. The first distinction is foreign journalists’ admission to conferences. Even now it is almost impossible for foreign journalists to join the Kisha Club. Once the Lobby also used to reject foreign correspondents, the situation has changed after Blair became the Prime Minister in 1997. His press secretary, Alastair Campbell, opened up a new and larger briefing room and allowed reporters from foreign news agencies to attend the Lobby briefings (Jones, 2003). The admission may stimulate domestic journalists and improve quality of newspapers. The second one is scale. The Lobby system is called “No 10 Lobby,” because its briefing room is located in 10 Downing Street. It means only one organization same as the Kisha club. On the other hands, there are the several Kisha Club in every Ministry, prefecture office and public authorities. Additionally, in foreign countries there are Kisha Clubs permanently or temporally (only after incidents happen), because correspondents wish to obtain information from government easily. Consequently, Japanese journalists tend to depend on such release from authorities more than British journalists, therefore their articles may be similar with the government’s reports. The third difference is independence from the Lobby system. In Britain, there is one newspaper that rejected reports of the Kisha Club’s style from the beginning. The newspaper company is the ‘Independent’, which started in 1986. Skilled journalists, who had quested what journalism should be, moved from the Times, Guardian or Daily Telegraph to the Independent. The general manager of an editorial department of Independent said, “The less dependence on conferences a newspaper become, the harder we must work. Individual journalists keep news sources and cherish the relationship. That is to say, we have to do proper work as journalists” (Tase, 1995). On the other hands, Japan does not have such kind of newspapers, although 74% of the Japan Newspaper Publishers and Editors Association blamed the Kisha club system and more than half felt that the system made it easy for the authorities to manipulate information (Guardian, 2002). However, there should be one indication of the first difference. It means both purpose do not differ from each other. Like the Kisha Club, the Lobby system has been advantageous for the government. Certainly Alastair Campbell opened up the Lobby system and provided access to overseas journalists and especially to the foreign press. The reason is not for journalism but only for the government. He believes their newspapers are often more responsible than the British press. Therefore when newspapers in France, Germany, the USA, Japan comment favourably on Tony Blair's achievements this can be used to good advantage in the United Kingdom (Jones, 2003). The Japanese Kisha Club is also for the government. Even if the openness for foreign journalists is different from Japan and Britain, the purpose is same. It might be wrong to praise the Lobby’s openness for foreigners freely.In conclusion, Japanese journalism has two big flaws; quality of article and quality of a journalist itself caused by the Kisha Club system. However, abolishing the system might be untimely. This is because 90% of present Japanese Newspaper is come from the announcement (Iwase, 1998). Above all, it will become difficult to gather and cover information. It may be obvious that British journalism offers a key to solve the weakness of the Japanese journalism. At first, the Kisha club should welcome questions and participation from foreign correspondents for its strengthening its competitiveness. Next, the economic collusion should be diminished for rebuilding healthy relationship between the government and the press. Although it might be difficult to make Japanese journalists give up vested privilege, excellent journalism could make nation excellent. Japanese journalist and audiences should reconsider what journalism should be.（Bibliography）BBC News (8/05/2000) InternetLobby System. Accessed 19/08/04http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk_politics/a-z_of_parliament/h-l/82525.stmGuardian Newspapers, (11/29/2002) InternetEU Acts to Free Japanese Media. Accessed 19/08/04http://www.buzzle.com/editorials/text11-29-2002-31275.asp Iwase Y. Shinbun ga omshiroku nai riyuu [The reason that Newspaper is not interesting], Tokyo: Koudansya, 1998, （岩瀬達哉『新聞が面白くない理由』）Jones N. (2003) InternetGlobal Journalism Review, Japan Contact Reports. Accessed 19/08/04http://www.globaljreview.btinternet.co.uk/japan-media.htmJorgensen K.H. 2004: Playground of the Pundits or Voice of the people? Comparing British and Danish opinion page. In Taylor (ed.), Journalism Studies, volume 5, number 1. New York: Taylor and Francis Group, 59-70.Krauss E. (03/10/2003) InternetJournalism and Press-Government Relations in Japan: Facing Strains and an Opportunity? ; Japan Media Review. Accessed 19/08/04http://www.ojr.org/japan/media/1062789838.phpMcKinley, J. (2001) InternetKisha Clubs and the Japanese Media. Accessed 19/08/04http://www.unc.edu/~wiltshir/kisha.htmlSeldon, A. (1997) The British Press and Broadcasting since 1945, second edition, Oxford: Colin Seymour-Ure. Tase Y. Seiji jya-narism no tsumitobatus [Crime and Punish of Political Journalism], Tokyo: Sintyousya, 1995(田勢康弘『政治ジャーナリズムの罪と罰』)

September 9, 2004

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ある発言への考察（後篇）マスコミの抱える構造的欠陥

「社会に出てへんアンタに言われたくないわ。」僕は、ある方にこういったコトを言われました。ですけど、この友人自身は、普段からこういった姿勢の生き方をしているわけではなく、「ツッコミ」という関西特有の風土から出た発言であります。そんな話をしましたが、上のフォローがなければ、「社会に出てへんアンタに言われたくないわ。」と言う人をどう思っていたでしょうか？・感じが悪い。・駄目な社会人。・何様？…なんて言う批判が頭に思い浮かぶかもしれません。でも、実際には、この「ある方」はきちんと僕の発言に耳を傾けてくれますし、関西人からすれば当然のツッコミをかましただけです。すなわち。状況とその人のことを解っていれば、全然問題にならない発言にも関わらず、１つの発言だけを切り取って、見せたら、途端に問題発言になってしまうわけです。こういったことはマスメディアにおいて、往々にして起こっている事だと思います。今日は、これに関して書くことにしましょう。＜新聞の場合＞宮沢首相の「アメリカ大統領選挙序盤での共和党バット・ブキャナン候補誹謗事件」はご存知でしょうか？僕は知らなかったんですが、『政治ジャーナリズムの罪と罰』（田勢康弘、1995年、新潮文庫）を参考に説明します。記者からブキャナン候補について聞かれた宮沢首相が「とても全米で通用するような候補ではないでしょう」と答えました。これが日本のマスコミでそのまま報道され、それをアメリカのマスコミが転電したことから、騒ぎが国際的になってしまいました。つまり「日本の首相がアメリカの大統領選挙に関して干渉した」と受け取られ、ブキャナン候補もアメリカで宮沢発言を非難しました。結局、宮沢首相自身が、内政干渉するつもりはまったくなかった、という趣旨の発言をして収まったようです。これは「もとを正せば、番記者制度の弊害からきた失言劇だった」と田勢氏は本著で述べています。ブキャナン候補については、アメリカで「指名獲得の可能性はまったくない」という受け止め方がなされていて、アメリカのマスコミもそのような論調でした。毎日、インターナショナル・ヘラルド・トリビューンを読んでいる宮沢首相からしてみれば、いわば常識になっているようなことを記者に「教えてやった」ぐらいの気持ちだったらしい、とのことです。ですが、聞いた記者はブキャナンという名前ぐらいは知っていても、どの程度の候補かは知る由もありません。番記者は首相の発言については、全員でメモを照合します。聞いた人と聞こえなかった人の間に差がでないようにするための習慣です。この過程で、「これは問題発言ではないか」とひとりが言えば、全体がそちらに引きずられて行く、という傾向があるそうです。各社の番記者が首相発言をメモにして官邸クラブ（内閣記者会）のキャップに見せます。そしてキャップは本社のデスクに相談します。すると話は大げさになり、最後には「自分たちが見識を発揮して記事にするのを見送っても、他社は大きく報道するのではないか」という脅迫観念が記事化の決断を促すのです。第一次情報に接する立場の番記者たちは、経験の浅さからして、宮沢首相の人となりについて十分な知識はありません。したがって、その発言の意味するところを正確に理解できないので、メモにして上司の判断にゆだねます。上司たるキャップはその場に居合わせたわけではないので、発言のニュアンスまではわかりません。その結果、活字にしたメモが一人歩きすることになるのです。「首相の場合に限らず、失言事件のかなりの多くはひとり歩きしたメモと各社間のささやかな競争心理が生み出すのである。仮にそれが真実とはいえないものであっても、騒ぎになった場合、報道していないよりは横ならびで報道していたほうが責任を免れるという妙な話なのだ」上記は前述の本から、ほぼ抜粋の形で載せました。つまり、「状況とその人のことを解っていれば、全然問題にならない発言にも関わらず、１つの発言だけを切り取って、見せたら、途端に問題発言になってしまうわけです」と、先ほど挙げた事が、ズバリ起こっているわけです。また、新聞記事というものは、記者が書いたものを、編集が優先順位をつけて文字数などを調節しながら貼り付けていくものです。（新聞社の説明会で見たVTRでは、そうなっていたと記憶します）すなわち、たとえ記者が全てを解っていたとしても、記者の思惑・理解と離れたものが記事になっていることも起こりうる訳です。＜NHKの場合＞一般的に「NHKは公正で客観的な報道に努めようとしている」と思われているのではないかと思います。例えば、NHKでは「綺麗な花畑ですね」という事をキャスターは言ってはいけません。なぜなら「綺麗」というのは主観的な形容詞だからです。代わりに「100ヘクタールの花畑に、赤・青・黄の花が咲いています」といった客観的な表現が使われます。（NHKの会社説明会にて知りました）ですけど、政治に関してはどうでしょう。解りやすい例として、ちょっと古いですけど「フセイン像が倒された場面」を使います。フセイン像が倒される広場では、一見、人がごった返しているように見えますが、一歩、カメラを引くとその広場に集まった数十人以外は盛り上がっていなかった、というのは結構有名ですよね。この映像のどちらを使うか、というだけでNHKのスタンスが明確になるわけです。ごった返している方を使うなら、アメリカ寄り、一歩引いた方を使うなら、アメリカ批判的、というように。いくら言葉に気をつけていようが、映像の選択、あるいは「どの事件を選択するか」というだけで、主観的になってしまうのです。（※以上の事を書こうと決めた時は知らなかったんですけどhttp://blog.livedoor.jp/adoruk626/archives/6003646.htmlと言うところではNHKの歪曲報道について書かれていました。新聞記事を通して「儲け主義」という批判は知っていたんですけど、歪曲報道は知らなかったです。）＜TVの場合＞また、「映像にならないものは流さない」というのはTVの常識です。貧困でゆっくり死にゆく映像よりは、戦争やテロの爆発・銃撃戦が流されます。もっと極端な話、「人助け」を流すよりは「人殺し」の方が映像になるわけです。いくら映像にならない所で、平和に向けた努力をして、成功していようと、「絵にならない」という理由で、そのことは視聴者に知らされずに、代わりに残虐な映像が流されて、「世界は混沌としている」「酷い世の中になったものだ」と、思っている可能性もある訳です。「国連は役立たずだ」とか「国際法が無意味だ」という人も、きっとそうだと思います。静かな成功や平和は見えにくく、残虐な映像は解りやすいものです。役に立っているときは映像に、事件にならないものなのです。これはTVが持っている構造的な問題です。＜政治家の発言＞皆さんは、政治家の意見を何処で仕入れますか？選挙の投票では何を基準にしますか？とりあえず、僕の場合は「新聞記事」です。情け無いことに演説を生で聞いたことがありません（去年まで政治に興味がなかったのです）。じゃあ記事にある政治家の発言って、政治家の意図するものと完全に一致しているでしょうか？僕はそう思わないのです。記者というフィルター越しに、記者の価値判断によって書かれたものが記事になるわけですから。それは、前述した「記者が相手を知っている」とか、そういう問題ではありません。相手を知っているからこそ、起こる問題もあるでしょうし（妙に弁護的とかね）。「何かを通した発言というのは、本来の意味とは違ってくる」これは、マスメディアの構造的な問題です。新聞の場合、Spoken LanguageをWritten Languageに置き換える過程で出てくる言葉の問題であり、TVの場合、映像や発言の切り取り方を選ぶ過程で出てくる問題です。＜結論：自分の足で、目で＞色々言ってきましたが、僕はマスコミに批判的ではありません。「なんやそれ？」と思うかもしれませんが、批判したってどうしようもない問題ばかりを上にあげたと思います。マスメディアがマスメディアである限り、避けられない事がほとんどなのです。すなわち、僕らが情報の受け手として出来ることを考えていく事が肝要ではないかと思います。１つは「足を運んで、自分の目で見ること」例えば、政治家の発言を一般人が聞ける機会はほとんどないのですが、選挙前は別です。そういった機会を利用するのは、フィルターを通さない生の意見を聞ける良い機会だと思います。政治家の演説に行ったことがない僕が言うと説得力がないのですが、NPOの講演会、ガルトゥングのワークショップなどに参加した経験から言うと、インターネットで集めた情報とは全く異なります。就職活動と一緒ですね。もう１つは「友人を作る」フィルター越しには変わりありませんが、マスメディアには一般人に知りえない制約がある一方、友人からならば比較的、正確な情報が入ってくると思います。という訳で、わからないことがあれば、23年の人生を通して知り合った、元記者さんや教師、福祉関連の教授などを伝って、疑問点を聞いています。第一次情報としてマスメディアの情報を仕入れ、そこから自分なりに考えたり、調べたりする。そういった、受け手の自助努力が、正確な情報を知る為には必要じゃないのかな、と僕は思います。＜蛇足＞とはいえ、そういった姿勢は「誰もが持って然るべき」という訳ではないでしょう。だから、「マスコミが言っているから絶対に正しい」なんて思わない事と、「なんで、それを報道しなきゃならないのか」「なぜ報道されないのか」というには意図がある事を知っておく事はやれるんじゃないでしょうか。…にしても、1つの発言で色々考えすぎましたねぇ。

August 17, 2004

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ヨーク旅行と日中関係談議　前編

5th　Aug　＜Yorkに行きます＞テストも終ったって事で大学が小旅行に連れて行ってくれます。新しいコースになって人数が急増したせいか、3つの選択肢が与えられました。CambridgeかOxfordかYorkか。僕はYorkを選びました。というのは、「ことりかごの風景」の管理人である、つねさんが以前Yorkを推薦してくれていたというのと、Yorkが一番遠いので、交通費を考えてお得感があるって事です（バス代は大学が負担）。後者の理由でYorkを選んだ人は少なくなかったようです（笑）。Yorkという町について少しだけ説明しておきましょう。紀元前71年ローマ人によって創設され、ローマ軍の本部が置かれ、皇帝の宮殿もあった町です。後にヴァイキングに占領されますが、ノルマンコンケスト(1066年)の後、急速に発展し、ロンドンに次ぐ第2の都市、そして宗教の北の中心地になりました。町には歴史ある建造物が残り、ローマ時代の基礎が置かれ、中世に築かれた町を取り囲むCity Wall（城壁）、13世紀の初めから約250年の歳月をかけて作られた英国最大のゴシック建築の寺院のYork Minster、1階よりも2階、2階よりも３階のほうが前に突き出し、軒をくっつけんばかりのShambles通りは、ほぼ無傷のままに中世の香りを残す（ロンドン大火災以降、延焼の原因の１つになったこういった建築はされなくなったらしい）。博物館も見逃せない。小さい町ながら、見所たっぷりなのであります。僕が選ぶのも当然というものです！（交通費の理由から）＜エッセイ持参＞さて、そんな素敵なバスの旅に、僕が持っていったもの。それはエッセイの原稿です。悲しいかな、明日はエッセイの提出日であります。その前に「Peer Correction」という友達による文法などの基本事項のチェックをしてもらわないと駄目なんですが、昨日書き終えた所でありまして（金曜が提出なのに水曜までを付けず、水曜のテスト後に書き上げた珠玉のエッセイです）、今日しか機会がありません。そんな訳で、楽しい遠足にまでエッセイを持ってくることになりました。行きは中国人Amy、帰りはアヤコに見てもらいました。もう返ってきてるので、結果を言いますとBでした。2人のお陰です。この場を借りてこっそりとお礼を。＜日中関係談議　Amy編>行きのバスでは前のコースも今もクラスメートの中国人Amyの隣に座りました。折角の機会ですので、中国の事とか聞いてみました。（１）有人宇宙飛行船「神船5号」昨日、『田中宇の国際ニュース解説 2004年8月2日』で、中国の国家意思の変遷とロケット開発の歴史の考察を読んでいたので、それについてちょっと聞いてみました。ちなみに、それはどういうものかと言うのを上記のメルマガの記事から要約してみます（多少の脚色もありますので、正確な情報はhttp://tanakanews.com/でお調べ下さい）。1956年　中華人民共和国ができてわずか8年しか経っていないが、ロケット開発を開始。当時の毛沢東政権が、中国が科学技術と結びついた西欧の軍事力を軽視し、欧州や日本に支配されてしまった歴史的な教訓から、軍事力の基礎となる科学技術の発展に力を入れていた。1970年代　とう小平が政権を握り、金儲けに力を入れる改革開放路線を開始。軍事的なロケット開発は人工衛星の打ち上げビジネスに転換。1990年代前後～ここ数年　社会主義圏の崩壊、天安門事件後の国際的な経済制裁を乗り切り、経済大国への道を歩み始めた。2003年10月　有人ロケット「神船5号」の打ち上げに成功。今までは米ソのみだった有人飛行を成功させた事で、内外に「大国」であることを示す。　宇宙船には国連旗が積まれており、「『中国の大国化は、国際社会への脅威になるものではない。むしろ国際社会の案的に寄与するものだ』という意思表明だ」という事らしい。この神船5号についてAmyに言ってみたら、TVにかじりつきだった、と教えてくれました。（２）靖国問題と「正しい」の在り方中国人と政治について語るときのお約束、靖国問題も語りました。僕から話をふったんですけど。今までも何度もこのテーマについて中国人と話してきました。東条英機という「戦争を始めた張本人、中国を侵攻した悪魔」が祀られている神社に首相が参拝するのが許せないと、首相が参拝していることは、日本がその過去を美化している、賛美していると意味するんだと、今日も言われました。小泉首相がなんと弁解しようが（「二度と起こさない誓いを」とか）、個人だろうが公人だろうが、多くの中国人の民衆にはそんな情報は届いていません（断言できそうな気がします。少なくとも僕の周りで、「知っている」と言った人は居ませんから）。日本側の主張が届く事はあまり期待できないのです。さて、そういう訳で、かみぽこさんのHP、5月26日「新・黄昏ブラザーズ大いに語る（１）：靖国問題は小泉が仕掛けた罠！？」で書かれていた「外交カードとしての靖国参拝」を話してみたところ、かなり納得してくれました（「許す」って意味ではなく、「なるほどね」って意味で）。また、同HPで拝見した「War Criminal」の定義の問題についても話しました。勝った側が負けた側を「犯罪人」とみなすのって褒められたやり方じゃないと思う。そんな見方で客観的になれやしないよ。「戦争犯罪人」って定義をするのが難しいと思わない？なんて言ってみたんですが、「勝てば官軍」という言葉が中国にもあるらしく、「A Winner is King」「敗者は賊」だって言葉を教えてもらいました。「戦争犯罪人」の定義には僕も文句はありますが、「勝者の勝手」というのはある意味仕方ないのかもしれないと思いもしました。「国連決議」さえあれば、国際世論（主に西側諸国からの）を味方につけ、経済制裁も武力行使も思うがままである、ってのも、「経済的勝者の勝手な言い分」な訳だし。※僕は、それが良いとは思わないけど、「『勝てば官軍』は正しい」というのがまかり通っている、という例として出しました。自分に都合の悪い「戦争犯罪人」の定義に文句を言って、「経済的勝者が掲げる『正義』」を見て見ぬふりする事だって問題かな、と思って。（３）ODA無名度中国人と接していく中で、何となく気付いていた事を聴いてみました。「日本から中国へのODAって知ってる？」答えは案の定「知らない」。「中国が他の貧しい国に援助してるのは知ってるけど」との事です。そして「日本は戦後、中国に何の補償もしてきてないと思ってた」という事です。手元に資料がないので、信用できる内容ではないんですが（日本の大学のテストかエッセイで、僕が書いた内容ではありますが）、日本から中国に色んな形で（ODAを含め）経済援助をしてきて、国際法的に解決している賠償金の問題を穴埋めしている、と僕は思ってきました。また、そう考えている日本人は結構居ると思っています。勝手な推測ですが。ここに１つの問題があると思うんですよね。日本は中国のことを知らない。中国は日本のことを知らない。それなのに、日本は中国を批判する。それなのに、中国は日本を批判する知らないって怖いです。でも、もっと怖いのは、自分の言い分が正しいと決め付けて知ろうとしない事だと思います。（４）歴史教科書問題同様のことが歴史教科書問題でも言えます。Amyは、「全ての歴史教科書」から第二次世界大戦の日本軍の「蛮行」が削除され、日本に都合のよい事ばかりを書いた教科書になったと思っていた、と言いました。そんな風に思われているなんて僕らは知らないし、彼女たちも、中国での日本軍の行動についての記述の削除が「一部の歴史教科書」に過ぎず、削除されたと思われてる部分を今もしっかりと学校で学んでいるという事を知りません。これが中国人全ての意見ではないにしろ、大学に進んでいる「知識人」の範疇に含まれるAmyが知らないのですから、大学に行けない大多数の低収入層の中国人が、日本の実体を知っている事を期待するのはちょっと難しいと思います。確かに、中国が偏狭な反日教育を行なってきたと僕も思っています。特に天安門以降に低下した労働党の求心力を強化するために、政府の負の部分から民衆の目を逸らさせるために、かつて日本軍に「勝った」という共産党の栄光を元に、反日教育を利用（悪用？）していると思っています。ですが、「『歴史』は常に政府によって選別されている」とAmyは語りました。僕はこれが的を得た発言だと思っています。実際に日本でも、政府の許可の下で教科書って認定されていた筈です（間違ってたら御免なさい！）中国は全て国定教科書だった気がします。僕の曖昧で古い記憶だと。という事は、「中国の歴史教育が間違っている」と踏ん反り返って言うのももっともですが（僕は元々そっち側の人間です）、「歴史は政府によって利用されている可能性が当然にある」というのは、頭に入れておいても良いのではないでしょうか？先ほども言いましたが、怖いのは「自分の言い分が正しいと決め付けて、相手を知ろうとしない事」だと思います。日本は中国のことを知らずに中国を批判しています。中国は日本のことを知らずに日本を批判しています。そしてお互いを知ろうとしないままです。「俺が正解で、お前が間違っている」と決め付けるよりも、「お互いに何が間違っているのか」と議論を積み重ねていく事って重要じゃないかな、と思います。「自己の主張の正当性」に力を注いで、理論武装するよりも、「対話を通して自分（たち）の間違いに気付く」ってことの方が良い結果になるんじゃないかな、と思います。今、僕ができることなんてたかが知れていますが、これからの中国を担う知識を持った若者であるAmyやEric、その他留学で出会った中国人と対話を重ねていく事がなんらかのプラスになるのではないかな、と思っています。すっごく些細ですけど。これは「中国が日本のことをわかってくれるように」という他力本願ではなく、僕から「中国の事を解ろうとして、日本の何処がよくなかったのか」を知る為に、自主努力に結び付ける為に、という意味にしたいと思っています。これは人によっては「卑屈になっている」と見るかもしれないんですけど、僕はそう思いません。単に「同等の立場に立とうとしているだけ」だと思います。見下す訳でなく、平謝りで卑屈になる訳でなく、対等な立場で話し合い、解り合おう、学び合おうとする事が日中関係には必要な気がします。政府レベルでうまくは実践できていないから、僕は身近なレベルで実践していけたら、と思っています。今は些細ですけど、未来にどうなるかわかりませんから。気が付けば、York旅行について書くつもりだったのに「日中論議」が長くなり過ぎてしまい、まだYorkに着いてませんね（笑）。という訳で明日の日記に続きます。※「自分の言い分が正しいと決め付けて、相手を知ろうとしない事」はよくない、というのは日常でも言える事だと思っています。それについては９日の日記に書こうと思います。※日中関係談議はEric編（8日の日記）に続きます。

August 5, 2004

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アヤコと語る、時には真面目な話（２）新聞のデータはアテにしてはいけない

1st　August　＜今日の出来事（１）　Writingのチェック＞日曜日。お昼にアヤコがうちに来た。Writingのチェックをしてもらう為だ。アヤコは実はとっても賢い（持論では、ボケ／ツッコミができる人って大抵頭の回転が早いんだけどね、ダウンタウンに然り）。今回、「賢さ」が発揮されたのは「英語の文章力」においてである。アヤコは日本の某大学・大学院で既に英語での論文を書きまくっており、尚且つESSのスピーチ大会の委員長まで勤めており、もう、僕からしたら英語論文のスペシャリストである。前回のエッセイ提出後、「Peer Correctionはしたのか？」とお叱りを受ける内容だったので、今回、アヤコにお願いしたのだが、前述の経歴は知らなかったので棚からぼた餅だった。ちなみにPeer Correctionとは、先生に見せる前に友達にチェックをしてもらい、くだらないミスで先生の手を煩わせないようにする事である。冠詞、三単現のｓ、時制など、文法のチェックが主になる。だが、さすがはアヤコ。内容や文の構成までチェックしてくれる。Topic Sentenceの作り方やIntroで書くべき事などを事細かに指導してもらう。僕は「凹まされるダメ出し」を歓迎するタイプである。色々言われた方が助かる。褒められるのも好きだが、やっぱり「ダメな事はダメ」と言われたい。今回アヤコに指摘された、ご指導承った点は、僕の英語文章力アップに確かな手ごたえを残した。＜新聞は引用できない＞論文で、新聞のデータは引用できない。引用するとすれば、その新聞がどこからデータを持ってきたのかを明らかにする必要がある。「税務省調べ」とかね。とアヤコに言われた。僕は新聞を結構アテにしていたので、これは意外だった。でも、よく考えると当然である。ペルーでは政府の息がかかった新聞が当然のようにまかり通っていたらしいし（大串和雄『ペルーの新聞』「東京大学社会情報研究所情報メディアセンターニュース第14号(2002年3月)」より）、中国では、まだ政府の統制下にあるようだ。日本においても、例えば、世論調査が意図的で客観的ではないケースもある（http://www.asahicom.com/yoron/）。勿論、インターネットは更にアテにならないのだが、「筆者が明記されている事」が条件で引用はできるようだ。ゆえにヘン国は問題外ですな。（参考にしたいものは本でお探し下さいまし）＜今日の出来事（２）レスター案内　前編>お礼も兼ねて、アヤコにレスター案内をした。ってか、こっちがメインなんだけどね。まず、24時間無休で空いている図書館。次に中国系のスーパー。大福を買いました。そしてPhonexという単館系の映画館。そしてCity centreに行って…と、途中でGrace（元在米の韓国人、恩さん）がマクドナルドから僕を発見。呼び止められる。僕らもGraceも教会に行くつもりだったので、そのままご一緒付いていくのだが、途中でジムに寄り、知らない間に無料お試し券を作ることになった。Graceはおせっかいだ。これは良い意味で。時々「なんで？」と疑問に思うが、気にしたら負け。この日、「2個で1個と同じ値段」という買い物をしたGraceは、それらの片割れを惜しげもなくアヤコにプレゼントしていた（初対面です）。気にしたら負け。＜今日の出来事（３）レスター案内　中編＞教会に到着。内容は結婚に関するものを、聖書と関連付けて説明してくれる。「結婚はWordではない。Sentenceだ」という言葉があった。最初よくわかってなかったんだけど、後でアヤコに教えてもらった。Wordは「語」という意味、Sentenceは「文」という意味の他に「（裁判の）判決」って意味がある。あっはっは。他に学んだ事は「違う事を知っていることの重要性」である。「相手も同じ事を考えている」と期待して、「同じじゃない」がゆえに怒るのではなく、「違いがあって当然」と構える事が肝要なのである。…実践が難しいのは言うまでも無いけどね。＜今日の出来事（４）レスター案内　後編＞帰り道。紳士の僕はアヤコを家まで送る役目を果たすわけだが、アヤコが一人で教会まで来れるように道を教えつつ帰路につく。だが、Graceは「車を探してあげる」といって聞かない。親切を断るのに大声で説得しなきゃいけないなんて、すごい体験だ。これって昨日の話と似てるかもね。ただ、僕はGraceの世話好きに助けてもらってるけど。

August 1, 2004

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「冷やしおとん始めました」「浅く広く、たまには深く」ほか数本。

7月16日　曇って晴れて雨が降る。＜今日の出来事　前編＞最近、特筆する出来事や大事件が起こってないんですよね、幸か不幸か。とりあえず、7月16日19：30現在、この日記を書いてますが、20時半にはクラスメートに誘われたのでPUBに行って参ります。その辺を最後のほうに書き足す形で「今日の出来事」と致しますね。変わったことは特に無いんですが、授業で学んだ「これは！」って事と、「どうでも良い話」を紹介します。＜授業で見つけた「これは！」＞実は僕はESS（English Studying Society）という、いかにも勉強ができそうな部活動に参加してました。ダメダメ部員だったワタクシも、いつしか後輩を抱える身となり、そこでもちょこちょこ言ってたことが此処で出て来たのが嬉しかったので書いてみます（但し、ディスカッションに関係した人以外はわかりにくい文章になっていると思います）。「まずはAim（目的）を探す。それから、その目的達成の障害は何かを考える。そして、その障害を取り除き、どうすればその目的に達成できるのかを考える。そして、それらについて討論しなさい」まぁ、こんな旨のことを今日は学んだんですが、もう前半辺りは懐かしくなりそうでした。「目的探し」ってのがまず最初で、後からその方法を考える。ディスカッションをやる部門（Sectionと言います）に属していた僕は、後輩に、「何のためにディスカッションをやるのか」なんて偉そうなことを聞いてみたりした気がします。（ひょっとしたら僕の記憶違いで、言ってなかったかもしれませんが…）。ある問題について話し合う時も、まず「この問題に対して君はどう思っているのか」って聞いて、「じゃあ、それを伝えるためにどうすれば良いと思う？」と問いました（これは覚えてる！）。例えば「安楽死について」話し合う時、「安楽死について、僕は反対です」としたら、まずは「なぜ反対なのか」を明確にしてもらいます。そして「どうすれば良いか」を考えてもらうのです。こうすると、「こうしなさい」って言われるよりも、自発的に色んな調べものが出来たり、解決策を考えたり出来るんですよね。だから、まず「目的」。そんな訳で、僕は自発的に色々してますんで、毎日が楽しいわけです。色んなことに対して「目的」を考えてみたら、「つまらない日常」って考えていた事がガラっと変わるかもしれませんね。＜どうでも良い話＞すごくどうでも良いので、飛ばして下さってもいいです。タイトルの由来になってます、「冷やしおとん始めました」について。今日、お昼ご飯をTomokoと食べまして「うちのおとん、冷たいねんやんかー」って言う台詞から膨らみました。この辺が関西人ですよね（「おとん」は関西弁で「お父さん」です、念の為）。夏向けの「冷やしおとん」に始まり、レジでチンしてできあがる「冷凍おとん」。勿論、色んな味があります。「激辛おとん」はかなり厳しいことを言ってくれます。星一徹ばりに。「渋味おとん」はやっぱり渋いです。恐らく一番人気。「甘味おとん」は色々甘えてOKなおとんです。テストで0点取っても大丈夫。「塩味おとん」はスポーツマン。口癖は「キャッチボールでもするか」「酸味おとん」はノーコメントで。よくもまぁ、こんなくだらないことばかり考えるよなぁ、と思いますな。ヘン国っぽくないのかもしれないけど、ヘンリーってこんな人間だしね。失礼しました（こういうネタは多分もうしないと思われます）。＜今日の知識　政治編　若者と選挙＞ガラっと雰囲気を変えて。7月10日の朝日新聞の社説「20代―400万票が動けば」を見て、面白いなぁ、って思いました。ので、ちょっとその辺について書いてみようと思います。内容は参議院選挙について。一つ目。候補者と若者の隔たりについて。「『候補者がおじさんに見える』」「候補者との間に、まるで別の生き物であるかのような隔たりを感じる。それが投票しない理由だというのだ」「世代別に見れば、日本の政党や政治家の目は年配者の方に向いている。投票に行く若者が少ないから、政治家のほうも若者を大事にしない」投票率が低い若者と、高い年配者。結果的に、政治家の目もそれに反映される。それを受けて若者の投票意欲が下がるという悪循環…という訳である。なるほどねぇ。二つ目。若者の選挙率をあげるための若者のアイディア。「『20代しか立候補できないような議席の枠を設けたら？』地域ごとに代表を選ぶ仕組みがあるなら、世代の代表を国会に送る仕組みがあってもいい。自分たちの代表を選べるなら投票に行く」これは面白い！と思ったんですが。たしかにこれなら投票したくなるかも。三つ目。日本人は政治の話をしない。「『私の国とちがって日本の学生は政治的な話をほとんどしない』…米国から来ている留学生たちの感想だ」でも「あなたたちは、毎日Debateでしょう？し過ぎです」なんて反論もできるんでしょうが…（友人から聞いた話ね）。とりあえず、ごもっともだと思います。日本人は政治の話をあまりしません。僕は政治的な話を日常でよくする方だと思うのですが、相手を選びますものねぇ。ただ、「政治の話を、台湾人があまりしないが中国人はする」って言うのは、どの辺に原因があるんですかね？さてさて。総合すると、「政治がとっつきにくいから、もうちょっと身近にせんかい」って言う事ですよね。これに関して、最近面白い話をカナダ人マイケルから聞きました。先日マイケルと政治の話を少ししていた時のこと。彼が「小泉首相のこどもって何人居るんだっけ？」って聞いてきます。「息子が1人、芸能人になってるけど、それ以外は知らないなぁ」なんて答えると、「たしか娘もいたよね？」と、しきりに家族構成について尋ねてくるのです。「いや、詳しくないのよ、政治家の家族構成とか」なんて言うと、「カナダやアメリカのマスコミは政治家の家族構成を詳しく報道するから」と。これは新しい見方です（僕にとっては）。「家族構成とかを知ることで、政治家が少し身近な存在になっている」本当に「身近になっているか」は知りません。しかしゴシップやらワイドショーやらが世間的に人気なのは事実（僕はそんなのは嫌いなんですけどね）政治家がお父さんみたいに身近になるかもしれませんし、「良きお父さん」みたいな人が人気を得て政治家になるかもしれません。そんな政治家のお陰で、「理想的お父さん像」「理想的家族像」なんてのも示してくれるかもしれません。お母さんかもしれませんけどね（日本と世界の女性議員割合について語っても良かったんですが、手元に資料がないので、そのうち気が向いたら）。「政治に沈黙して損をするのは若者自身だ」と朝日は語っています。年金問題の他に、2005年介護保険改革、2006年医療保険改革など社会保障制度の将来は、これから語られ始めますが、それは中高年だけでなく、その負担を背負う若者の問題でもあります。平均年齢42歳の「中高年の国」となった日本は3年後、「人口減少社会」に突入します。そういう事を考えたら、政治が遠い世界だ、おっさんの世界だ、と嘆いてばかりもいられません。家族構成をすっぱ抜いたら政治が身近になるなんてもんじゃないとは思うけど、「雅子様を心から心配する皇太子様」で「皇室が身近に感じた」（と、金太郎飴のようにどこの新聞も言ってるのできっとそうなんでしょう）という事もあるし、マシにはなるのかもね。英国王室のように、どうでもいいゴシップ話ばかりがクローズアップされかねない気もしなくもないけど。上記の記事で「参院選」について学生たちと話し合ったと書いていました。これって良いですよね。まず「何で投票に行かないのか」を考えて「こうすれば投票するのに」って考えてる。「考える」ってのも重要だし、「話し合う」ってのも大切だし、自らの問題について「原因とその解決策」を考えるのはとても意味のあることだと思います。僕も友人と話し合ってみようかな…。とりあえず「若者代表の候補者」枠ってのは楽しそうだよね。＜今日の出来事　後編＞さて。約束の8：45、待ち合わせの場所に到着（僕はぴったりの時間に行く人です）。誰も居ない。5分経過。通り過ぎる、スーツやドレスの人々。10分経過。周りのPUBを覗いてみて廻る。15分経過。あきらめて帰ろうとする。…「TA~KA~♪」あ、Davinの声。良かった、会えました。もう1人クラスの女の子と2人です。あら？邪魔しちゃった？とか思ったら増えるわ増える。結局10人くらいでPUBに行きます。彼らは皆クレアハウスという大学寮のフラットメイトです。僕だけおまけ。ビールはぶっちゃけそんなに好きではないので（疲れた時、喉が渇いた時を除く）、バーテンのお姉さんにオススメのカクテルを聞いたら、どんな味が好きか、と聞かれ、フルーツと答えると「ウォッカ」（そう聞こえたんですけど？）と。￡4.80（約1000円）という、僕からしたら法外な値段だったんだけど、ビールでも600円くらいするような店だったので構わず注文。フルーツのベリーを潰して氷を砕いたものを加え、お酒（ウォッカなのかな？）を注いで出来上がり。1000円は安くないけど、今日色んな人と話せた事を考えれば高くありません。そうそう、PUBではゲームをしました。数字のUP＆DAWNを当てるようなゲームで、当てたら罰ゲームだったり。喋って笑って、かなり楽しめました。＜「僕だけおまけ」について＞英国内では、僕は「特定の誰か」と一緒に居るって事はほとんど無いです。ぶらっと歩いて知り合いを見つけて話したりします。「僕だけおまけ」というのはよく起こります。「ここ座って良い？」みたいな感じでお邪魔させていただきます。「あ、○○だ！元気？」って感じで仲間に入れてもらったりします。広大な大学ではないし、Englishコースを通じて沢山の友人を見つけたので、あまり１人になることはありません。こういう事をするメリットは「友人の幅が広がりやすい」って事、「気が楽だ」って事です。「真の友人を見つけにくい」って言うデメリットもありますが、その辺はなんとか頑張ります。「広く浅く」も良いですが、「たまには深く」って感じもやっていかないといけませんなぁ、なんてふと考える最近です。とりあえずEricは「真の友人」だと、僕側からは信じてます。＜今日の学び＞１）色んなことに対して「目的」を考えてみたら、「つまらない日常」って考えていた事がガラっと変わるかもしれません。２）政治について、友人と話し合ってみようかな。３）浅く広く、たまには深く。

July 16, 2004

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国益とか犠牲とか自衛隊派遣とか。

５月３１日の旅日記を更新しました。いやー、日記じゃなくて完全に回想録ですね。--------------------------------で。最近いらっしゃってるパボアホイジオタさんの日記を見てて、１２月１２日の「自衛隊派遣」の所が激しく盛り上がってるのを見ました。で、ちょいと感想をば。本当は、パボアホイジオタさんの所に書き込むのがベストだとは思うんですが、長くなりそうだったので。（１）国益「ヘン国第９回」の問題でも出しましたが、僕の回答の一部を抜粋すると「国益とは何かについての国民的合意が存在しない」（内田樹『子どもは判ってくれない』洋泉社、2003年　から引用）ものであるにも関わらず、世間ではしきりに「国益」という言葉が使われている。何の抵抗もなく。まぁ、政治家や新聞でもしょっちゅう「国益」って言葉が使われているので仕方ない事だと思いますが、前述のように個人個人の中で「国益の定義」は違うものだと、僕は思います。勿論これは僕の「国益の定義」だとも言えますが（「国益には１つの定義しか無いという定義」を持つ人も居るでしょう。僕はそれを否定しません）。僕自身が考える「国益の定義」は更に細かく言っていく事も出来るのですが、そうすると「ヘン国」の意味がなくなるのでこの辺で。（２）多少の犠牲「派遣により戦死者が出る可能性はあります。そしてテロが行われる可能性も高くなるでしょう。しかし、日本が世界のリーダーになるために、多少の犠牲はやむをえないと感じています。そして、自衛隊の方々も、その覚悟が出来ているとおもっています」というパボアホイジオタさんの意見に、サデサさんが「あなたは人が死ぬことを多少の犠牲としか考えられないのですか？」と言った反論が続き、以下議論が白熱してました。こうった議論でいつも僕が思うのは「犠牲というのは戦争状態でしか起こらないものと考える人が多い」という事です。例えばイラクでは経済制裁の影で子供たちが死んでいたり、去年のイラク攻撃が始まる前のクリントン政権時代から空爆は続いていた訳ですが、それは国際社会においては「犠牲」だとか、「大変な事態」に写りません。何故か。ハデじゃ無いからです。例えが悪かったので、空爆は抜きにしても、飢餓や貧困で徐々に死んでいく様は、映像になりません。映像にならないものは当然テレビには写りません。視聴者も求めない所でしょう。世界中で注目され易いのはテロや武力紛争だと思います。ですが、それより多くの死者が出ているのは「構造的暴力の死者」であったり、あるいは交通事故かもしれません。それらは、あまりに慣れている為に気付かないのです。「戦争の犠牲」と語る時には、あまりに他の視点が欠如しているのではないのか、と僕は思います。勿論、僕を含めて、です。例えば、僕は、戦争には反対ですがそれは感情的側面からです。「戦争がもたらした利潤で世界経済が潤っていること」なんて、最近友人から指摘されるまで気付きませんでした。イラクの米兵が飲むコーラ、食べる食べ物、着る服･･･。戦争によって開発されるテクノロジー、循環する経済･･･。「世界から戦争がなくなれば、世界経済がストップする」とその友人は指摘しました。これが事実かどうかを検証する事は、今の僕にはできません。何しろ、世界の軍事費4日分で就学機会を奪われている一億人以上の子供に基礎教育を提供できる、との試算があるらしいです（読売新聞2004年3月24日付）から、「戦争がなくなっても大丈夫かもしれない」と思うのも、あながち間違いだと断定できないことだと思うからです。どうなんでしょう？改めて強調しておきますが、僕は戦争賛成論者ではありません。ですが、戦争や派手な問題にしか目が行かなくなって、もっと身近に苦しむ人を無視する社会が良いとも思えません。「戦争の犠牲」が少ないほうが良いのはもっともですが、それに囚われていては駄目な気がします。とにかく、ネット上の言葉遊びではなく、現実の世界で「不条理な死」がなくなれば良いと心から思います。そして、その為の言葉をつむぎ出せたら良いな、と思います。（３）自衛隊派遣いよいよ多国籍軍に参加するって話が出てきましたね。国会を通さずに。わざわざブッシュ米大統領が議長総括で「北朝鮮問題」言及してくれたのを見ると、予め決まってたんじゃないのかな？とか思ってしまう僕な訳ですが･･･。最近読んだ『政治ジャーナリズムの罪と罰』（田勢康弘、新潮文庫、1996年）によると、「わが国のサミット報道は見出しから内容にいたるまで、ほとんど差がないぐらい似たような記事が並ぶ。それは考えてみればごく当たり前のことだ。外務省から流される材料をもとに、経験の浅い記者たちが書くわけだから、似てくるのも無理はない」また、この本によると、記事を書くのは、サミット報道どころか、国際会議の取材経験のない首相の同行記者であり、彼らに外務省が書いて欲しいと思う材料が優先的に提供される事になりがちなのだそうだ。いささか古い本なので、今はどうなっているのかまだ確認していません。ただし僕が「だから新聞って駄目だよね」とか言うつもりがないのは前も言ったとおりです。サミット報道をよーく見てみたら面白いかもね、と言いたいんです。政府をマスコミがチェックするように、国民がマスコミをチェックしないとなぁ、と思いますので。日本に居ないので新聞の読み比べができないのが非常に残念ですが、今はとりあえず社説を読み比べている最中です。社説は結構特色が出てて面白いですよ。最近は地方紙も要チェックです。（４）総括―自分の意見を振り返って無難で面白くないですね。「賛成も反対も出るものが良い意見だ」と本には書いていました。「過激になれ」というのではなくて、「具体性の欠いた意見ばかりを述べている」から、無難な意見になっているんだと思います。反省。少しずつでも「自分が出来ること」を考えて、行動を伴った「届く言葉」を述べていきたいと思います。あと、パボアホイジオタさんの所で書かれていることがあたかも僕が「ネット上の言葉遊び」であるかのように捉えていると思わられた方が居るかもしれませんが（僕自身が読み返してそう思ったので）、そんな事は一切思っていません。有意義な議論をしていると思いました。うまく表現できなかった点をこの場を借りてパボアホイジオタさんに謝罪しておきたいと思います。＜今日の名言>１．戦争や派手な問題にしか目が行かなくなって、もっと身近に苦しむ人を無視する社会が良いとも思えません。２．政府をマスコミがチェックするように、国民がマスコミをチェックしないと。３．「具体性の欠いた意見ばかりを述べている」から、無難な意見になっている。４．少しずつでも「自分が出来ること」を考えて、行動を伴った「届く言葉」を述べていきたいと思います。

June 13, 2004

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マスコミ論その２「地べたから撃て」と中国天安門事件の話。中台関係について。

08　Jun　　なぜかわからんがめっちゃ暑い。政治部記者が陥るワナについても認識しておかなくてはなりません。政治家は、自分に都合のいい話を書いてもらおうと、記者を選別し「子飼いの記者」をつくりたがります。しっぽを振らない記者は寄せつけません。「相手に食い込む」「相手の懐に入る」ために筆を緩める、そのことがいつしか現状追認の姿勢を生み出します。ウオーターゲート事件を追ったワシントンポストの2人の記者は首都圏担当（いわば社会部）で、ニクソン擁護の政治部と相当な摩擦を起こしながらの取材だった、と言われますし、リクルート事件では先鞭をつけた朝日の川崎支局の記者は嫌疑のある政治家に会おうとしても「政治部以外には会えない」と拒否されたと言います。　私は支局の若い記者たちに「日本の政治のテーマは地域に転がっている。権力の不正や腐敗、不公平を受け止めるのは国民、市民だ。彼らが肌で感じる不正、腐敗、不公平感が何から起きているのか。制度か、組織か、政治家や官僚個人か。それを取材を通じてつかみとり、問題提起するのが記者の仕事だ」と言い続けてきました。市役所の担当記者は、記者クラブでの役所側の政策発表を聞いて記事を書くのも仕事だが、政策というものは市民からの問題提起があって初めて組み立てられるもの。いわば、「結果」だ。新聞は、いい「結果」を生み出すために、政策づくり(変更）の「原因」となる問題提起の仕事をしなければ意味がない、と。　その観点からすると、何も政治部ばかりが「政治を動かす」のではありません。むしろ権力に癒着することなく、地べたから「上を撃つ」構えが大事だと思います。たとえば毎日新聞は、宝塚の身体障害者が「シンシア」という補助犬を公共交通機関や町のレストランで受け入れてほしい、という訴えに共鳴し、阪神版で400回を超すキャンペーン企画を連載するなどし、国会議員を動かし、身障者補助犬法を成立させました。瀬戸内海の豊島の産業廃棄物問題も同様に、地方から政治のサボタージュを告発し、産廃規制の諸制度を前進させました。東京にいては見えない問題が列島にはいくつも転がっているのですから、これを掘り起こす仕事は新聞社にとっても、記者個人にとっても重要な課題です。（2004年2月16日）････前回マスコミ論が少しばかり盛りあがりました。今回もそれについて書こうと思って、上で挙げたことを紹介させてもらいました。これは去年知り合った、定年退職をなさった元新聞の新聞記者さんから僕が伺った言葉です。コラム「お金の使用上の注意」も、この方の影響を多分に受けて書かれています。このような素晴らしい志を持った方がいる限り、僕はマスコミ（新聞）が不要になることはないと思います。（この方は定年退職をなさったけど、ご指導なさった事は必ず受け継がれているはずです）＜BBS＞今日は授業でもマスコミの話が少し出ました。BBCの話。BBCは日本のNHKに当たるようなテレビ局です。Yahoo!で検索したら、「ＢＢＣ（British Broadcasting Corporation/英国放送協会）は1927年英国国内および海外に放送サービスをおこなうために設立された公共放送局です」という親切にも日本語の説明もありました。詳しくはまた機会があれば紹介しようと思います。＜中国のTV＞授業の後に、クラスメートのWilliam（小）に、中国のテレビ事情を聞きました。彼は中国の元テレビプロデューサーあります。中国のテレビは政府からIndependentしているのか、と言う問いに「半分だけ」と答えました。つまり、バラエティなどの分野は完全に独立しているが、ある分野だけはそうではない、と。「ある分野」とはもちろん「政治の分野」です。政治に関する番組は「Supervisor」なる人が必ずチェックするらしいのです。だから言葉に注意しなきゃいけなかったりします。台湾について報道する際も「President総統」とは言わないようにしたりなどの注意が必要です。「President（総統）」と言う語を使ってしまえば、暗に「台湾を国として認める」という事になります。ゆえに「Leader」という言葉で代替するのです。台湾はあくまで中国の１Provinceであるというのが中国人の見方です。そこまで聞いた後にWilliamは郵便局に言ったので別れたのだが、去り際に「実際、台湾は中国の一部だけどね」と言ってから去りました。どの中国人もそう言いますし、どの台湾人も「中国に一部なんかじゃない」と言います。彼らの目的が交わる可能性を僕はまだ見出せていません。ちなみに中国には50を超えるテレビ局があるらしいです。英国には5個しかチャンネルが無いって聞いて少ないと思ったんですけど、そう言えば日本も主要なテレビチャンネルって６つだって事を思い出しました･･･。＜天安門事件＞休憩時間にEricが持っていた新聞について聞いてみました。ここではなぜか無料で中国語の新聞（フランスで発行されているとか何とか）が手に入ります。記事の内容は、天安門の香港の集会に関する記事。僕もインターネットからコピペしたWordにした天安門に関する新聞記事を持っていました。朝日新聞（６月２日付）です（無断転載禁止なので載せれませんが、気になる人は読んでみよう）。ので、天安門事件はかなり注目度が高かったのです。天安門の事件はヘン国を訪れる人なら、名前くらいは聞いたことがある方が多いのではないかと思うのですが、どうでしょう？僕も大学の授業で習ったこともあり、少しは知っていました。ほんの少しだけですが。一般的な解釈としては「天安門広場に集まっていた『民主化』を求める民衆の集まりに、中国人民軍すなわち軍隊が発砲し、武力鎮圧。その過程で民衆を虐殺した」というものだと思います。僕もそう解釈していました。なにしろ、天安門事件の後にアメリカを中心に「経済制裁」を行ない、毎年恒例の香港の「天安門追悼集会」は今年６月４日１５周年を迎え、香港返還後最大規模の82,000人が参加していますので、この解釈を疑う機会など与えられてきませんでした。ちなみに、この集会は「被害者の追悼」と「天安門武力鎮圧の抗議」とともに「民主化」を訴えたものになっているようですが、前者の「追悼」と「武力鎮圧」に重点が置かれていることに変わりはないようです。【参照】「初参加組目立つ、天安門追悼集会」『Yahoo! Japan NEWS』http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040607-00000002-nna-int）朝日新聞の書いていたのは「天安門事件、の『主役』は今」というものでしたが、そこでも「反革命宣伝扇動罪で有罪」というような内容が書かれていました。まぁ、天安門事件における中国政府の対応は「民主主義の弾圧」といったようなマイナスの見方が一般的だった訳です。Ericが持っていた新聞には「とう小平がノーベル平和賞」を受け取るとかそんな話が載っていたのですが（記憶が曖昧です、ごめんなさい！ちなみに「とう」という感じは楽天日記では表示できないようで平仮名になりました）、それに僕が前述したようなマイナスイメージで固まった中国政府の長にそんなものを？と、ちょっと違和感を感じましたので、ほぼ激怒に近い形でまくし立てたのです（英語が最近スラスラ出てくるので）。民主化を叫ぶ民衆を殺すなんてひどい、誰だって自分の意見をいう権利はある、政府に逆らっただけで殺されるなんてありえない、云々。で、Ericの主張なんて聞いちゃいない位でした。彼は、民衆が軍隊の側を殺したことを強調し、民衆側のリーダーが話し合いの後に逃亡した、といったような事を教えてくれた（正確な記憶ではないけど）のですが、僕としては前述の話の方が問題です。「虐殺」をしたのは軍隊だし、民主化の弾圧だし、と何度も強調しました。そんな訳で、天安門事件に興味を持った僕は、WEBで早速調べてみることにしました。日本に居たら図書館に駆け込むトコなんですけど･･･。で、見つけたサイトでは「中国では当時の政府の行動は評価されている」「天安門で虐殺が無かった」「軍隊の死者数が、民衆の死者数を上回っている」などの話が見れました。詳しくは下で紹介するサイトをご覧になって下さい（なぜ香港で集会があるのかも推測できよう）。とにかく、僕が驚いたのは「情報の危うさ」と、そこから付随する「常識だと思っていたことへの歪み」です。今まで「そんなことは常識であり、間違いない」と思い込んできたことが疑わしく思えてきました。＜参照HP＞村田忠禧『８９年天安門事件における「虐殺」説の再検討』　2004年6月9日。これ以外にも色んな資料が見つかると思いますが、とりあえずこれで「反論」は網羅できると思いました。最近の記事では、産経新聞2004年6月5日付で「天安門事件党内で映像回覧の謎」という記事の中で「中国政府は現在も事件を『政治的波風』とし、『果断な措置で安定を守り人民の生活に良い影響を与えた』という文を見つけました。Ericをはじめ、多くの中国人には政府の対応は好意的に受け止められているようです（香港は除きますが）。とりあえず、紹介させてもらいましたが、このHPで書かれた事を読んでも、今までの知識がこれを鵜呑みにさせてくれませんでした。皆さんはどう思いますか？この一件で、「つくづく『偏見』の恐ろしさを垣間見たなぁ」というのが正直、僕の感想です。天安門がひどい人権問題だ、とうちの大学のアムネスティの会員だというカナダ人の先生が教えてくれたのですが、それが中国人の先生だったら違う視点で教えてたんでしょうね。「物事を見るときは必ず２つ以上の視点から」というのが、ディスカッションをしたり、ヘン国の回答を作ったりする時に思うことで、わかっていたつもりですが、実践するのは大変です。「今までは常識だと思っていた考え」を「常識だろうか？」という疑問に変えるのは本当に難しいです。最後はマスコミ論に戻ってきましたね。色んな情報が波のように僕らを埋め尽くしますが、どうか偏った見方なんてしないで見極めたいなぁ、と思います。僕はまだ全然できていませんが･･･。言葉で言うのと行動で実践するのとはやはり違います。心がけていたつもりだったんですが、まだまだでした。で、総括。まずはそういう気持ちを、すなわち「情報」や「真実あるいは常識とされるもの」を疑っていく気持ちを持とうと思いました。あと、2方向からの意見・情報（この両者は似て非なるものなので）の収集ですね。「ヘン国」読者の方にはこんなことを言っている僕が正しいかも疑って欲しいところだったりもするのですが。＜今日の名言＞１．新聞は、いい「結果」を生み出すために、政策づくり(変更）の「原因」となる問題提起の仕事をしなければ意味がない２．何も政治部ばかりが「政治を動かす」のではありません３．「今までは常識だと思っていた考え」を「常識だろうか？」という疑問に変えるのは本当に難しいです。４．「情報」や「真実あるいは常識とされるもの」を疑っていく気持ちを持とう５．物事を見るときは必ず２つ以上の視点から

June 8, 2004

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マスコミ論～「情報化社会を生き抜く」を考えてみる～

急にアクセス数が激増した。まぁ、ここの日記って、大抵一日に20～40アクセスをウロチョロしてまして、10を割るのもよくあるのですが、今日は100を超えました。タイトルのせいだと僕は思います。「英国魂とがん告知。ひとりでできるもん」Magical Mystery Tour 1st Day 　Leicester～Manchester全く意味不明ですが、ポイントは「がん告知」それに続く「ひとりでできるもん」しかもテーマが留学。気になってしまっても仕方がないというものです。留学先でがん告知された留学生がひとりで頑張っていく物語という想像をしてしまった人がいるかもしれません。書き込み後に急に増えたアクセス数に焦って題名をすかさず変えようと思ったけど面白かったので放って置きました。今、確認したら題名に惹かれてきた人ばかりだけではなかったみたいだったのですが。（「最近訪問者」で、楽天日記を作っている人はその人のページに飛べるようになってます。右上のアクセス数を示している数字をクリックすればわかります。で、ゲストさんが多かったみたいなので、題名に惹かれて飛んできた楽天日記製作者ばかりではないと判断できた訳です）でも、題名に惹かれてきた人もかなり居ました。で、僕はふと思いました。　　　　「死」に関するものに、やはり人は惹かれるのではないか。確かMMRをいう漫画でも（懐かしいな）、「人は『死』と『SEX』という言葉に惹かれやすい」とか書いていたように思います。仮に今回のタイトルを「いやらしいもの」にしてもアクセス数は伸びたでしょうが、意味がないのでしませんでした。実験の意味でもしてみたくはあります（「『死』と『SEX』」というタイトルにしようかとも思ったんですが）。このことはあることを示唆します。　　　　　マスコミも、このことをわかって記事つくりをしているのではないか。今、僕は『政治ジャーナリズムと罪と罰』（田勢康弘、新潮文庫、1996年）を読んでおり、この主張と関連していると思われる文章を見つけました。「本書で紙面を作るデスクは常に他紙がどう報道するかを意識している。それは無理からぬところだが、その『競争意識』が報道をゆがめてしまうのである。つまり、『他紙はもっと派手にバーンとやるのじゃないか』という不安にかられるのだ」現在は小六の殺人事件、以前はイラクのジャーナリストの死亡、などなど派手な「死」に関する記事が各紙同じような論調で並びます（勿論、それに対する解釈は、各紙の色が出ると思いますが）。僕はその時英国に語学留学に来ていたので解りませんが、「9.11」の時もそうだったでしょう。こういったことによって僕はマスコミ（ここでは新聞）を非難するつもりはありません。田勢さんも書いていますが、これは仕方ないことだとも思います。僕が言いたいことは、　　　　だからこそ、読む側、受け取る側がしっかりしないといけないのではないか。と、言うことです。「大量に同じニュースが流れるときは隠したいことがあるのではないか、という疑問を持つように」と以前日記で紹介した海南さんのシンポジウムで聞いたことがあります。かつて、パナウェーブが盛り上がっている時は、有事法制が議会で審議されていましたが、表立って報道されていませんでした。今回の小六のケースに当てはまるかはわかりませんが、今いくら小六殺人事件に関する記事を読んでも、新しいものは出てこないでしょう（事件を起こした女の子の「弁護」をする弁護士からの報告くらいのものではないでしょうか？）。こんな時は、この事件の背景にも注視するべきではあるけれど、他の事件、例えば現在、年金法案が成立したりしていますが、他にも重要なことが起こっていないか見ていくべきだと思います。日本に居ないので、年金法成立がどれくらい盛り上がっているかはわからないのですが、「なぜこのタイミングで年金法が成立したのか」と考えると、政府の、与党の「意図」が見えてはきませんか？あれほど問題が取り沙汰された割に、全然ろくな議論がなされていないまま成立したと考えてしまうのが、普通の見方であるように思いますがどうでしょう？前述の書にはこうも書かれていました。「新聞報道の弱点は･･･ほんの一部分から見出しになるものを引っ張り出して、そこを中心にニュースを『作る』ことである」政府の発表を鵜呑みにしたまま、独自の取材を怠って記事にするという批判も書かれています。マスコミを絶対視することなく、受身に回るだけでなく、自分から能動的に情報を収集しない限り、「この報道によって誰かが得をする」という側面を見ないままに、大量の些細な情報に流されてしまうのではないか、と危惧しています。メディアを変えるべきだ！と強い論調で僕は叫ぶつもりはありませんが、僕ら自身でできることがあります。ひとつは、「メディアに対して、『ほめる』あるいは『けなす』という意思を表明すること」です。この日記に関してもそうですが、リアクションが無い限り、「面白いのか」「役に立つのか」、時には「意味あるのか」さえ思います。「作り手」は孤独感を少なからず持っています。「ここが悪い」と言われれば直そうとしますし、「ここが良い」と言われればそこを伸ばそうと思うでしょう。そして、やってて良かったと思うでしょう。もうひとつは「自分で始める」ということです。僕もこうやって日記をWEBで公開してわかったことがあります。前述の「死への注目度」、「作り手の孤独感」、そして「どうやって『記事』にするのか、どこを『抽出』するのか」ということです。よく、友人の言葉から日記にしていますが、これが「本当に言い手が言いたいこと」である保障はありません。僕が感心したからメイントピックになっているのです。これって「記事にする側の主張が、『友人の声』という形で表立っている」とも考えられますよね。僕の書くものは、『記事』ではないのですが、便宜上そう書かせてもらいましたが、マスコミの書く記事も同様だと思います。意図する、しないに関わらず、そういったことが起こってしまっているのだと思います。やってみないとわかんないですよね、そういうことって。ひょんなアクセス数増加から、「情報化社会に生き抜く」ということをちょっとばかり考えてしまいました。今日は一味違った日記でしたね。でわでわ！＜今日のまとめ＞１．人は『死』と『SEX』という言葉に惹かれやすい２．読む側、受け取る側がしっかりしないといけないのではないか。３．大量に同じニュースが流れるときは隠したいことがあるのではないか４．メディアに向けて（１）『ほめる』あるいは『けなす』５．メディアに向けて（２）「自分で始める」ことで見えるもの

June 5, 2004

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英国日記＜中国論補足＞

4月26日（月）。晴れ→曇り。週の授業が始まる日、そしてOptionクラスが発表される日だ。＜Listening　Class＞…の筈だが、まず文法問題から入ってきた。うわぉ。If節で、起こる可能性によって時制（Tense）が変わる奴だ。しまったなぁ、復習しとければ良かった…。TOEFL（受験したい人はここへどうぞhttp://www.prometric-jp.com/）を受けたのは2003年の9月。あの時は一生懸命復習した文法も、塾講師として2年間中学、高校生を教えた経験をあざ笑うか如くに、無残に忘れられている。しかも「Condition　0」とかいうモノが出てきた。なんだそりゃ？…これはあとで勉強してわかったが、The Zero Condition: situation が「happens normally and it is fact」の時。The First Condition: situation が「likely to happens in the future and probable result」の時。The Second Condition: situation が「imaginary situation in the present or future and possible result」の時。The Third Condition: situation が「imaginary past situation and imaginary consequence」の時。ああ、こんなのあったわ。0) If I’ve got a headache, I always take an aspirin. 1) If I see her, I’ll tell her.2) If I were you, I wouldn’t do it.3) If I had passed an exam, I would go abroad.さて問題。He could visit his mother, 1) if he went tomorrow. 2) had he gone to London. 3) if he goes to London. 4) if he had gone to London.もういっちょ。James said, 1) he will go to London. 2) he is going to London. 3) he has gone to London. 4) he went to London.…どう？わかった？（正解は教えません）＜Writing＞Formal Styleの極意を伝授される。２つご紹介します。「Passive」と「×Contraction」前者は「受身の文の方がFormalである」ということ。後者は「isn’tよりis notの方が、don’t よりdo notの方がFormalである」ということ。これで君もACADEMIC！＜Lunch＞Meal Cardというものがある。プリペイド式の食堂専用（っても食堂はいっぱいあるんだけどね）のカードだ。これはコース自体に付いていたもので￡200、つまり約4万円の食事が可能だ。一回￡3位使うので、66日の使用に耐えら…あんまりこのことは詳しく考えないでおこうか。今までLunchは現金で支払い続けていたので、送金方法が確定していない僕としてはカードと持ってきた現金が全て。その現金が減るのは恐ろしい事だったので、心配のネタがひとつ減ることになる。これがデカイ。…が、木曜日に作りに行った時、金曜日にできあがると行った。金曜日に行った時は、月曜日にできると言われた。月曜のお昼に行ったら、3時にできると言われた。ま、そんなもんだ、と思って今日は引き下がった。カフェのある建物Charles Wilsonの2階にある食堂に行く。誰かが居るだろうと思って来てみたのだが、Williamが居た。とはいえ、クラスが同じでは無い方のWilliamである。6年日本に住んでおり、大学でDegreeをとった後、日本で仕事にも就いていた。日本語ペラペラである。それとなく近くに居たら自然な流れで一緒にご飯を食べてくれた。日本語がせっかく話せるので、一昨日に引き続き「中国」について日本語で聞いてみる事にした。「台湾」一昨日の話をしたら、中国の中ではそれが一般論だね、って。今度は台湾人の友人を捕まえて話を聞いてみたいな。「中国人 in UK」中国人が多いと言う話は前にした。英国に住んでいる友人の話からするとここ最近の話らしい。「いや3年前から」そう否定してから、Williamは言う。「9.11があったでしょ？あれからアメリカに行く中国人が英国に来るようになったんだ。英国は英語を学ぶ場所として、アメリカの次の第2人気の国だから」なるほど。「反日感情」やっぱりあるみたい（Williamにはなさそうな感じだけど…）。「マスコミって悪いニュースばかり流すよね」そう言われて、はたと気が付く。「だから益々お互いの関係が悪くなる」…確かにそうだ。日本と中国の関係をニュースでする時、ほぼ必ず悪いニュースだ。お互いの関係ってそういう所で悪化しているのかもしれない。商業マスメディアという側面もあるのかもしれないが、これって問題だと思う（僕が「共同通信」の説明会に行って質問した時に「需要がないもの」は記事にならない、といった感じのことを仰っていた記憶がある）。だからこそ、僕らは自主的に情報を摂取した方がいいと思う。お互いの歴史をしる、個人を知る、いい関係をつくる環境を作る努力をした方が良いと思う。彼の言葉が全てを物語っていると思う。「いいニュースってあまり流さないでしょ？」＜Option＞Businessクラス。第2志望。第1志望のDebateはめでたく木曜日に。第3志望のLiteratureでも良かったんだけど、就活を控えた身としては、趣味の詩のために「英語の詩を書くため」っていう目的でLiteratureを取るよりは良かったのかもしれない。少し寂しいけど。そうそう、最近英詩を書いたので、公開しておきます。僕は基本的に日本語詩の人間で、英語詩は苦手です。けなして下さい。ちなみに内容はFictionの恋愛モノ（笑）。さて、授業の話に戻ろう。先生は僕のセーターをさっき褒めてくれた女の先生だ（昼休みにほめられたのですよ）。（それにしても、僕のセーターは英国風らしく、かつCoolらしい。ほほぅ、いいものを持ってきたものだ。大学1年生の時に同じのを着ていた写真があるからそこそこに年季は入っているが、魅力は健在ですなぁ）今日はBusinessの電話の話。どんな対応するのか、全然知らないわ、そう言えば。下準備がないと大変です。英語の聞き取りで頭がプスプス言います。元々僕は英語が得意ではないです。教科としては「好きではない」に入る位に。点数も取れません。発音もできません。聞き取りもできません。なんで留学しとんねん！と思われるだろうと思う方も居るでしょう。僕の答えは「要るから」です。結果なんです。「勉強したいことがある」ってのがまずあって、それから「英語が要る」ってなったんです。「帰納法（Induction）」という奴ですかね。だから楽しく勉強できてます、今。「授業についていけない」という日本に居たとき以上の動機があるから余計にね。ですが、そんな英語が元々嫌いな僕ですから、聞き取れない、理解できないという授業では頭がオーバーヒートします。正直辛かったです。逃げたいと思いました。でも「復習頑張ろう！」って前向きになれるだけ救いはあると信じてます。うん。　＜放課後＞同じクラスの方のWilliamとAmyとで、明日のプレゼンの話し合い。General過ぎるから絞ったほうが良い！ってSuggestionをするつもりだった僕はかなり中途半端な準備の段階。結局Suggestionは通らず。Generalに「Culture」「Economy」「Politics」を語ることに。Williamは既に原稿を完成させており、「Economy」について語る準備はできている。僕とAmyはまだまだだ。どんな風に誰が話すか、という基本的な所でもめている間に時間が過ぎる。Amyは時間が来て去る。「ASDA」という破格のスーパーに連れて行ってくれる週に一度のバスが5時半に来るからだ。僕も行きたかったのだが、Williamが「Takaは残るよね」と目で全てを語る（ここではTAKAで通しています）。ASDAを諦め、Williamと語るに語る。筋道が決まった所で解散。何を話したのかは明日の日記に書こうと思う。＜今日の英単語＞ContractionDistinctiveCoherentVirtually＜問題の答え＞嘘です。ちゃんと教えます。最初のん　（１）　2nd conditionですな。「If ＋ Simple past，…could…」次のん　　（４）「James said “I go to London.”」を思い返せばできるはず。あ、僕は間違えました。

April 26, 2004

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英国日記＜言葉の定義／日本語力の低下＞

4月25日（日）。折角の日曜日なのに、外に一歩も出ませんでした。なので、今日の「日記」は「家でパソコンと、『こころ』（夏目漱石）をいったりきたりしてました」としか書けません。ので、今日のこの場所は、昨日長過ぎて書けなかったことを書こうと思います。Amyと台湾論を交わしてすぐ、家に着いたのでお別れを言った。留学の効用はこういう文化差を生で知れることだなぁ、なんて思いながら日記（ノートの方）を書いていたら、Tomokoから電話。「授業付Writingの本をレンタル」の出張サービスだ。Writingの極意は此処では紹介しない。いや、正確に言うとできない。まとめる、という作業を今日怠った為にレンタル期間が終わってしまった為だ。追って紹介できたらしようと思う。それ以外で、この時に出てきた話を２つ此処では書こうと思う。「言葉の定義」29日の日記にも書いたが、言葉の定義がズレると、思わぬ所で話そのものがズレたりするのだ。英語である場合、「話のズレ」の正体がわからないままで話が進むこともある。ESSでDiscussionしていた時にもよく思ったが、英国に来てそれを身をもって体験できたのは有益だと思う。さて、Tomokoの知識によると「定義」とはこうなる（まとめるにあたり、僕のアレンジを加えています、あしからず）。「言葉の意味とは何か？　それはある言葉（例えば『犬』）を聞いて、その人が思い浮かべたもの、それがその言葉の意味である。　つまり、『個人的に考えたもの』であり、それは『経験の総体』なのである（例えば『犬に噛まれた経験がある人』にとっては『犬＝噛むもの』となるだろう）。」ある言葉の意味が『一般的常識』と捉えてしまってはMiss Communicationを起こすかもしれないのである。「『言葉』は人によって意味が違う」と認識し、意味の共有、定義の限定を行うことは重要だ。ことばの持つ意味、感情的な響きというものは「個人」のものであるのだから。といった感じのものだ。僕の論も入っているので、彼女の純粋な主張ではないが。言葉の意味が「個人の経験の総体」というのはすごく興味深かった。ここで僕が言いたいことはこういうことになる。「自分にとって当然であることは、他の人にとっても常に当然であり続けられないのではないか」英語を使っているとき、あるいは文化差のある時に、これは身をもって知ることができる。しかし、日本語でも知らぬうちにMiss Communicationを起こしているのかもしれないね。「日本語力の低下」Tomokoは日本語をとても大事にする人である。僕はさほどでは無い。だが、塾で古文を教える時に「謙譲語か尊敬語か」なんて事を教えなきゃ駄目だったし、何より詩を書く身として日本語を軽んじる訳にはいかない。彼女の塾講師の経験から。最近の子供は日本語力が低下している。それは意見の主張が「感情レベル」で止まっていることからわかる。「先生がムカつく」という強い気持ちがあっても、それを「感情で訴える」ことしかしておらず、その気持ちを出すあまりに「理由を付けて」という所には全く目を向けない。文章が高度になればなるほど言葉は抽象性を増す。論理性を込めた理性的な主張になる。つまりは「難しい」文章である。（但し、これは解り難い文章が好いという意味ではない。小難しい理論だけ述べる政治家が優れていないように。リンクを貼らして頂いてる足立さんとこのページにもそう書いてある）。難しい文章を読めず、書くとなると論理性に欠ける。これが今の子供の状況である（断言できるほどの資料は今ないが）。メディアリテラシーの面からも、決してよろしくない（メディアリテラシーについては後にコラムで紹介します）。ここで、僕がこの日考えた「大学生の学力低下」について。あくまで僕の私論。資料なし。理由。「本を読まないから」。これに尽きます。なんて断言してみたりする。「学力」の定義付けすらしてないので（社会経験だって「学力」かもしれないでしょ？）、これは軽い「読み物」として読んで下さいな。今の大学生には情報は検索エンジンだ、と考える人、あるいは考えなくとも、それで済ましている人が多いと思う。しかし、あそこにあるのは「表面的な知識」であり、「必要最低限のもの」しか書いていない。あるいはとんでもないことしか書いていない。書いていない理由は幾つかあるが、思い浮かんだのは「感情的であること」「責任が伴わないこと」「限定的であること」「一過性であること」の４つだ。「感情的である」。簡単に発表できる場として効果を発揮するインターネットだが、それゆえ吟味されていない情報や意見さえも流れている。知識人風な人がいくら世間へのメッセージを語ろうが、そこに「怒り」といった感情が入りすぎていた時、その文は学術的でなくなる。何かに対して「ムカつく」と前面に書いてある「本」を買う時に、「優れた知識」を要求するだろうか？おそらく娯楽か、あるいは自分の意見と同じものを見て安心する癒しであると思う。勿論、書く事のきっかけは「怒り」とかメンタルな部分からで好いと思うが、それが前面に出たものは情報として客観性に欠けるであろう（恐らく自分にとって都合のよいデータを選別しているに違いない）。「責任が伴わない」。プロじゃないですから。金も貰ってないし、嘘を書いても誰にも叱られません。匿名だから平気で色々言えます。リアルな世界の社会的地位には何の影響も及ぼしません。本を書くんなら、金を貰って書くんだから生半可なことは書けません。それどころか良いものを書けば、売れて印税も貰えます。ま、売るためだけにセンセーショナルなことを書くなんてこともあるだろうけど、アクセスを増やす為に書く人よりも少ないはず。だって「社会的地位」に影響するからね。それに出版社にも迷惑がかかる。本なら「責任感」が要るんですよ。「限定的だ」。だって、「切り取られた知識」だからね。例えば、ひとつのシステムをネットで調べてみても、まぁどういうものかは解る。でも、実はそのシステムができるにはこういう背景があって、こういう問題があって、こういう人が携わって、こう…なんて長ったらしいことはネットにはほとんど書いていません。つまり「体系的ではない」と言えるんです。体系的ではないから、必要と思った情報をちょこんと載せてあるだけ、ってことが少なくない。「一過性だ」。これは、1回読まれたら十分だ、という意味。本と違って、何回も読まれることが少ないネットの情報では「時代を越えるに足る」なんて情報は稀です。しかも、一見さんをウェルカムするために、できるだけわかりやすく書いてます（だから「限定的」にも「感情的」にもなるんだよね）。こんな検索エンジンの終着駅で得る情報を頼って、学力が向上するか？いやぁ、しないと僕は思うんだな。本を読んでこそ意味があると思う（僕ぁ出版社の回し者ではありません、念の為）。･･･なーんて書いてみたところで、これは僕の「私論」。正しい保証なんて無いです。データを採ったわけでもなし。「あっそう」でも「そうかー」でも好きに解釈していただけたら幸いです。反論は特に受け付けてますんで。だって、なんだかんだいって、ネットってタダだし、調べるのって楽だもんね。　結局、何をぶつくさ言ってるのかと言うと、単に「ネットの情報なんて信じちゃいませんよ、って僕が思っている」ってことを言ってるだけです（ちゃんとしたResourcesで無い限り）。そこから言うと、このヘン国も信じてはいけません。ヘンリーっていう胡散臭い人間が何処まで本当のことを言ってるのか、なんてわかんないもんね。（だから「メールでのやりとり」をメインにしております。責任の所在が明らかに出てくるからね）あと、「禅」について書こうかと思ったんだけど、それは持ち越します。「測るだけダイエット」って成功率80％らしいんだけど、「禅」の教えにヒントが隠されているのでは？なんてことも話していたのね。ま、そのうち書きます。でわ！

April 25, 2004

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ヘンリーの国際関係学

[マスコミ] カテゴリの記事

天気予報とライブドア

読売新聞に対して、ちょっと思ったこと。

父との話/本のレビュー 「日本経済新聞は信用できるか」/ジャーナリズム再考

戦争とメディアと日本国憲法

ジャーナリストに会って 後篇 映像信仰

オンラインジャーナリズム～伝統的ジャーナリズムへの挑戦

オンラインジャーナリズムについて（英文）

ブッシュ再選の周り 後篇「日本の新聞の社説研究（２）東京と神戸」

ローストビーフと広告と

僕が考える理想の記事／英国生活

読まれない新聞は誰の為？

僕らは考えなければならない

客観性とバイアス／政治と人間

誰か教えて下さい。／ステイ終了／キツネ狩り

第4の権力問題／怖いもの

ピンポン未遂／『介護入門』／プロのジャーナリスト

真実を解った気になる／情けない授業

中欧旅行 プラハレ 3／3 「アメリカの愛国心／常識再考」

ヘンリのヒトリゴト＜学校で習わない国際政治 アメリカとイラクとマスコミ 前編＞

ヘンリのヒトリゴト＜学校で習わない国際政治 アメリカとイラクとマスコミ 後編＞

The Relationship between the press and the government: a comparison between Britain and Japan （前編）

The Relationship between the press and the government: a comparison between Britain and Japan (後編)

ある発言への考察（後篇）マスコミの抱える構造的欠陥

ヨーク旅行と日中関係談議 前編

アヤコと語る、時には真面目な話（２）新聞のデータはアテにしてはいけない

「冷やしおとん始めました」「浅く広く、たまには深く」ほか数本。

国益とか犠牲とか自衛隊派遣とか。

マスコミ論その２「地べたから撃て」と中国天安門事件の話。中台関係について。

マスコミ論～「情報化社会を生き抜く」を考えてみる～

英国日記＜中国論補足＞

英国日記＜言葉の定義／日本語力の低下＞

父との話/本のレビュー　「日本経済新聞は信用できるか」/ジャーナリズム再考

ジャーナリストに会って　後篇　映像信仰

ブッシュ再選の周り　後篇「日本の新聞の社説研究（２）東京と神戸」

中欧旅行プラハレ　3／3　「アメリカの愛国心／常識再考」

ヘンリのヒトリゴト＜学校で習わない国際政治　アメリカとイラクとマスコミ　前編＞

ヘンリのヒトリゴト＜学校で習わない国際政治　アメリカとイラクとマスコミ　後編＞

The Relationship between the press and the government: a comparison between Britain and Japan　（前編）

The Relationship between the press and the government: a comparison between Britain and Japan 　(後編)

ヨーク旅行と日中関係談議　前編