年金に怒る社長
事業を興すことはタイヘンです。収益を上げるのは並大抵じゃないし、借金返済はあるし、従業員の生活にも責任がある。なんとか事業が軌道に乗り始めた3年目の春、法人成りの相談がありました。事業の将来を見据え、定款を作成し、出資金の捻出・設立登記・銀行口座開設・・・。個人事業主は、代表取締役社長へ所得税は、法人税へそして…国民年金は、厚生年金へ法人の場合、社長が1人だけの会社であっても、社会保険は強制適用事業所となり、社会保険に加入しなければなりません。月々、13300円だった国民年金保険料は、厚生年金になって倍以上に跳ね上がりました。おまけに、給与天引で徴収漏れはない上、天引額と同額が会社の負担になります。「えーー!そんなに払うんかい?!」とシミュレーションを眺めながら、法律なら仕方がないと、しぶしぶ社会保険に加入する社長。法人成りを提案すると、案外この社会保険の負担を理由に難色を示す事業主が多いのです。「いやー、でもね。やがて払った保険料に応じた年金が返ってきますよ。所得税では控除もされますし。不利とばっかしは言えませんね。それに、そもそも社会保険は助け合いじゃないですか。」という説明に、納得し難い気持ちを抑え、「あんたが言うなら…」と了解して頂いて、ようやく法人設立の運びとなるのです。民間の零細事業者が、国の法律によって強制的に徴収される社会保険料。過日、社長は、総勘定元帳やら源泉税の領収書やら現金出納帳やら源泉徴収簿やらを持参させ、調査に呼びつけられたところです。正直に払っているというのに。。こうして国家に強制される社会保険制度には抗うことができません。ところがです。その、血と汗の中から支払った社会保険料が野放図に使われていたとか、払ったのに記録がないだの、払ってやるけど領収書を持ってこいだの…。日々明らかになる、社会保険庁やら社会保険事務所の呆れた失態は累積するばかり。社長は怒りのもって行くところを探していたところへ、ひょっこり現れたオニイヤンが捕まって、長い長いお話に…。(*_*)社長の言うことは、もっともです。これから、法人成りして事業を展開しようと考えている中小零細事業者にとって、ますます社会保険がネックとなり、起業意欲をそいでしまうかもしれませんね。頭痛~い。。。(>_