●日本の常識、世界の非常識。。。なのか!?(前編)●
海外に住んでみて今まで私は、 “如何に自分が日本人か!”という事を、何度となく思い知らされて来た。 最近では様々なトラブルや珍事件等には、 「もう絶対に動揺しないぞ!」 「焦らないぞ!」 「驚かないぞ!」 という自信があった。 その自信は、プエルトリコへ越して来てから一層高まったかも知れない。 日本人の常識では考えられない事の連続や、ある意味サバイバルの連続で自分なりに、 この先、どの国へ行っても、 私は絶対に物怖じしないぞ! という、確信のようなものがあった。 だけど。。。 今回は見事にやられてしまいました。。。。。。 *~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~* 今年も去年同様に旦那の仕事関係の為に, プエルトリコの東端にある、EL CONQUISTADOR HOTELで、4日間のコンベンションがありました。 今年は子供達を義母に預けて、旦那と2人きり。。。。(良いのか悪いのか!?) 第2のハネムーンとか言っちゃって、始めはルンルン気分で出掛けたんだけど、その後、 行った日の夜中に、ホテルのバーで大喧嘩をしてしまいまして、 私達馬鹿夫婦は、仕事で来ているコンベンションの予定を全て棒に振る覚悟で、夜中の2時過ぎにボーイを呼んでチェックアウトをして、 ホテルから片道1時間掛けて、明け方にSan Juanの自宅へ帰って来る。と言う、他人が聞いたら、呆れ返るような事をしてしまいました。 朝起きて、義母や子供達はびっくり。義母は只ならぬ私達の雰囲気を察して、私と旦那を別々に部屋に呼んで涙ながらに説教をしてくれました。 義母のお陰で、どうにか仲直りをしてから、再び1時間かけてホテルへ戻って来たのでした。 全くどうしようもない夫婦だよねぇ。。。 日中旦那は仕事で忙しいので、私は一人でHOTEL内のプールや、SPAで時間を潰していました。 夜はボールルームで、毎晩テーマを変えてパーティーが開かれます。 そして各パーティーで着る、ドレスコードがこれ又厄介なんです。 例えば、その夜のパーティーのテーマが、 「アラビアンナイト」で、「赤」だったら、それにちなんだ物やテーマの色の服装をして行く。とか、 他にも イブニング・ドレスにタキシード、 セミ・フォーマル、 カジュアル、・・・・etc..... 以前に、このドレスコードを旦那がきちんと把握していなくて、 セミ・フォーマル(殆どがパンツスーツでした。)のパーティーに、多分状況から言ってフォーマルだろう。。と、勝手な想像で、 思いっ切りフォーマルのイブニングドレスを着て行って、大恥をかいたことがありました。 あの時は、続々と会場に入って来る人達を見た途端に、その場から直ぐにでもUターンをして帰りたい心境でした。 「そんなに気にする事無いよ。」 と、旦那は私に何度も言っていたけど、あの時は必死に私同様のロングドレスの人を探しましたよ! 殆んどの人がパンツスーツだったから、私は穴があったら入りたい位の心境でした。 席に着いてからは、時々感じる冷たい視線にひたすら耐え、 そしてついに耐え切れなくなった私は、旦那も同意してくれたので、パーティーに20分だけ居て、そそくさと帰りました。 思い出すだけでも未だに赤面してしまいそうです。 さて、 今回4つのパーティーがあったのですが、 フォーマルが2つに、セミフォーマルが2つ。という事を聞いていました。 大抵招待状が手元にあって、その招待状に色々とパーティーのテーマやゲストが誰、等と書いてあります。 以前から旦那の場合、何故か招待状はHOTELに到着してから渡される。と言うパターンだったんです。 だから前もってセクレタリーが、パーティーの情報をプリントをして渡してくれていました。 招待状がちゃんと前もって手元に無いというのは、ちょっと不安じゃないですか!? だから私は前々からその件に関しては、不満だったんです。 案の定今回、最後のパーティーで私の不安は的中してしまいました。 私はてっきり唯のフォーマルで、イブニングドレスだと思っていたので、1週間前に旦那が気に入って選んで買ってくれた、黒のビーズ刺繍が施されたドレスを着るつもりで居ました。 日中ミーティングに出ていた旦那より先に、用意に時間のかかる私はシャワーを浴びて、メークもヘアーも全て終わらせ、ドレスを着て待っていました。 パーティー開始の2時間前になって、仕事を終えた旦那が足取りも重く、申し訳なさそうな顔で部屋へ戻って来ました。 旦那:「あのね。。。凄く言いずらい事なんだけど。。。。.俺も今始めて知らされた事なんだよ!!!」 私:「何? どうしたの?」 旦那:「実は今夜のパーティーの事何だけど・・・・大ボスの急な予定変更があって、 今夜はここのHOTELのパーティーに出席するんじゃなくて、サンファンの、リッツ・カールトンHOTELの、別のパーティーに、片道1時間かけてリムジンで皆で一緒に行くらしいんだ。 他の人達はこのホテルに来る2日前にこの話を聞いていたらしいんだけど、俺は今聞かされたんだよ。。。 それで問題は、そのパーティーのテーマ色が・・・・ブルーという事で、 女性はブルーのイブニングドレスで、男は白のタキシードという指定なんだ。」 「え~!どうするの私達。。。!?」顔面蒼白になって、それ以上言葉が出て来ない私。。。。。 更に旦那は、「でも、○○も、○○○も、(旦那の同僚の名前)白じゃなくて、黒のタキシードを着て行くらしいんだ。だから俺も黒のタキシードで行くよ。」 一生懸命に作り笑いをしている旦那。(下手なんだよねー、こういう時の演技が!) 「それじゃー彼らの奥さん達は?」 怪訝そうに聞く私。 旦那:「あ・・・・それは皆から(奥さん方)、“そんなに硬く考えなくても大丈夫よー。ってHITOMIに伝えて”って言われた。」 私:「・・・・って言う事は、皆ブルーのドレスなんでしょう!?」 と、怒りが込み上げて来た私の剣幕に、旦那は溜息混じりに、 「そうみたいなんだけど・・・あ、でも、○○の奥さんのドレスは、ブルーというよりも、グリーンらしいから、大丈夫だよ。って言ってたよ。。。それに皆、大丈夫!気にする事無い!って言ってくれてるし。。。」 これは旦那が悪い訳ではない。 でも、何で今の今までこんな大事な情報が他の人達にはちゃんと知らされていて、私達の耳には入って来なかったのか? 私はその事に対して腹が立って仕方が無かった。 やり場の無い怒りと、 私の本心は、 恥をかく位だったら、絶対に行きたくない! という気持ちと、 ここで今私が、ドレスの色が黒で恥をかくのが嫌だから行きたくない!と駄々をこねて、旦那に迷惑を掛けるのは嫌だし。。。 という思いが絡んで、その場で泣き出したい気分だった。でも、かなり涙目にはなってたけど。。。(笑) もしこれが同僚だけで行くのだったら、遠慮なくキャンセルをして、今泊まっているHOTELのパーティーに出席したって良いのだけれど、 何せ今夜の、この行き成りの決定は、旦那の大ボスが決めた事。それに一人$500のパーティーらしい。。。。(勿論会社もちです!) だから旦那の立場を考えると、行かない訳には行きません。。。。。 内心ちらっと、“$500のパーティーだったら、美味しい料理が一杯食べられそう!”なぁ~~んて思ったりもした。 ううう~~~ん。。。 どうしよう~~~! 究極の選択だぁ~~~! 旦那の立場が絡んでいるから、見えない柵(しがらみ)に苦しむ私。。。! 旦那がつい先程渡されて来たという、招待状を見てみると、 確かに、「パーティーのテーマは、“水・ブルー。” 女性はブルーのドレス、男性は白のタキシード」と、はっきり書かれている。 こんな大事な事を誰も教えてくれなかったなんて信じられない! こうなって来ると、段々気が悪くなって来てしまう。 はっきり言って奥さん方、人事だと思ってのん気に、 「そんなに気にしなくても大丈夫よ~。黒でも平気よー。」って、無責任に言っているようにしか思えなくなって来ていた。 のん気な事を言っている奥さん方に、私から逆に聞きたいのは、 もし自分が私の立場だったら、堂々と黒のドレスを着て行けるか?って事。 行けないだろ~が!!! そう考えると、怒りがどんどんこみ上げて来る。 「君がそんなに行きたくないって言うんだったら、キャンセルしたって良いよ。」とまで旦那は言い出し始めた。 「はぁ~。。。仕方ないなぁ。。。よし! 黒だって良いよね?今夜は開き直って、“このドレスの色は、ミッドナイト・ブルーよ!”で通すから。」 そう気を取り直して、旦那とHOTELの玄関へと歩いていくと、 旦那がさっき、○○の奥さんは、グリーンのドレスだから大丈夫だよ。と言っていた、同僚の奥さんが既に来て待っていた。 よく見ると、グリーンだけじゃなくて、ブルーとグリーンが2層になっている。グリーンもブルーに近い色、どう見てもブルー系のドレスです。 “おいおい! これなら全然問題ないじゃないのよ、奥さん!!!”心の中でそう叫ぶ私。 ふんっ! 私のはどう見ても真っ黒ですよ。。。。(殆どイジケ状態) その後旦那とトイレに行ってから戻ると、 玄関で一際目立つブルー軍団が真っ先に目に飛び込んで来た。 アクアやネイビーブルーのドレスに身を飾った奥様達が集まって、何やら楽しそうにおしゃべりをしている。 それを見た瞬間私は半回転をして、 「全員ブルーじゃないの。。。やっぱり私、行きたくないよ。」 と言って、急に涙が溢れ出て来てしまった。 旦那:「さっきの開き直りはどうした? 今だったら未だ間に合う、キャンセルしようか?」 だけど、ここで引き返したら駄目だ。と思い、 さっきの涙でアイラインが滲んでしまっている事を気にしつつも、笑顔を引きつらせながら、皆の両頬へキスをして挨拶を交わしました。 するとある奥さんが、私の頭の先からつま先まで見渡してから、頷きながら腕組みをして、 「貴方のドレスは、ブルーよ! 濃いブルーよ!」そう叫んだ。 私に気を使って言ってくれたのは嬉しいけど、全然気は楽にはならなかった。 出発寸前になって、大ボス(女性です)の旦那さんがラフな格好で現れてこう言い出した。 「僕達はリッツカールトンへのパーティーへは行かない事にしたよ。子供達のベビーシッターが見つからないし、人様の子供達をこのホテルへ残して行くわけには行かないからね。今夜は君達だけで楽しんで来てくれ。」 大ボスは今回このホテルに、娘とその友達5人を同伴して来ていたのです。 余りの勝手な予定変更に、私は唖然。 もっと早く分かっていたら、私だって行かなくて済んだのに。。。!!! でも今更、「それじゃー私達も行くのは止めます。」とは流石に言えないので、 再びムカつく心をグッと抑えて車に乗り込みました。 長くなっちゃったので続きは明日ね。。。。