後期高齢者医療制度のいま
13日、市役所に所用がありました。帰りに後期高齢者医療保険相談窓口には誰も待ってる人はいませんでした。私は担当の女性に話しかけました。み「ちょっと制度について教えて頂きたいのですが、よろしいですか」担「どうぞ、どうぞ」み「私の母は今69才です。母が75才になった時の保険料負担はいくらなんですか?」担「お母さんはお一人ですか、ご主人は健在でしょうか?」み「父は早死にしまして、母は一人です」担「そうですか。で収入は年金が主でしょうか」み「そうです。厚生年金・国民年金併せて年額90万円弱、父の遺族年金が50万円、後は利子や債権の満期による収入ですが、一時所得は税法上50万円までは非課税だったはずです」(注)後期高齢者医療制度は保険者の所得状況に応じて、現役世代並み所得者とその他に分けている。後者は診療負担は1割で保険料も減額措置があるので、実質負担減になる。現役世代並み所得者の定義は「地方税法上の各種所得控除後の所得が145万円以上」とされている。現役世代並み所得者には保険料軽減措置がないし、診療負担も3割だ。現役世代並み所得者に分類されてしまったら、大きな負担増となる。ここが話のポイントだ。担「まず、厚生省が作った保険料計算資料を差し上げますので、見て下さい。算式1 保険料=均等割額(年額47,415円)+所得割額(総所得金額等-33万円)×8.68%年金所得は120万円までは控除される。つまりわが母の年金収入が140万円と仮定すると算式1 保険料 年額47,415円+20万円×8.68% → 年額64,775円この金額に軽減割合を掛けたものが実際の負担額になる。当初の厚労省案では年金収入160万円未満の単身世帯は7割減とされていた。それが軽減措置が拡大されて160万円未満は85%免除になっていた。すると母上の保険料負担はたった年額9,715円なのである。当初の厚労省案では年金収入200万円未満の単身世帯は2割減とされていたが、それが軽減措置が拡大されて211万円未満は60%免除になっていた。それでも後期高齢者夫婦二人世帯の場合、夫の年金収入が一定額を超えるとあらゆる減免措置の対象外となる。このような方は未だに不満たらたらなのである。平成18年に成立した後期高齢者医療制度は国の社会保険予算を削減したいという財務省の意向で作られたものである。しかし選挙前になって軽減措置を大盤振る舞いしたために、税金投入額は1兆円位増えてしまったはずだ。現行軽減措置がずーーと維持されるならば、母上が75才になっても私は安心なのだが、そうはいくまい。これらの軽減措置はイラクの給油と同じ1年の時限立法であって、次の総選挙が終われば正規料金を天引きされてしまうと覚悟した方が良い。それが嫌なら次の選挙では絶対に政権交替させないといけないだろう。追記、厚生省が作った保険料計算資料を見ると重大な問題を発見した。「被用者保険の被扶養者に対する軽減措置」という項目である。これは後期高齢者夫婦二人世帯の場合、妻の負担が来年以降増えていきますよ、と書いてある。今年4月~9月は妻の均等割額(年額47,415円)は全額免除だが、今年10月~来年3月は9割軽減、来年度、平成21年4月~22年3月が半額負担と書かれている。何もなければ、平成23年度からは妻も均等割額(年額47,415円)を全額負担になってしまう。これでは、年金収入が夫婦併せて年額400万円ある人の場合、保険料負担は年額25万円にも達してしまう。さらに診療費3割負担ってんだから、早く死ねというに等しい制度と言えよう。