太鼓の音が聞こえる
今夜は地区の青年団が太鼓の運行費を集めに来た。法被を着て二人以上で一軒ずつ廻ってくる。例年なら10月に入って直ぐに来るのだが、今回は遅かった。だが、今夜は太鼓の音が聞こえてきた。きっと太鼓の組み立てをしながら打ち方を練習しているのだろう。秋だなぁ。わくわくする。どきどきする。こんなに祭りが好きなんだ。でも、今回は夫婦で旅行に出かける。三日間の祭りの最終日に帰ってくるのだが、最終日の夜は遅くまで地元の地区内を練り歩くので充分楽しめるのは間違いない。ただ、今日までの新居浜太鼓祭りでは喧嘩が絶えず負傷者が出ていた。危険行為が多かった。それをケーブルテレビのライブ中継で見ていたのだが、近くで見物していた人も巻き込まれる可能性は大である。現に今まで亡くなった人も居た。そう考えると今までのように若さだけで動ける年ではなくなった私は怖さも覚えてしまった。一歩も動けないほど人出が凄い場所で息ができなくなったことがある。あの怖さが忘れられない。少し高い位置でゆっくり見物が出来るような場所で見ようと思えばやはり中継のテレビになってしまうのだろう。若かった頃がなつかしい。そんなことを思い出しながら太鼓の音に聞き入っている。