独断と偏見の生物学vol.002 遺伝「ホモとヘテロ」
年末年始のお休みで少し間が開いてしまいましたが、今日はホモとヘテロのお話です。生物が次世代に自分の形質を伝えるのに必要なのが遺伝子って奴です。名前は物凄く有名ですが、実態を正確に把握している人は結構少なかったりします(笑)。基本的に、生物の遺伝子って奴はかならず2組のセットになっています。つまり、ロッテの雪見大福みたいなもんで(笑)、中を開けると2つセットになってます。この時、2個の雪見大福が同じ味の奴の時これをホモと言います。2つの雪見大福の味がバニラとチョコみたいに別々の時(実際にはそんな製品無いですけどね)、これをヘテロって呼ぶんです。 カップルで遺伝子と言う名の雪見大福を食べる時には、かならず2個の内どちらか一方を相手と交換しなければならないと言うルールがありまして、これをメンデルの分離の法則って言います(憶えてました?)。例えば、男性側がバニラ味の雪見大福2個入り(ホモ)、彼女の方はチョコ味の雪見大福2個入り(ホモ)を持っていたとすれば、お互い1個ずつを交換する訳ですからカップルは共にバニラ1個、チョコ1個(ヘテロ)を食べる事が出来る訳です。 ここでメダカに戻って考えて見ましょう。クロメダカの遺伝子をブラックの頭文字をとってB、ヒメダカの遺伝子をその対立遺伝子と言う事でbとします。片親がクロメダカだと2個の雪見大福・・・じゃなくて(笑)黒い遺伝子を持ってますからBB、ヒメダカの方はbbと言う遺伝子とすれば、メンデルの分離の法則で生まれて来る子供は両親から1個ずつ遺伝子を貰う訳ですからBbと言う組み合わせの遺伝子が完成するわけです。 ここで前回の話に戻りますが、クロメダカとヒメダカの遺伝子BとbはクロメダカBの方が優性です。メンデルの三大法則の一つ優性の法則により、遺伝子がBbと言う組み合わせの子供は見た目はクロメダカになるって事です。判りますでしょうかぁ~?? さて、ここで賢明なる皆様の中には疑問が生じてきた方もおいででは?ヒメダカはbb(劣性ホモ)と言う遺伝子の組合せしかありえないけど、クロメダカにはBB(優性ホモ)とBb(ヘテロ)と言う2つの組み合わせが存在すると言う事は・・・。正解です!前回、クロメダカとヒメダカの交配では原則としてすべてクロメダカになるけど例外もって書きましたけど、それがまさにこの組み合わせの時の話なんです。 片親がBb(ヘテロ)の遺伝子を持つクロメダカ、もう一方がヒメダカbb(劣性ホモ)と言うペアから生まれて来る子供の遺伝子形は次の4つの可能性があります。ここで、ヒメダカの持つbbと言う2つのb遺伝子は一応別物として考えます。遺伝子としてはまったく同じものですが、ここでは組み合わせの問題を考えてますので便宜上b(右)とb(左)としておきましょう。1.Bとb(右) = Bbでクロメダカ2.Bとb(左) = Bbでクロメダカ3.bとb(右) = bbでヒメダカ4.bとb(左) = bbでヒメダカ 上記4通りの組み合わせが考えられ、そのうち2通りがクロメダカ、2通りがヒメダカと言う事ですから、このペアからはクロメダカとヒメダカが50%:50%の確立で生まれて来るって事です。つまり、クロメダカとヒメダカのペアから必ずクロメダカではないと言う事ですね。 それじゃ、黒とオレンジの斑メダカはどうなってるのさ?って話は次回にしましょう。あんまり長いと、偏頭痛起こしちゃう人がいるかもしれませんからね(笑)