阿倍仲麻呂 天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも
阿倍仲麻呂(あべのなかまろ)天あまの原ふりさけ見れば 春日かすがなる三笠の山に出いでし月かも古今和歌集 406 / 小倉百人一首 7天穹を遥か仰ぎ見れば故郷の春日の三笠の山に出ていた(のと同じ)月だなあ。註苗字の表記は「安倍」とも。遣唐使として唐に長らく滞在していた仲麻呂が、仲秋の名月を眺めながら望郷の念に堪えず詠んだ名歌。ふりさけ(振り放け)見る:はるかにふり仰ぎ見る。「振り」は「振り向く、振り返る」のそれと同じ。「さく(放く・離く)」は「間を離す、遠くを見やる」などの意味の古語動詞。* 阿倍仲麻呂とこの歌については、こちらをご参照下さい。 月ウィキメディア・コモンズ パブリック・ドメイン *画像クリックで拡大。