空の鳥を見よ イエス・キリスト 山上の垂訓 新約聖書マタイ伝福音書文語訳
この故ゆゑに我なんぢらに告ぐ、何を食くらひ、何を飲まんと生命いのちのことを思ひ煩わずらひ、何を著きんと體からだのことを思ひ煩ふな。生命いのちは糧かてにまさり、體からだは衣に勝るならずや。 空の鳥を見よ。播まかず、刈らず、倉に収めず、然るに汝なんぢらの天の父はこれを養ひたまふ。汝らは之よりも遙かに優るる者ならずや。汝らの中うちたれか思ひ煩ひて身の長たけ一尺を加へ得んや。 又なにゆゑ衣のことを思ひ煩ふや。野の百合は如何いかにして育つかを思へ。勞せず、紡がざるなり。然れど我汝らに告ぐ、榮華を極めたるソロモンだに、その服裝よそほひこの花の一つにも及しかざりき。今日ありて明日、爐ろに投げ入れらるる野の草をも、神はかく裝ひ給へば、まして汝らをや、ああ信仰うすき者よ。新約聖書 マタイ伝福音書 第6章25節─30節