伊藤左千夫 紅葉狩二荒に行くとあかときの
伊藤左千夫(いとう・さちお)紅葉狩もみぢがり 二荒ふたらに行くとあかときの汽車乗るところ人なりとよむ左千夫歌集紅葉狩りに日光へ行こうとあかつきの上野駅プラットフォームは人々でどよめいている。註二荒ふたら:栃木・日光の古名。日光二荒山(ふたらさん)神社、東照宮、輪王寺などがあり、現在主な領域が「世界遺産」。ちなみに「日光」は「二荒」の音読み「にこう」の当て字との説が有力。あかとき:「あかつき」の語源である古語。あけぼの。「朝」よりやや早い時間帯。汽車乗るところ:現・JR上野駅。私鉄の東武日光線が開通したのは昭和4年(1929)。それまでは、宇都宮でスイッチバックする国鉄(現JR)の東北線・日光線のみだった。なりとよむ:音が鳴り響く。どよめく。