坂本野原 結婚は楽園なのに墓場とか言っちゃだめでしょ洒落にならない
坂本野原結婚は楽園なのに墓場とか言っちゃだめでしょ洒落にならない*既婚者は、謙遜と自虐的ユーモアでしばしば気軽にこんなことをいうけれども、真に受けてビビる独身の若者もいるかもしれない。分別ある大人は、もうこんなことを言うのはやめよう。結婚は、神の祝福したもうエデンの園である。報じられている、若い世代の恋愛率の急減、未婚率の急増、ひいては少子化の問題は、きわめて重大な日本社会の問題と認識している。それ以前の「ひきこもり」の問題もある。これも百万人の桁(オーダー)ともいわれる。日々のニュースではそうはっきりとは言わないが、親も老齢になったり亡くなったりした「中高年ひきこもり」による最期的・破滅的・自爆的事件が頻発していることは、その気で見れば明らかである。デジタル・ツールは操作できても、人と人とのコミュニケーション能力が極度に低下している者が激増しているのだろうか。どうやら、否めない事実と思われる。上から目線と言われてしまうかも知れないが、今の若い人たちが気の毒でならない。もちろん、複合的な要因が錯綜しており、一筋縄で解決できる問題ではないと容易に分かるけれども、少しずつでも絶対に改善していかねばならないだろう。私の世代でいえば、恋愛は人生のほとんど全ての目的でさえあり、夢のように楽しかった。その結果、配偶者の人生と自分の人生お互いをリンクさせ引き受け合い、永遠(とわ)の愛を誓って結婚した。『聖書』はアダムとイヴの神話から、わが『古事記』もイザナギイザナミの結婚神話から始まる。あの巨大なる名著『万葉集』も、雄略天皇の求婚(プロポーズ)の歌から始まる。(ごく原始的な単細胞生物は別として)生きとし生けるものにオスとメスがあり、人間に男と女がいる以上、古今東西万古不易の原理である。これが揺らいでいる社会は、すぐに滅ぶとまでは言わないまでも、間違いなくおかしくなっていると言わざるを得ないのではないか。病んでいる。深く憂え、真摯に考えていくべき問題と思う。