教員用セミナー「義務教育を終えた発達障害児たち」報告
NPO法人アスペ・エルデの会という会があります。リンク関係を見ると、愛知、岐阜、三重と静岡の愛知寄り、に支部があるようです。その、東三河支部で、今日、小中教員向けのセミナーがありました。テーマは上のとおりです。中学を卒業したアスペのお子さんを持つ4人のお母さんが、体験談というか、ここまでの経緯を話してくれました。(私のメモから起こしたので、違っていたらごめんなさい)☆Aさん女子・専修学校の2年。保育園から児童相談所にかかり、小2から中3まで特殊学級に入籍。できれば養護学校以外に、という本人の希望で、いろいろ見学し、障害児も受け入れてくれる今の学校を受験し、2年からの選考は学校と協議して、向いていると思われる和服の専攻をしているそうです。本人は、今が一番楽しいらしい。☆Bくん・専修学校2年発達が遅くて小児科に通っていたけれど、結局確かな診断は5年生。特に困ることがない、ということで遅くなったそうです。学力は高くなかったけれど、市内の私立高校に推薦入学。高校を無事卒業し、専修学校に進学。診断が遅かったので、小学校が一番つらかったようです。今は好きな勉強が主なので、苦手なものも、それほど負担になってないようです。☆Cくん・高卒、社会人1年目。年少、年中と相談を続けながら、年長でアスペの診断を受けた。小学校では、本人はやる気満々だったけれど、ボーっとしていることも多く、適性学級(特殊)を勧められた。けれど、「3,4年を乗り切るのが大切」という支援で、中学まで通常学級だったようです。高校は私立で、公立より個性を尊重してくれるから。学力は低くなかったけれど、大学卒だと就職活動は自力でしなければいけない。高校ならしっかり世話をしてくれる、ということで進学しなかったそうです。☆Dくん・養護学校高等部卒、4月から社会人3歳児検診で言葉の遅れがあったのに、チェックされなくて、保育園に入園したら何もできなかったので、年中から保育士加配で対応。園から小学校への情報がよく届いていて、通常学級でほとんど問題はなかった。5年になって、周りが思春期に入ると、いじめが始まり、5,6年は毎日お母さんが学校へ行っている状態。特殊学級がなかったので、中学も通常学級で、トラブルたびに呼ばれたそうです。そのころ初めて、会を紹介され、救われた、と。学力に問題はなかったけれど、対人関係に問題があったので、将来のためには普通高校では無理、と判断し、修飾語の技術を得るために養護学校を選択。挨拶や返事、報告など、仕事に必要なことをきちんと教えてくれるので、今は楽しく働けているそうです。長々と書いたけど、今の私にとって、得た大事なことは、○働いて自立することを見据えて、進学先を選ぶ○そのためには中学に入ったら考えたほうがいい○無理に普通高校へ進学してついていけずに退学し、 翌年養護学校に転入したり、ニートのようになってしまう子が多いということでした。そして、 「3,4年の壁」「10歳の壁」。いつも私が書くように、3年生は驚くほど成長する学年です。いいことも悪いことも、2年生までとは違う。その成長のジャンプが、私は好きなのだけれど、ハヤトンはどうだったのだろう。少なくとも、学校ではトラブルも自分なりに解決したり、周りが理解してくれたり、自分の苦手なことに気づいたり、家でもいつの間にかできることだあったりと、成長はしている。けれど、私は、母親は、その一番大切な、3,4年の時間にちょうど動けなくなって、かかわれなくなって、何もしてやれなかった。しかも、離婚という問題も抱えて。今日、体験発表してくれたお母さんはみんな、子供のために必死で、どれだけの時間を費やしてきたのだろうと思うくらい。私はそこまでできない。やれない。それに、そこまでする必要も実は感じない。その場では言わなかったけど、私は仕事で得た知識から、「この子はアスペかもしれない」と思って育ててきたから。保育園や学校で「愛情不足」「かかわり不足」といわれるたびに、心の中で、それは違う、これ以上どう時間をとるのか、どうかかわればいいのか、反論してきた。どのお母さんも、診断をもらうとやっと落ち着くといわれていた。今日参加したのは、申し訳ないけれど、教員としてというより、「4年の壁」を越えられたか不安な母親として。クラス替えをして、「適性」といっていじめる子がいるそうです。でもハヤトンは「適性」の意味は分かっていなかった。(自分に関係ないので興味がない)だけど、そこに「バカにする」ニュアンスは感じるようで、差別されている、「ゲルマン民族みたい」(←なぜ?原始人の間違い??)と言ってました。まだ進級して2週間。先生も変わって、初めて一緒になった子は分からないのだと思う。今まで一緒だった子は、行動が多少変でも、テストができたり、すごい発言をしたり、を見て「よく分からんけどすごい」と認めてくれていた。多分、そうなっていくのだろうけど。でも、「適性」と言ってからかう子は、必ず親が子供にそういっていると考えて間違いないのです。「そんなことしとると適性だよ」とかいって。障害者をバカにする言い方は許せない。親までは、どうにもできないけど、聞き取ったメモと手紙を書いて、ランドセルに入れさせました。上のD君は、養護学校で、学習のレベルが低くて最初は腹を立てたそうです。でも、自分より重い障害を持つ子がいることをだんだん理解し、中学までお世話されてきた自分が逆の立場になり、世の中にいろんな人がいることが分かってきた、と言われました。体が五体満足でも、精神年齢が平均以上でも、心が成長していなければ、それは一番大きな発達障害だと思う。教室の中で、自分は関係ないのにけんかをしているのを見ると、耳を押さえたり、いたたまれなくなったりする感性を持つハヤトンが私は好きです。だからこそ、漢字とか計算とか、基本的な学力を身につければちゃんとやっていけると思うから、怒ってもけんかしてもやらせています。実はこの会に入るには、★入会金 35,000円 (検査費用15,000円を含む) ★年会費 59,000円 (NPO法人納入費5,000円を含む)★勉強会費(小中学生対象) 5,000円/回 もいるのですよ~~~そこまで出すほどのサポートがこの子にいるだろうか、と考えちゃいます。それに、障害者手帳はもらえないから、こんな金額、収入が一定以上ないと出せません。今日の体験の方は、少なくとも、ある部分ではハヤトンより障害が大きいと感じたので。そして、入会するなら、今が最後のチャンスなのだそうです。これ以上成長した後だと、もう遅い、と言うことです。とりあえず4年生の最後には、それなりに落ち着いて、自分から落ち着ける環境を求めて、先生に伝えられるようになったハヤトン。そういうスキルをこれからも、私が、自力で支えていくのは難しいのでしょうか。私には負担になるのでしょうか。それが不安、と言うより、疑問で、このごろ頭から離れません。だから、ちょっと無理して、今日の会にも行ってきたのです。でも、他人のことはやっぱり参考にしかならない、「この子をどうするか」の答えにはならない、と言うことだけしか分かりませんでした・・・・・・・