二本目 米国大統領選挙にどのような影響があるか
昨日のニュースで驚いたのは、国内においては「カンガルーが道路にいた」というものであり、国外においてはオバマ大統領の同性婚支持表明である。オバマ大統領、同性婚支持を表明 現職米大統領で初 2012.05.10 Thu posted at: 09:43 JST (CNN) オバマ米大統領は9日に放映されたABCテレビのインタビューで、同性婚を支持すると表明した。現職の米大統領が同性婚支持を表明したのは初めて。米国の国論を二分する問題をめぐり、大統領選で共和党の指名が確実になっているミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事と真っ向から対立することになる。オバマ大統領はインタビューの中で、「私は同性婚のカップルも結婚できるようにすべきだと考えている。この考えをあえて表明することは、個人的に重要だとの結論に至った」と語った。大統領はかつて同性婚に反対しており、伝統や宗教を重んじる立場への配慮から、「同性婚には慎重だった」と説明。しかし結婚の誓いを交わす同性カップルなどを目の当たりにして、考えが変わったとしている。これに先立ちバイデン副大統領も6日のNBCの番組で同性婚を支持する考えを表明。一方、ロムニー氏はCNN系列局の取材に対して9日、同性婚反対の立場を改めて表明している。調査機関ギャラップが8日に発表した世論調査では、同性婚を法律で認めるべきだとの回答が50%、認めるべきではないとする回答が48%と賛否が分かれていた。この問題をめぐっては、8日に行われたノースカロライナ州の住民投票で、同性婚を禁止する内容の州憲法が承認されている。これについてオバマ大統領は、同性愛者に対する差別に当たるとして「失望」を表明したという。大統領のインタビューは10日朝のABCの番組で放映予定。9日夜の番組では抜粋部分が放送された。以上CNN HPより引用同性婚に関して私はこのニュースを見、少しだけ調べる以前は、「キリスト教会」は反対の立場をとっているものと考えていた。よって最初にこのニュース報道を見た瞬間、オバマ再選確実と私が見ていた情勢に大きな変化が訪れたのではないかと感じた。何しろ、相手のロムニー氏はキリスト教会がキリスト教徒は認めない「モルモン教徒」だからである。そうなれば、キリスト教会という大票田をオバマ大統領はみすみす手放す決断を下のではないかと感じたからである。だが、米国において、プロテスタントにおいては、そうでもないようである。2009年5月4日米二大プロテスタント宗派-同性婚の牧師を公認か キリスト教会として同性愛にどう対応するかという長年の論争を経て、米国の二つの主流プロテスタント宗派が、長期間、一人の同性パートナーとだけ関係している牧師を地域の教会に受け入れることを検討している。 長老派総会-支部の過半数で決定ルーテル教会-8月総会で提案へ英国国教会伝統派「聖書と相いれない」 信者五百万人を擁するルター派最大のアメリカ福音ルーテル教会(ELCA)の幹部会は、このほど、今年八月に開かれる全国総会にこうした提案を行うことを決めた。総会で多数の支持を得れば、この方針が正式に認められる。 また、二百三十万人の信者を持つ長老派教会は昨年、総会で同様の提案を了承。正式に教会の方針となるには、百七十三カ所の支部の過半数が、六月までに承認しなければならない。 こうした変革が快く受け入れられるかどうかは不透明だが、この動きは、同性愛に対する社会の見方の変化を反映すると同時に、旧来の考え方は崩れつつあるが、新しい合意もすぐにはまとまりそうにないという認識とも一致している。教会は、意見の相違に何とか折り合いをつけ、宗派の分裂を避けようと懸命だ。 提案をまとめた、ELCA作業部会のピーター・ストロメン師は「同性愛を神学的にどう解釈するかについて、教会内の態度が変化したことは間違いない。篤実な信徒は、聖書と伝統に対する解釈を改め、これまでとは違った結論に至りつつある。十五年前には想像できなかったことだ」と指摘する。 一般社会が、市民的結合や同性間結婚をめぐる議論を深める中で、ユナイテッド・チャーチ・オブ・クライストなど、幾つかの宗派は、同性愛者の結合や幹部聖職者への就任を支援する方向にかじを切った。だが、多くの宗派は、内部論争に揺れ、その結果、信者の教会離れを引き起こしている。 英国国教会は、二〇〇三年に同性愛者の主教を認めたことから、伝統を重視する人々の離反を招いた。伝統派は「同性愛は聖書とは相いれない」と主張して新たな組織を米国で結成している。 ELCAと長老派教会は既に、同性愛志向の者が聖職者になることまでは容認しているが、それでも聖職者は“独身”でなければならない。だが、〇七年のELCA総会では、多くの聖職者が公然とパートナーを紹介し、反旗を翻した。 ELCA作業部会の提案はまた、合意に至らない場合でも、他の信者の良心を尊重することが神学的に正しく、「礼儀正しさと愛をもって生きるよう」促した。これについて、ストロメン師は「人々が異なった信条を持つのは、それぞれもっともな理由がある」と語る。 一方で、教会が同性愛者を完全に受け入れるよう求めてきた人々には、満足と失望が相半ばしている。 ELCAの急進的グループのエミリー・イーストウッド氏は「同性愛の牧師への差別的取り扱いを削除する提案が総会に提出されるのは初めてであり、正義と平等への大きな前進だ」と評価しながらも、作業部会が同性愛結婚の祝福儀式を是認しなかった点を、「同性愛カップルの結婚儀式を執り行うことなしに、パートナーへの貞節を維持することはできない」と批判する。 今のところ長老派教会員の間では、パートナーのいる聖職者を許容するという提案の承認は難航気味だ。これまで、百七十三の支部のうち百十四カ所で投票が行われ、七十三が反対を表明した。ただし、以前は同性愛の聖職者に反対していた十九支部が、今回は賛成に転じている。 長老派教会では、結婚と同等に扱わない限りにおいて、同性愛カップルの結合を祝福してもよい。同派は最近、キリスト教における同性愛の位置付けを検討する委員会を設置し、二〇一〇年までに結論を取りまとめるという。(米紙「クリスチャン・サイエンス・モニター」特約)米国大統領選挙を考えるにおいて、「教会」の存在を無視するわけにはいかない。軽視するような論調がわが国では見られるが、各候補は教会に対して「誓約書」にサインしているのが現状である。つまりは神との契約を結ぶということであり、まさに「トラスト・ミー」なのである。「同性婚」は「人工中絶」と並び、教会として最低限の保証を求めている。私は、そのように考えていたのだが、米国の世論は大きく変化しているというよりも教会そのものもまた変質していたことに驚いている。クリスチャン・サイエンス・モニターの記事から見えてくるのは、これらの宗派を手に入れることができる手段でもあることが見えてくる。私のようなキリスト教にはほとんど知識のないものにとっては、「奇異」な感じがするが、現状は現状として捉えておくべきであろう。とくに世論調査にも見えてくるように「若者票」の獲得が、オバマ大統領の再選の条件であっただけに、これらの層を巻き込む新たな選挙戦術として、巧みに使おうとしているのであろう。私は、この発言がどの程度今後波紋を呼ぶかはわからないが、注視しておくべき点であろう。反オバマを鮮明にしているティーパーティにとっては攻撃材料が増えたものとも思えるが。「若者票」に関しては「ロシアの声」が伝える以下の記事を参考にしたものである。オバマ大統領 同性結婚支持を表明10.05.2012, 15:51 米国のバラク・オバマ大統領は、ABCテレビのインタビューで、同性婚を支持すると表明した。オバマ大統領は、同性婚支持の立場は個人的な見解であることを強調し、同性婚を承認するか否かは米国各州政府が独自に決定を下すべきだと以前より考えていると発言した。 政治学者らは、オバマ大統領の同性婚支持表明は、今年の大統領選挙において若い有権者の支持を集める可能性があるが、保守的な意見を持つ同大統領の支持者を失望させるだろうと語っている。以上ロシアの声より抜粋引用文責 上田 和哉