民主党アフガン対案を笑う
昨日アフガンに対する支援策骨子が発表されたようであるが、一読して思わず笑ってしまった。これでは、湾岸戦争時の社会党案と同じではないだろうか。自衛隊員を文民として派遣するといった発想がどこから湧き出てくるのか理解不能である。軍人は軍服を着用することによって初めて捕虜となる権利を得るのである。文民として派遣されることは、軍人の名誉を露ほども理解していない、国際常識を理解しない空想論者のたわごとである。このような案は、湾岸戦争時の社会党から提案された記憶があるが、そこから何を学んだのだろうか。いまだにこのような発想をなさる国会議員が存在したとはとても残念なことである。民主党は、この案を提出するならば、誰が提案したのかを明らかにする必要があるであろう。その方たちには次回の選挙で落選していただかなければ、国際常識がわからない日本というレッテルが貼られるだろう。やはりNCに社会党を引きずる人物を据えた事は大きな誤りであろう。捕虜になることは、国際法上軍人のみに与えられた権利であり、名誉でもあるのである。このことくらいは知っておくべきだろう。その権利は軍服を着用しない限り生じないのである。また文民が軍人を殺害することも違法であり、軍法会議において処刑されてもやむをえないのである。従って南京事件に対して便衣兵は捕虜になる資格がなく、ゲリラとして処分されてもやむをえなかったのである。また国連に常設の平和維持部隊を創設することにわが国が中心となろうとするならば、今回なぜ陸上部隊を派遣しないのか。そのような国家の提案にどこの国が真剣に対応してくれると考えるだろう。自らは傷つく覚悟なきところに他国が信用を置けるはずはないではないか。その証明として米国が世界中で最も嫌われる国ではあるが、有事には最も期待されている国家であることを述べればそれで十分だろう。さらには、停戦合意やアフガン人が被害に逢っていないことをいかに調査するつもりなのか、そしてそれを誰が証明するのかまったく不明である。小泉元首相が語ったように「私に聞かれても困る」という返答しかできないのではなかろうか。つまるとこころ民主党は、しばらくはアフガンに対して何もしないと言っているのに等しい案である。これで国際社会に対して今後発言力を強めていくつもりなのだから冗談にしてもあまりにひどい話である。小沢一郎代表が辞意を撤回したその日に発表するというタイミングは、さすがにこれが大きく取り上げられることに対しての良心の痛みからきているものだと私は好意的に考え、まあそのあたりは謙虚さが見受けられることに対してのみ評価する。このような国際関係を無視したような政策を臆面もなく発表できる政党だからこそ、小沢代表は選挙に勝てない、政策立案能力に欠けると表現したのではないだろうか。ここはやはり自民党と政策協議を繰り返しながら(大連立は否定せず白紙として)より国際常識、わが国の財政状況を与党として見つめなおすことが、この党には本当に必要なのではないか。改めて小沢代表の言葉に国民も民主党員も耳を傾けるべきであろう。多くのマスコミはわが国に二大政党をと訴えかけているが(その点を捉えて小沢一郎を非難する)、民主党にもっと大人になってもらうことこそが真の二大政党への近道である。舛添大臣の言ったように「国民にとってもこの構想が潰えることは不幸なのだ」という認識は国民一人一人が持つ必要があるだろうと私は考える。最後に今回小沢代表が再び党首を続投することになったが、いかにしてこのおこちゃま政党から成熟した政党に脱皮させることができるか。手腕が問われる。まさに正念場である。私は、今回の小沢氏の行動が国家を憂う気持ちから発せられたことを評価するとともに、民主党が打算からではなく、変化する機会と捉えるならば、支持しなおすこともやぶさかではないものの、現状では不合格である。今後の動きに注目するのみである。