ホットそばケーキ
「'09.07.03」先日、台所の引出しで偶然見つけたそば粉の賞味期限は、去年の七月でした。むぅ…。そういえばいつか、よし!そばでも打ってみよう、という気分になって買ったような気がする。すっかりやっぱりてっきり忘れてた。。さてどうするか。賞味期限を半年も過ぎているとはいえ、腐っているということはないでしょう。粉だし。捨てるのももったいないし、食べても問題ないハズ。粉だし。ではどのように食するか。さすがにそばを打つには古い気がするし、今更再チャレンジというのも、なんかみっともない。じゃ、小麦粉と混ぜてお好み焼きにしてみるか。混ぜてしまえばそんなに変わらないのでは。粉だし。おぉ、なかなかいいグッドアイデア!と思った矢先、いやいやどうせなら、とばかりに頭に浮かんだのが、「お好み焼きがアリなら、ホットケーキもアリじゃね?」という天の声でした。なるほど。確かにそば粉入りのお好み焼きなら過去に誰かが試しているはず。ほんまかいな。いや、お好み焼きはともかく、そば粉+小麦粉のならば、どっかの郷土料理にありそうな気がする。そんなのも知らなかったの~?とばかりにありそうな気がする。フフフ。ならば当然、誰もやったことがない(ハズ)方に挑戦するのが人情てもんでしょう。オトコってもんでしょう。「漢」と書いてオトコってもんでしょう。というわけで、スーパーでホットケーキの粉を買ってきて、台所という戦場へ、未知との戦いに出発したのでした。ところで見知らぬ強豪との対決ですから、作戦を考えないといけません。まずは二種類の粉、つまりそば粉とホットケーキ粉を、どの割合で混ぜるのが最適なのか。そば8にホットケーキ2なのか、その逆か。7対3か6対4か。なんかもう、考えてもどうしようもないので半分づつ、つまり5対5にしました。やっぱここはもう漢の料理ですから、バッサリとド真ん中でいきましょう。では具をどうするか。これは、そもそもホットケーキに具はないし、なるべく素のままを食べてみたい、ということで、何も入れないことにしました。ただし、単に水でといて焼く、というのもあまりに芸がないので、次のパターンを考えました。1.単に水でとく:素の味わいはどうか2.水+玉子:玉子の参戦により何が変わるか3.玉子+牛乳:ホットケーキの新たなバリエーションの発見というわけで、いろいろ前置きが長くなりましたが、できました。本邦初公開(たぶん)、ホットそばケーキです。なんとなくそばに敬意を表し、わさび醤油を用意しました。さて、さてさて、どんな味なんだ?まずは何も付けずにそのまま、パク。ん…?この味は…。モグモグ。食べたことがある。。・・・あ、そうか。饅頭の生地の味だ!あのアンコの周りにある、パンのようなアレです。なるほど、なんとなく納得。モグモグ。まぁ、納得はいいのですが、饅頭のアンコの周りのアレを食べ続けるのはですね、けっこう飽きます。わさび醤油でごまかしつつ(けっこうイケた)一枚目終了。次は卵でといたもの。果たして味はどう変わっているのであろうか?結論から言うと、ほとんど変わってませんでした。モグモグ。。わさび醤油も徐々にその威力を失い、食べる速度と気力がかなり盛り下がってきたので、冷蔵庫にあった黒酢もずくと一緒にようやく完食。うむぅ。。なんだかもう、ここでヤメにしたかったのですが、目分量なので多めに水+玉子のパターンを作ってしまっていたのです。もう一枚食べなければ。なので、3.玉子+牛乳は明日に延期。その3枚目、このままでは決して胃に収まらないと判断し、これまた冷蔵庫に残ってた揚げ玉を乗せることにしました。少しは食感も変わって何とかなるのでは。。だがしかし、世の中そう甘くはありません。たこ焼きやお好み焼きを1ランク上に押し上げ、かけそばをたぬきそばという別の料理に昇華させる揚げ玉をもってしても、ホットそばケーキの牙城は崩せませんでした。味も存在感もすっかり手なずけられ、吸収されて、むしろ敵にまわってしまったかんじ。ぐぬぅ。。アンコの入ってない饅頭を食べ続けるのがこんなにもツライとは。。半分まできてもはや居ても立ってもいられず、何か味を変えるものはねが~、とナマハゲばりに冷蔵庫をあさり、ウスターソースとマヨネーズ、そしてマリーシャープスという超強力辛口ハバネロソースを味方に引き入れ、ようやく戦いは終了。久しぶりに戦いの哀しさ、虚しさを感じた浮間の寒い夜でした。だがしかし。そば粉+ホットケーキ粉は、まだ二枚分くらい残っているのです。玉子+牛乳でどうにかなるのだろうか。否、ならない(反語)。この虚しい戦いをまだ続けねばならないのか。。それが人間なんだよ。なんのこっちゃ。あぁ、なんだかまだ胃がもたれてる。。