適正なドメインの設定
ドメインとは、事業活動を行う領域。我々司法書士は、司法書士法という法律によって事業活動を行う領域は公的に規定されており、業務の内容が制限されている。とは言え、司法書士法3条に規定する国民の権利保全のための業務をすべてこなしている司法書士事務所は少ないでしょう。不動産登記業務に特化している事務所もあれば、債務整理、訴訟業務に特化している事務所もある。業務が公共性を有する一方で、我々は、自前で事務所経営をしていかなければ生活できない。公務員ではないからである。士業と呼ばれる職種に共通する問題である。常に法律家としての倫理と経営のための利益をどう生み出すかという問題はこの仕事の宿命として付き従ってくる。「誰に、どうやって、どのような法的サービスを提供するか」同じ司法書士といっても様々であろう。経営の理論によると、ドメインは分散化させてはいけない、また過度に集中化させてはいけないと言われる。そして、私のような新規参入者は、この市場における弱者として出発せざるをえないし、その自覚も必要であろう。聞くところによると、新人で開業した多くの司法書士は、ほとんど債務整理業務を中心にやらざるを得ないとも聞く。弱者は、局地戦と一点集中主義、接近戦で勝負するしかない面も確かにある。ドメインの設定のポイントは、顧客・技術・機能だと言う人もいる。私にとって技術とは、「業務に関する法令と実務に精通すること」、「顧客である依頼者の法的ニーズに適法に首尾よく迅速正確にこたえること」であることは間違いない。抽象的な話になってしまったが、経営戦略も大切にしたいと思う。