『図説・ローマ教皇』鈴木宣明(河出書房新社)
この本は2001年に発行されました。著者は1929年生まれのイエズス会司祭の方です。手元の産経新聞の見出しに「ローマ法王死去、冷戦終結に貢献、宗教和解、在位26年 84歳」とあります。言うまでもなく、前ローマ法王ヨハネ・パウロ2世が永眠された記事です。ところで、メディアでは「ローマ法王」と呼ばれていますが、今回読んだ本のタイトルは「ローマ教皇」です。2つの呼び方についてウィキペディアで調べたので、それを引用します。-----引用開始-----ローマ教皇(ローマきょうこう、羅 De Romano Pontifice、英Pope、伊Papa)は、キリスト教の一大教派であるローマ・カトリック教会の最高位聖職者であり、政治的にはバチカン市国の元首である。日本のマスメディアではローマ法王と呼ばれているが、これは俗称であるため、カトリック中央協議会では呼び方をローマ教皇に統一しようとしているが、いまだに実現していない。現在の教皇は、ベネディクト16世(在位 : 2005年4月19日 - )。-----引用終了-----これを読むと、カトリック中央協議会では「ローマ教皇」に統一したい考えですが、メディアは「ローマ法王」と呼んでいるとのことです。あくまでも私個人の漢字から受ける印象ですが、「法王」というと世俗的な雰囲気があり、「教皇」のほうが超俗的な感じがします。したがって、「教皇」と呼びたいというカトリック中央協議会の考えに与したいと思います。だからといって、教皇と呼ぶ会を組織しての運動はしませんが(笑)。以下に、【この本からの引用】と【上記の感想】という形で、少々書いてみます。【この本からの引用】教皇は「私は平和の巡礼者としてみなさまへの友情へと尊敬のメッセージをもってこの日本に来ました」と挨拶した。【上記の感想】これは1981年に来日された前教皇ヨハネ・パウロ2世の挨拶です。ヨハネ・パウロ2世の在位は1978年10月16日から- 2005年4月2日ですので、26年間に及びます。あまりにも長期間に及んだためか、ローマ教皇というと平和の巡礼者として、各地を訪問するイメージがあります。現教皇ベネディクト16世については、まだよくわかりませんが、歳月を経るのにともない、イメージができてくるのでしょうね。【この本からの引用】殉教者にせよ証聖者にせよ、福者にせよ聖人にせよ、共通する一つのことは神の偉大な奉仕者男女がひとしく神の民によって公に崇敬されたことである。【上記の感想】カトリックでいう聖人は「公認の称号」ですが、「福者」も称号のようです。次に、ウィキペディアから引用します。-----引用開始-----福者(ふくしゃ Beatus)は、カトリック教会において、死後その徳と聖性を認められた信徒に与えられる称号。この称号を受けることを列福という。その後、さらに列聖調査がおこなわれて聖人に列せられることもある。-----引用終了-----「聖人」と「福者」の違いまでは調べる気がしないので、福者の代表的な人物を挙げるに止めます。マザー・テレサが福者の一人で、ヨハネ・パウロ2世により列福されたそうです。【この本からの引用】使徒聖ペトロから現教皇ヨハネス・パウルス2世へ至るローマ教皇史は、数えて264代である。【上記の感想】初代教皇はペトロで紀元67年頃まで在位とされています。そして、現教皇のベネディクト16世は265代になります。およそ2000年にわたり、連綿と続いているわけですね。なお、ベネディクト16世以前の最近の教皇を挙げると、次のようになります。教皇ピウス11世(1922-1939) 教皇ピウス12世(1939-1958) 教皇ヨハネ23世(1958-1963) 教皇パウロ6世(1963-1978) 教皇ヨハネ・パウロ1世(1978) 教皇ヨハネ・パウロ2世(1978-2005)これを見ると、ヨハネ・パウロ2世の在位期間が最も長いことがわかります。