週刊 マンガ便 野田サトル「ゴールデン・カムイ(5)」(集英社)
野田サトル「ゴールデン・カムイ(5)」(集英社) 第5巻です。 表紙の人物は谷垣源次郎一等卒です。秋田のマタギの出身。日露戦争に従軍し、第七師団、鶴見中尉の部下だった男ですが、「不死身の杉元」を追跡する中で負傷し、アシリパちゃんの村で、おバーちゃんに看病してもらい、軍を捨ててしまいます。 第5巻は、ちょうど村の生活になじんできて、「マタギ」の暮らしに戻る谷垣のもとに、第七師団の追手がやってくる展開です。 谷垣の所持する武器がこれです。大日本帝国陸軍初の制式銃である村田銃ですね。第3巻、第4巻で登場した、網走監獄を脱獄した刺青の「悪夢の熊撃ち」二瓶鉄造が持っていた銃ですが連射できないところが特徴です。谷垣は、この巻ではまだ使っていません。 話が進むにしたがって、おバーちゃんに依頼され、主人公アシリパちゃんを護衛するという重要な役どころを担う登場人物です。 というわけで、今回の「今日の料理・アイヌ・北海道編」です。「北海道編」と追記しているのは、料理がだんだん「アイヌ」の民俗では説明しきれないものを含みはじめたからです。 「ニシン漬け」ですね。身欠きニシンとキャベツ、大根、ニンジンをこめ麹で発酵させた、発酵食品です。これなんかは,まあ、よくわかっているわけではありませんが「アイヌ」の食品とは言えないんじゃないかと思いますね。 今回も、カンドーの動物が登場しました。 「レプン・カムイ」、「沖にいる神」という意味だそうですが、「シャチ(鯱)」ですね。 「シャチ」の皮下脂肪を煎って油を作っていますね。さて、この油で作る料理といえば、揚げ物ですね。 「鯱の竜田揚げ」です。醤油で下味をつけて、粉をまぶして揚げています。うまいでしょうねえ。でも、これは食材以外は普通の料理ですね。漫画家さんが好きなものを描いている気がしますね。もう一つ、旨そうなものを揚げています。 「子持ち昆布の串揚げ」です。いいですねえ(笑)。 昆布にニシンが卵を産みつけたものが「子持ち昆布」ですね。魚卵付き生昆布を串揚げにしています。ちょっと食べてみたいですね。 これは海辺の幸のお料理でしたが、川の幸のお料理もあります。 これもカンドーの動物ですね。幻の巨大魚、イトウです。実際に2メートルを超えるイトウが捕獲された記録もあるらしいのですが、鮭の仲間のようです。「イワンオンネチェプカムイ」というそうです。 そのイトウに咥えられたアホの白石君は今や絶体絶命ですが、新たな登場人物、アシリパちゃんのおとーさんのお友達、キロランケに助けられて事なきを得ました。 アイヌの生活では「イトウ」は、その皮が「チェプウル(魚皮衣)」という服の生地に使われたり、靴や小刀の鞘、膠(にかわ)がわりの接着剤にまで使われるらしい。しかし、ここではお料理です。「あ刺身」でした。最近「トロ・サーモン」とか呼ばれてはやっているあのお刺身ののような感じでしょうか。。マンガでは「ヒンナ、ヒンナ」を連発して、やはり目玉を、しゃぶって食べています。茹でダコの味だそうです。 だんだん、お料理教室のネタが減ってきましたが、この先どうなるのでしょうね。では第6巻もお楽しみに。追記2020・03・01「ゴールデン・カムイ」(第1巻)・(第4巻)の感想はこちらからどうぞ。ボタン押してね!ボタン押してね!