田中英道著「日本国史」上巻・下巻
先日買った、田中英道先生の著書。とにかく読みやすくてわかりやすい内容です。今日上巻を読み終わりました。そこで私が初めて知った史実。日本の歴史上始めて外敵が襲来したのは『刀伊の入寇』寛仁三年(1019年)元寇は1度目が文永十一年(1274年)、二度目が弘安四年(1281年)元寇の二百年以上前に外敵が襲来してたことに驚きました。ツングース系遊牧民・女真族が、50隻の師団で対馬・壱岐を襲い、家屋を焼き、島民を殺し拉致。壱岐の島守・藤原理忠が仰襲したが全滅し、女真族は北九州に侵攻。これを太宰権帥・薩摩降家が応戦。博多への上陸を食い止め、朝鮮の高麗の領地まで追い返す。この時活躍したのは、関東・東北からやってきた武士たちで、藤原氏という貴族の指導で戦い、外敵を追い出したそうです。田中先生はこのことについて、以下のように解説。「ここから貴族と武士が結び付き、あるいは貴族が武家化し、 土地争いだけでなく、外敵の侵入を拒むだけの戦力として 育って行ったことがわかります。」東大文学部仏文科美術史学科卒の先生だけあって、時代ごとの日本の美術品や文学作品にも触れ、日本の美術品とキリスト教絵画との共通点に触れたり、その時代に生きた人の立場での歴史分析で、新たな日本の歴史の再発見ができる本です。