それぞれの国の文化・伝統を大事にするために、お金を使ってほしい…
「閉ざされた〈戦後空間〉を開く 形象の国・日本を解き放つ」 田中英道×岡島実共著 ミネルヴァ書房毎日少しずつ読んでいるところです。読み進むたびに、田中英道先生の物事の本質を見抜く力のすばらしさと、起きた出来事から「心を読み解く」能力の高さに感動してます。それと共に私たち現代人が、いかに物事を表面的にしかとらえてないかに気が付き、反省しながら学んでいるところです。先生は日本の「泰氏」の研究をされてて、彼らがなぜ日本に同化できたかについて、今日読んだ個所に書かれていました。彼らユダヤ人はお金をたくさん持っていました。神社仏閣にお金を出し、立派な建築物を作り、それまで自然の物だけを崇拝してきた日本人が、建物によって形式化されたことで日本の信仰が守られ、信仰が続いてる…そして伝統も守られてきたという趣旨のことが書かれてました。つまり伝統の場所を作ることで、形式的にでもそこを礼拝する習慣が残る。そういうことに泰氏がお金を出したことで、泰氏(ユダヤ人)は住民と調和していたと。その例えとして、昔の人にとって土地に1番近くて、最高の山と拝んでいた三輪山に大神神社を作ることで、そこに宮司さんがいることで信仰が続いてる、もし山など考える必要がないとなると、その信仰は途絶えてしまう。仏教が出てきて、山など関係ないと言い出したが、大神神社を造って宣伝したことで信仰が守られたと。その大神神社が来年の「神社カレンダー2月」に、載っていました。ちょっと面白い偶然だな~と思いました。そして田中英道先生は、次のようにも本の中で述べてます。ですからディアスポラのユダヤ人が、「悪いことや戦争やテロにお金を注ぐのでなく、 そこの国民のために、そこの土地の領主と結びついて、 祭りや文化のために金を出すことで、 自らの名声も上がり、 自らも儲かるのが喜びであるべきです。」日本の伝統・文化、信仰を守るために、日本にやってきたユダヤ人たちがお金を出してくれたことを、私たち日本人は知るべきだと思います。そして先生の話されてることは、ユダヤ人に限ったことではありません。お金をたくさん持っている人たちは、戦いで人々の心が暗くなることにお金を出すのでなく、それぞれの国の人たちの思いを尊重し、文化や伝統を守るためにお金を出せば、互いに平和に穏やかに暮らせる…今だからこそ、必要なメッセージだと感じました。