婚姻届~結婚報告シリーズその4~
式の当日,婚姻届の「証人」の欄にお互いの父親に書いてもらった。 私の母は「昔はこげんとなかったごたるきのするばってん。」(訳:昔はこんなのなかったような気がするけど。)と言っていたが,婚姻届の様式や記載事項も年年歳歳なのだろう。 明ける月曜日,市役所に婚姻届を出しに行った。 本籍地は僕の実家に指定した。 職場内の手続き上,婚姻後の戸籍謄本(今はデータが電子化されて「戸籍事項全部証明書」とかなんとか言うらしい。)が必要だったけど,受理した婚姻届をその本籍地の役所に郵送するので,取り寄せにしてもしばらく時間がかかるとのこと。 このオンラインのご時世に郵送ですか! 戸籍は電子化されてるのに,異なる役所同士ではデータのやり取りができないのかい!いったい何のための電子化ですか!? そのあとヨメさんの銀行やら免許やらの指名変更手続に一日付き合ったけど,日本人ってよっぽど「紙」と「印鑑」が好きなんだな,と妙に感心してしまいました。 銀行も役所も,パソコンがあるのは奥で小難しそうな顔をしてるおじさんのとこばっかで,窓口のお姉さんとこには一台もないどころか,手書きの申請書を手書きで一生懸命処理しているのだから,この国にはきっと「紙」と「印鑑」に対する「信仰」みたいなものがあるんじゃないのか,なんてことを待ち時間にぼけーっとそんなくだらないことを考えてしまいました。 婚姻届を出したことで,ヨメさんの姓が僕の姓に変わりました。 これを法律上,「婚姻」といいます。 法律上・書面上の結婚ですね。 とすると,結婚式というのは,社会的・宗教的な結婚,となるのですかね。 結婚しても,僕の生活は変わることはなく,朝一人で起きて,行ってきますも言わず仕事に行って,夜になるとただいまも言わず暗い部屋に帰って,一人で御飯食べて,電話で一日の出来事を話して,そのあとお風呂にお湯をためて,一人で寝るだけ。 変化といえば,左手の薬指に指輪をはめていることと,内祝いの相談とか正月の挨拶やらの相談をすることくらい。 ヨメさんの方は「改姓」という大きな変化があって,(いろいろ手続がめんどくさそうではあるが)それなりに「結婚の実感」というものを感じているかもしれないが,僕はいま一つまだピンと来ていないというか,社会的・法律的な結婚という手続は確かにしましたよ,はい,というものはあっても,「結婚」の中身というか,そういうものについての実感はまだなんとなくぼんやりしている。 それは今の日常の中で「独身生活」から「結婚生活」への変化というものがないせいだ,ということはわかっているのだけど。 それはわかった上での結婚だったのだけど,やっぱり一緒に生活するということが,結婚とか,家族とか,そういうことの基本なんじゃないか,と思う今日このごろ。 ずいぶんとりとめもない話になってしまいました。 今夜はミケランジェリのドビュッシーを聴いています。 寒い夜には,ミケランジェリの演奏する非現実的に美しい「前奏曲集第1巻」が聴きたくなります。 ヨメさんは僕が披露宴で使った「子供の領分」の「グリウォッグのケークウォーク」が気に入ったらしく,たまに口ずさみますが,いつもリズムがどことなくおかしいです。ふふ。 ⇒新婚旅行編につづく!