泥棒かささぎ
電話がかかってきたとき、最初は無視してしまおうかとおもった。 なぜなら、クラウディオ・アバドはロンドン交響楽団を音楽的頂点に導こうとしているときだったし、スパゲッティーはアルデンテに茹で上がる直前だったから… ご存知村上春樹、「ねじまき鳥クロニクル」の冒頭シーンです。 とってもご機嫌なイタリアの楽しい序曲だけど、 「泥棒かささぎ」ってなんだ?? 「ドロボウカササギ」。 「どろぼうかささぎ」、 「泥棒かささぎ」! なんだかこの曲を象徴しているような、無条件に楽しく、しかし不思議な響きのネーミングですね。 村上春樹の長編小説は、この曲を合図に混沌とした世界へと向かっていきます。