「千円からお預かりいたします。」
「千円 から お預かりいたします。」「○○でよろしかったでしょうか」と並んで、レストランなどで接客に用いられる、奇妙な敬語『マニュアル敬語』の代表格として、「~から」という言い方がテレビでやり玉に挙げられていました。クローズアップ現代/あなたの敬語は大丈夫?~新しい指針の背景~(NO.2377、3月1日放送)NHK日本語の権威とされる先生方が取材を受けて、次のように考察していました...最近は、「~みたいな」のように言葉をにごして、断定を避ける傾向がある。「千円を預かる」時にも、敬語の使い方に自信のない人が、遠まわしな言い方をすることによって、自分なりに丁寧さを表そうとしているのではないか。あの井上ひさし氏ですら、当世の敬語の在り方に理解を示そうとしつつも、だけどなぜ「~から」になるのか分からない…と唸っていました。私がこの「~から」の用法を初めて聞いたのは、十年よりもっと前のことだった気がします。700円の品物をレジに置いて、千円札を差し出すと「千円からのお預かり」と店員が受け取ります。聞き慣れない表現でしたが、戸惑うことはありませんでした。 こんなふうに解釈したのです...1,000円 から 代金の700円を差し引いた残額300円をお釣りとして返すにあたって、一旦この千円札を預かります。これを縮めると、「千円からお預かりいたします。」言外に「返すべき釣銭がありますね」という、客に対する確認があるように思えたのです。と同時に、「お客様 から 余分な金銭をお預かりする」というニュアンスもある気がします。これだけの情報量を「から」の二文字で代弁するのだから、実にスマートではないですか。てっきり、そのつもりでこの「~から」を聞いてましたし、こちらから使うこともあるくらいです。「すみません。小銭がないんで、一万円(札)からでいい ですか?」これまでのところ、この解釈で不都合はなく、「~から」の意味を疑ったことはありませんでした。ところがテレビの中では、各界の権威が口を揃えて「まったく理解できない」と首を傾げているのです。全国のファミリーレストラン、およびファストフード店でレジに立っているみなさん、お疲れ様です!「~から」の意味は、この解釈で当たってるでしょうか?今日の話にまったく関係ありませんが、このビルディングは...アエル(AER.COPORATION)【 ピンクの象の回顧展 】去年の2月、デノミが行われた直後のモザンビークではまだ旧通貨が流通していました。スパゲティ一皿が、17万8千メティカル(約800円)…ゼロを数えるのが大変です... モザンビークのコイン「20万メティカル から でいいですか?」