レビュー#305 SILLY SISTERS 《NO MORE TO THE DANCE》 88年英国
What Will We Do?The Barring Of The Door (Scotland)Blood And Gold (Andy Irvine/Jane Cassidy)/Mohacs (Dan Ar Braz)Cakes And Ale (Henry Purcell)Agincourt Carol/La Route Au Beziers (Dan Ar Braz)How Shall I Your True Love Know? (From Hamlet)Hedger And DitcherThe Old MinerAlmost Every Circumstance (Colm Sands)Fine Horseman (Lal Waterson)Rosie AndersonSomewhere Along The Road (Rick Kemp) Maddy PriorvoJune TaborvoDan Ar BrazgHuw Warrenkey, pPatsy Seddoncamac electro-harp, clarsachJim SutherlandperRick KempbAndrew CronshawChinese flute, whistle, bombarde, concertinaPaul Jamessoprano sax, half long bagpipesNigel Eatonhurdy gurdyBernard O’NeillcelloMark EmersonviolinMary MacMasterclarsach 12年ぶりのデュオ作品。 風貌だけ見るとマディ・プライアは若干年取った感じで、ジューン・テイバーは逆に若返った感じ。 といっても2人は同じ年齢だし、肝心の声は四十路にしては充分に若々しいのだけど。 基本的につやあり高音域パートをマディさんが、つや消し低音域パートをジューンさんが担当しているのはかわらず。でも音程に思いっきり開きがあるわけではないです。 お2人とも歌で勝負の人だからアカペラが多いです。 民謡には、「メアリー・デラニーの歌から」「メアリー・アン・カロランの歌から」「ミッドランズのロイ・パーマーの歌本より」と出自が。 バックのサポート陣に目をやると、マディさんのバンド仲間やジューンさんのソロによく参加している人たち、女性ハープ奏者などなど多数参加しております。 中でもプロデューサーとエンジニアも兼任しているマルチ奏者アンドリュー・クロンショウと、8曲でギターを弾き曲作りにもタッチしているダン・アー・ブラスの活躍には注目。 ブルターニュ出身のケルト人、ダンの弾く魂こもったギターに揺り動かされるんですよ。 トラッド、クラシック曲、カバーといろいろやってるけど、中でも良かったのがラル・ウォーターソン作の10。 民謡シンギング・ファミリーとして高名なウォーターソン家ですが、一方で素晴らしいソングライターでもあるのですね。 偶然にもこの曲、2号前にレビューしたアン・ブリッグスも取り上げていますな。 気品ある音色の楽器と見事に混ざり合う2人のハーモニーがとんでもなく美しい作品です。