インタビュー調査
今年度末に提出予定の卒論に使うために、3月中旬から聴き取り調査を始めた。今までに実施したのは計7名(パキスタン人×3、インド人、マレーシア人、ブリティッシュ・パキスタン人、ブリティッシュ・バングラデッシュ人)で、今後おそらくプラスして10~15名にインタビューするつもりである。ベルリンでのフィールド・ワークで集団インタビュー(?)は経験したが、単独インタビューは生まれて初めてで(街頭インタはしたが)、1対1の空間には独特の緊張感が漂う。これまでの対象者は皆顔見知りで堅苦しさはないのだが、それでもカメラを向ける(マイクを差し出す)ことは人の雰囲気そのものを変える。話す方も当然疲れるのだろうが、聞いている方は聞いている方でそれなりに消耗させられる。先週の土曜日に、「人種差別とイスラーム」というようなテーマでムスリムの集会があったので参加してきた。その中のスピーカーの一人で、マルコムXについて話していたアフリカン・カリビアン系の改宗ムスリムを集会後に捕まえ、インタビューの約束をこぎつけた。何度か電話でやり取りをし、今週の日曜日に会ってくれることになった。直接の知り合いでない人に対してのインタビューは初めてである。何だか、不安と期待半々といったような新入生の気分か。もともと言語のハンディがある上に、内容もセンシティブなものなので、イギリスに来るまで(というより、つい最近まで)は、このような形で聴き取り調査ができるとは正直思っていなかった(考えていなかったわけではないが)。使えるものが撮れているかは別にしても、このような経験は今後に大きく生きてくると思う。thinkerはthinkerで構わないが、doerにならなければそれは結局考えていないことと同じではないか、と昔誰かに言われたことを思い出す。一かゼロかの議論になるが、結局踏み出してみるということが最も肝心なのだ。さて、その卒論のテーマだが・・・、またそのうち。