春休耐久映画鑑賞録 2
デタラメ映画評第二弾。『ざわざわ下北沢』市川準 2000下北ということで借りてきてしまったのだが、あまり集中して見なかった。原田芳雄が、山で遭難した時は沢を探して下っていくという例を出し、下北沢は人生に遭難した若者たちが集まる街なのだという話をしていたのが印象に残った。うーん、なるほど。『絞死刑』大島渚 1968ATG作品。こちらも、かなりブラックです。国家についての禅問答。在日朝鮮人・少年Rの肉体は、絞死刑を拒否する。「国家が存在する限り、僕は無罪だ」。『メゾン・ド・ヒミコ』犬童一心 2005ゲイの老人ホームを描いた佳作。が、同じ監督の『ジョゼと虎と魚たち』もそうだったのだが、どこか後味が悪い。 老人のゲイ・コミュニティが、結局のところ閉じられて終わるのなら(それが現状反映なのかどうか知らないが)、そこには何の思想の鋭さもない。映画の製作者に、撮影の対象者への愛情があったとは思えない(登場人物ではなく、ゲイに対してのだが)。だとすれば、物語化する<暴力性>は、糾弾されなければならない。『モンティ・パイソン The Meaning Of Life』テリー・ジョーンズ 1983モンティ・パイソンの最後の映画。かなり強烈なタブーなきBritish jokeです。人生をBirth, Growth and Lerning, Fighting Each Other, The Autum Years, Deathなどの時期に分節し、人生の意味について迫っていく。というか、全編ほぼ下ネタ(=The Meaning Of Life)ですが・・・。「Every sperm is sacred」のミュージカルなど、正にThat's Monty Pythonといったところか。テリー・ギリアムのアニメーションも冴えていて、このすぐ後に『未来世紀ブラジル』という傑作映画を作っていく。『若者のすべて』ルキノ・ヴィスコンティ 1960スラム街から成り上がる手段としてのボクシング。だが、アラン・ドロンがボクシングをするのは、内に秘めた底なしの悲しみを昇華するためである。『ゴッド・ファーザー』よりも前の“移民”映画の傑作であり、正に“The Meaning Of Life”を考えさせられる。