灘
昔は本を7冊、8冊大人買いできたのに、ほんと一冊あたりの値段が上がりました。
先週、東京の目医者に行った帰りに、子ども買いした本です。
「むこう岸」は先日行われた灘中学校の入試の国語で出題されました。
まだ読んでいないのですが、学歴格差と経済格差が書かれている本のようです。
少年の黒い背中、眺めている街の雰囲気、本の装丁の感じからして、どんな内容かイメージがわきます。
最近、入試問題も小説文からビジネス文書のような実用的なものに移行すべしという議論もあるようですが、灘は国語で出題した3問とも、そういった方向性ではないように感じられました。
昔、堅気の社会人だった頃、上司が灘高→東大法学部の人ということがありましたが、私が遊び過ぎによる過労で入院しているときに「入院中にこれを読んどけ。」と持ってきた本がイタロ・カルビーノというイタリア人作家の小説でした。
「ビジネスに役立つ100のなんとか」とかじゃないんですね。いつも教養の無さをからかわれていました。こっちは田舎者ですけん。
イタリア文学なんて見たこともありませんでしたから「変わった趣味の人だな。」と思ったものです。
結局、実際に読んだのは10年以上もあとのことでした。
他にも何人か灘の人とは仕事をしました。その人たちがたまたまそうだっただけなのかもしれませんけれども、みなおもしろい人たちで点取り天才みたいな人はいなかったように思います。
ただ上記の人とは
「Nさんて灘ですけど◯◯県出身ですよね?」
「そうや。」
「どうやって暮らしてたんですか?」
「一人で暮らしてたんや。」
そんな会話をして驚いた覚えがあります。
たしか私の記憶に間違いがなければ私が驚いた理由は中学生の一人暮らしといっても下宿でなくアパート暮らしと聞いたからだったように思います。
進学のために遠方に移る人がいるなんて私には理解の外でした。