遅かれ早かれ…
昨年度の県立入試の得点分布を眺めていて、そういえば前回平均点が260点台になったときは…と2010年入試の得点分布を引っ張り出してきて驚愕しました。平均点がほぼ同じというだけでなく、受験人数、階級(40点幅)ごとの人数までコピーしたかのように酷似しているからです。こちらが昨年度。(2021年)平均点267点。受験者数17,257名。最高点478点。こちらは2010年。平均点266点。受験者数17,878名。最高点479点。381点〜420点の帯(階級)の比率なんて両年とも9.38%で少数2桁まで合致しています。ここで大きな疑問が生じることと思います。「中学生の数って横ばいなのか。少子化してるんじゃなかったっけ?」と。そうなんです。実はこの年はまだ各高校とも定員の20%から30%については推薦入試が行われていてその数は上の資料から抜けています。※2010年、全日制県立高校を受験した人は26,521名でした。この11年で32%の減少です。今年は一時的に増加なのですがその先10年はより一層急な傾きで生徒数は減っていく見込みです。東京都の生徒数がこの先10年ずっと増えていく見込みなのとは対照的です。目先、下妻一高か下妻ニ高かと悩んだりもしていますがそう遠からぬ将来、下妻一、ニ高は「下妻高校」に下館一、ニ高は「下館高校」になるのではないかと思っています。全国の過疎地の学校再編の流れをみるとさらに進んで下妻や下館は2校合併だけでなく、下妻中等教育学校、下館中等教育学校になるのかもしれません。地域で生きていくには大学よりも高校の学歴の方が重要だったりするのかもしれません。たびたび生徒に「中学校の○○先生って境高校なんですけど境高校って優秀だったんですか?」と聞かれてうんざしります。境高校といえば鬼怒川西にある唯一の旧制中学系高校です。(古河にはない。)私が高校を受ける頃、岩井市内から水海道一高を受けるか境高を受けるかは市内のどこに住んでいるかということの影響も大きくて、私の学年では実力テストでいつも480点を超えている友人が境高校に行き新潟大学(国立大学)に進学していました。過疎化すると学校の維持そのもので精一杯になってしまい、学力どうこうは二の次になってしまいますから行政(教育行政というよりはもっと広い行政)には真剣に取り組んでほしい課題です。※ 推薦入試も初めは良い点ばかりに目が向いて始まったものだったのでしょうが、実際は問題点ばかりでした。1.誰を推薦するか、中学校内で揉める。(なんでAさんは推薦されるのにうちの息子は推薦されないんですか?成績もうちの方がいいし、部活でも結果出してるんですよと中学校側が反論しようのない理由で先生と揉める親が頻発)2.推薦する生徒を決めたあとの中学校の先生の負担が過大。水海道一高、下妻一高、土浦一高などは各高校独自の学科試験(難問)を行っていたのでその対策指導、面接練習、作文指導、受験書類の作成など。3.推薦で受かってしまった人は2月後半、のんびり楽しげな空気を教室に持ち込んではしゃいでしまう一方、推薦で落ちた生徒は泣き崩れ「怖くて一般入試を受けられません。」といった事態となり、いずれにせよ一般入試組にとっては迷惑な話。4,地域によって学力格差が著しい茨城県において異なる中学校の通知表評価を同じに扱わざるをえないことの妥当性。事後的に振り返れば「導入するときにちょっと考えればわかりそうなのに。。そもそも面倒な仕事を自ら増やしてどうするつもりだったんだろう。」と思うのですが、こういうことって実に多いですよね。