これを入試でやりたかったのだなと…
英国在住でライターをされているブレイディみかこ氏と演出家の鴻上尚史氏の対談集を読んでいて茨城県(大井川知事)がやりたいと思っている教育はこれなんだろうなという一節にあたりました。
『何とかならない時代の幸福論』
以下、57ページ〜58ページより引用。
(ブレイディみかこ氏が語る英国の教育)
日本でいう公民の分野にあたる、衆議院議員は何人とか、議会政治の仕組みも習います。だけど、それだけじゃなくて、すごくトピカル(時事的)な問題ー今起きている社会問題を持ってきて話し合いをしたり、考えを書かせたり。だから習っているほうもきっとおもしろいんですよ。でも、正解がない問題もある。
最近、これはすごいなと思った問題はー「(架空の)ある教授が今、学校でレイシズム(人種差別)の問題について教えすぎていて、弊害が出ていると言っています。君はこれについてどう思うか。まず賛成か反対か述べて、その理由を書きなさい。」
息子の試験の問題に出たんです。こういう問題は、大人でも戸惑うような問題です。私の息子は13歳なんですけど、その年齢でそんな問題を出題されている。しかも今のイギリスは、それこそEU離脱でレイシズムの問題がひどくなっているから、そういう問題を出しているんだと思うんですけど、今本当に社会で現実に起きている、トピカルな問題を書かせているわけじゃないですか。
これって、採点する先生にも相当の度量が要ると思うんですよ。正解がないじゃないですか。でも、先生もきっと楽しいだろうなと思うんですよ。決まりきった答えの採点じゃないから。
(引用終わり)
「賛成か反対かの立場を明らかにして、理由とともに述べなさい」
あれ?これはどこかで見たことがあるカタチでは…。
私も趣味半分で自分で作問してみて提出してもらうと稀にですが型にはまらないおもしろい答案に出くわします。
ただ県立入試の場合は、おそらく賛成にしろ反対にしろ、それぞれにつき、いくつかの「模範解答例」(想定される解答)を持っているのだと思います。
私も、さすがに水戸一高や土浦一高を受験するなら「保守的な」答案にならざるをえないかなと思います。
しかし、点数に余裕があれば、できるだけ「模範解答例」から外れつつ、満点が取れるかはさておき「いかにしたら先生を考え込ませる答案になるか」、真剣に遊んでみると思います。