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うたつばのおかっぱ日記

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[読書] カテゴリの記事

全42件 (42件中 1-42件目)

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洋服のこと

衣替えで気に入っていたジャケットを出してみたら、「あれ、何かヘン。」と思った。他にも、いつも着ていたのに何だか合わなくなった服が増えてきた。明らかに体形や顔が変化したのだ。お金のことを考えずに気に入ったものをパパッと買えるのであれば悩みはなかろうが、そんな立場ではないので、許せる範囲で希望と顔に合う物を探すがみつからず、諦めて帰ることが多い。そして着た切りスズメのように同じ服ばかり着ているこの頃だ。だんだんこうして身なりを構わなくなるのだろうか。でも、ミセス向けの服の色柄は、どうしても好きになれず受け入れ難い。テキトーな価格でテキトーにスッキリした服はないのだろうか。「私って文句が多いのかなぁ」と思っていたら書店で見つけた本が、私の思いとピッタリくるところがあり、そして悩みを笑い飛ばすような面白さだった。　　【楽天ブックスならいつでも送料無料】衣もろもろ [ 群ようこ ]昨日この本を読み終わり、今日ジャケットを買いに行ったら、そこそこ気に入ったものが見つかり、さらに３割引きだったので、ルンルンで帰ってきた。

2015年12月22日

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２８日の日記

今年もあと３日。毎年この時期には、１年間で読んだ本はどのくらいだったか見たり、どれが一番面白かったかを、自分なりに決めたりする。それで、日記帳後ろの書名の記録を見たら、何と、今年読んだ本は、夢枕獏の「陰陽師　醍醐の巻」だけだった。ということは、「陰陽師」が『面白さ一番』ってことだ。もう１冊、記録してないけど、何回も何回も読んだ本があった。「老犬の飼い方」という本で、元気犬・要支援犬・要介護犬別に住環境・食事・運動・シャンプーなどの世話の仕方が細かく載っていて様子が変化していくめいの介護にとても参考になったから、この本が『役立ち一番』だ。１０月からは時間も少しできたし、読みたい本はいっぱいあるのに、どうも読む気になれないでいる。来年は少しずつでも読むようにしたい。

2014年12月28日

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23日の日記・今日の本

　　　　【送料無料】《本屋大賞2012 大賞作品》舟を編む［三浦しをん］とても面白かった。辞書を作る過程なんて今まで考えた事はなかったので、それを知り得たのは楽しかった。面白さは、そういう事だけではなかったのだが、いくつもになるし、何が面白かったのかを言い表そうとしても、表現力不足で上手く言えないのが残念。何気なく使う言葉にこだわる登場人物の気持ちがよく分かる。多分それは、主人公らの、耳にした言葉に対する反応が、音楽する者達の、ほんの短いフレーズでも音色やピッチの違いなどに敏感に反応する事と似ているようだからだ。でも、一番良かったのは長年かけて、地味な努力を積み重ねて、物を作り上げていく姿が描かれている事だ。速さを求める今の社会とはあまりにかけ離れた作業だが、私の好きな姿勢だ。今年になってまだ２～３冊目の本だけど、私の年間上位に入ると思う本だった。

2013年02月23日

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最近読んだ本「新・御宿かわせみ　花世の立春」

　花世の立春 (文春文庫ひ1-120 新・御宿かわせみ 3) (文庫) / 平岩弓枝/著１２月の文庫の新刊で出たので買った。このシリーズは第１巻から買い続けているけど、「新」が付いてから江戸から明治に変わり、中心になる人物もジュニア世代が活躍しだしたから、時々「あれ？この人なんだっけ？」って思ってしまう。でも、大好きな「かわせみワールド」は健在。読んでいたら「あれ？この話読んだみたい」と思った。最後に掲載されている「抱卵の子」は心に沁みる話しでとても良かったけど、だから覚えてて、やっぱり一度読んだと確信した。５年日記帳の読書メモを見たら、一昨年に図書館でハードカバーを借りて既に読んでいた。書店員だったころのお客さんで小説をたくさん読む６０代の女性が、「面白そうだと思って買って帰ったら、すでに買って読んでたって本が家に何冊もあるのよ。何を読んだか読んでないのか忘れてしまうの。」と言っていたのを思い出した。その人は多読だったからそういう事もあろうと思うけど、そうではない私はボケボケ進行中？

2013年01月18日

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最近読んだ本「小澤征爾さんと、音楽について話をする」「陰陽師　天鼓の巻」

　　【送料無料】小澤征爾さんと、音楽について話をする　　　村上春樹著この本、仕事場に来る素敵なお客さんに「面白かったですよ」と勧められて読んだのだけど、３か月近くかかった。忙しくしていて本を読む時間がなかったし、４月頃から心身の疲れが目にも来るようになり、読むのが億劫でもあった。読み始めて最初は楽しく読んでいたけれど、二人の会話が盛り上がり、マーラーのシンフォニーについて細かく話されるあたりに至ると、さーっぱり解らなくなってしまった。勧めてくれた人に話したら、「ネットで音源捜して聴きながら読んでるの。そうしたら良くわかりますよ。」「え？オケや指揮者別に聴いているのですか？」「そうよ。やってみて」ですと。後で気づいたけど、この人、クラシック音楽関係の仕事してる人だった。わーん、ミーハーな私にはムリムリでも、一応最後まで文字を追ったから読んだ事になるのかなぁもし死ぬまでに、細かくマーラーを聴くようなことがあれば、もう一度読めるかな　　　【送料無料】陰陽師（天鼓ノ巻） [ 夢枕獏 ]価格：1,350円（税込、送料別）　　夢枕獏著必ず読む陽師シリーズの天鼓の巻が、文春文庫の７月の新刊で出たので、買った。毎回一気に読んでしまうけど、今回もそうだった。先の本では「目が疲れる」とか言ったばかりだけど、メガネも一緒に持って回り、寸暇を惜しんで読めるのだから、「勧められるのと自ら選ぶのに大きなな開きがあるなぁ」と思った。この中で『器』という話が最も好きだった。亡くなった子の霊が、小さい笛を持っていることに気付いた笛の名手博雅が、二葉（ふたつは）を吹くと、その親子の魂は通じ、子は成仏するくだりにとても感動し、次々と涙が出て止まらなかった。このごろの私は涙もろい。気持ちが弱いのだろう。一度でも、このように魂を揺さぶる笛が吹けたら、どんなに素晴らしいだろう。練習だけでなく、自分の心を磨くしかないのだろうなぁ。

2012年07月17日

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最近読んだ本「シズコさん」他

３月頃から、読む時間もなかったが、目も調子が悪くてほとんど本を読んでいなかった。７月からまた、少しずつ読み始めたので、少し記録する。　　シズコさん (新潮文庫) (文庫) / 佐野洋子　　娘と母の物語だが、楽しくも美しくもなく、母子のイヤなところがいっぱい記述されていた。でも、読後には「この本、良かった。」としみじみ思える。母親は、息子夫婦と同居していたが嫁と折り合いが悪く娘の家に出て来てしまう。やがて、痴呆になった母親を家で面倒見られなくなり、高級老人ホームへ入れる為に、必死でお金の工面をするのだが、昔からの確執のために優しく出来ない娘。そして、高いお金で追い払ったような、どうしようもない罪の意識を抱く。なんだかとても現実的で、「あれ、この場面あの時と似てる」とか「この嫁姑の諍いは、あの伯母さんのところみたい」とか・・・つまり、どこにでも起こりうる事なのだ。そして、母親の痴呆が進み、まるで夢の中に生きているようになって初めて娘に「ありがとう」と言った時、ずっと確執に満ちていて、母親に触れる事が出来なかった娘の心は救われて、母親に添い寝できるようになり、読んでいた私も救われた気持ちになった。他に良かったものは・・・・　　【送料無料】のぼうの城（上）　　【送料無料】のぼうの城（下）　　【送料無料】三陸海岸大津波　　【送料無料】山椒大夫／高瀬舟改版　　時の旅人新版著者：アリソン・アトリ価格：882円（税込、送料込）楽天ブックスで詳細を見る　　

2011年08月10日

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最近読んだ本「神去なあなあ日常」他

　【送料無料】神去なあなあ日常　　三浦しおん　著首都圏の高校卒業と同時に、全く未知の仕事である林業に携わることになり、そこで成長していく少年の物語だ。担任教諭と親の陰謀？で、強引に林業の会社に就職させられて、紀伊山地の採用地へと向かわされると言う設定は「かなりムリもあるな」と、思いながら読み始めたが、読み進むと、山に住む人々の暮らしや、現代の林業の様子なども分かってきて面白くなる。クライマックスの４８年に一度の祭りの部分は、読んでいて、かなりの高揚感があって面白かった。神去（かむさり）村だけど、神がいっぱい居るのは、やっぱり紀伊山地なればこそか・・・と思える。やっぱり、やっぱり、いつか熊野詣したいなぁ。【送料無料】武士の家計簿　　磯田道史　著出版された時から、「いつか読みたい」と思いつつも後回しにしていたが、映画も出来たし、『松尾堂』で著者の話を聞いたら、とても面白い人物だったので本屋さんへ飛んで行った。一般向けに書かれた歴史の論文という感じで、とても読みやすいし面白い。これを読むと、ＴＶの時代劇で見る武士の家庭はかなり裕福に描かれていて、実際とはズレていると思う。家の格式を守るために借金しなくても良いだけ、現代の方が幸せだけど、「いつの時代も、勤め人はつましい生活なんだ」と妙に納得。家計簿以外にも、借金返済のために処分した家財の一覧表などもあり、この家の主の几帳面さには驚いてしまう。私は、４，５年前に結婚当初からの家計簿を全部処分して、今はパソコン入力にしたけれど、死後、「貧しい教諭一家の家計簿」を見られないようにこれも定期的にデータを処分してしまおうっと！

2011年02月20日

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最近読んだ本「吉原手引草」他

　吉原手引草　　松井今朝子　著時代劇や時代小説ではしょっちゅう出てくる吉原ってところ、実際はどんなふうだったのだろう。松井今朝子さんは、その疑問について真面目に説明してくれている。吉原初体験の男への入門書のように始まるが、なんだか刑事の聞き込みみたいで、読み進むにつれて吉原で起こった、ある事件の内容が明かされて行き、どんどん読み進みたくなる。そして最後に、あっと驚く結末と爽快感。これは、吉原ガイドブック兼サスペンス小説の、１冊で２倍お得な本だった。【送料無料】星と輝き花と咲き　　松井今朝子　著【送料無料】ちょんまげぷりん　　荒木源　著これは、娘に勧められて読んだのだけれど、面白くてアッと言う間に読み終わった。錦戸くん主演の映画も方も楽しみだ。『ちょんまげぷりん２』も出ていて、「もう買った」と言うから「貸して」と言ったら、「まだ読んでないからダメ！卒論終わって読むから待って」と言われてしまった。はやく、卒論仕上げてよ！

2010年12月09日

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最近読んだ本「新・御宿かわせみ　花世の立春」

花世の立春　平岩弓枝　著御宿かわせみシリーズが図書館で借りられる事は、まず無いと言ってもいいほど人気があるようだが、先日、運良く最新刊「花世の立春」が棚にあるのをみつけた。このシリーズは、文庫本で読むことに決めているけれど、我慢出来ずに借りた。前の巻を読んでなくても困らないのが、「かわせみ」の良いところ。明治になってジュニア世代が大活躍で、あっと言う間に読んだけれど、最後にショックなことが・・・・。長年「オ－ル読物」で連載していたのだが、今年になって、新聞の最新号広告の見出しに平岩弓枝さんの名前が無かったし、本屋で「オール読物」を立ち読みしても掲載されていなかったから、「平岩さん、体調でも悪いのかな？」と気になっていた。そしたら、何と、シリーズ完結したみたいだ～～～！「完」の文字は無いものの、最後の章だけ、終わり方がいつもの調子とは違うのだ。ショック、ショック、ショック！！わーん、大好きな　おるい様～～～。でも、完結しないままの鬼平犯科帳のようになっても悲しいから、平岩さんは読者思いだ。今まで揃えた文庫３５冊、また、最初から読みなおそうかなぁ。

2010年11月06日

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最近読んだ本「銀座開化おもかげ草紙　西南の嵐」他

西南の嵐　　松井今朝子　著幕末から明治にかけて、時代の立役者の小説は多いけれど、これは明治の初めの銀座が舞台の物語。主人公宗八郎の、運命的な仇との関わりの物語と共に、大きく変化していく日本の中で、一般の人達がどのように考え暮らしていたのかを想像させてくれる。この巻の前に、１巻目に「銀座開化事件帖」（文庫では「銀座開化おもかげ草紙」）、２巻目に「果ての花火　銀座開化おもかげ草紙」があり、「西南の嵐」は完結編だが、面白くて、３冊一気に読んだ。　【中古】文庫銀座開化おもかげ草紙　【中古】単行本(小説・エッセイ) 果ての花火-銀座開化おもかげ草紙【10P05nov10】松井今朝子さん、とても面白かったから、他のも続けて読んでみたい。

2010年11月06日

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今日の収穫

夏休みは子ども達でいっぱいになるから、図書館通いを休んでいた。１０月６日に久しぶりに行って、初めて読む作家の小説を借りたら、とても面白くて　続きの巻を借りたかったけど、新刊だった為に、無かった。当分は予約対応で、本棚には並ばないだろう。どうしても読みたくて、図書館で出会うまで待てないから、その足で書店に買いに行った。３店舗回っても無かった。まったく運が悪い。ブラブラ本屋さんめぐりする時には色々見つかるのに、欲しい時に限って無いのだ。よく行っている３店目で聞いたら、「29日に、また入って来ます。」と言われた。「うーん、今すぐ読みたいのに～。でも、我慢して29日に来ます！」と言って帰った。29日が待ち遠しい。その代わり図書館では、大好きな「かわせみシリーズ」の新刊の他に、ずっと出会うのを待っていた二冊を借りられた。目の疲れも少し治ったから、これから読書の秋を楽しもう。２０００m/６５min

2010年10月27日

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文春文庫「新・御宿かわせみ」

　　新・御宿かわせみ　　平岩弓枝　著大好きな江戸情緒たっぷりの「かわせみシリーズ」が、遂に明治時代に突入して最初の文庫。「待ってました」と出たらすぐ買った。メインキャストもジュニアに代わり、まだ馴染んではないけれど、これまでのストーリーの上に出来ているので、どこから読んでも分かりやすい。東吾さんや源三郎さんが居ないのはとても残念だけど、ジュニアの麻太郎や源太郎が、親に負けないイケメンの上に冴えてるようで、今後の展開が楽しみだ。

2010年08月10日

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「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」

　　　かのこちゃんとマドレーヌ夫人　　万城目　学　　著やっぱり万城目学作品は、無条件に面白い。このところ雨続きだから、天気も気分も鬱陶しいのだが、そんなのフッ飛ばす面白さだった。面白くて可笑しくて、整形外科での待ち時間や電気ピリピリしてる時にも読んでいて、我慢出来ずにゲラゲラ笑ってしまったから、変なオバサンだと睨まれた。かのこちゃんは、伸び伸びノビノビ・・・育った小学一年生の女の子。何事にも興味津々だし、楽しい事が大好きな魅力的な子。マドレーヌ夫人は、その家に住む柴犬玄三郎の妻となった猫。それぞれ別の動物同志が、ベッタリではないけど、思いやる心を持っている様が快い。そして「鹿男」との関わりを感じさせてくれたり、最後にホロリとさせるところもあり、読者へのサービス満点な話だった。一番笑ったのは、親指を鼻の穴にツッコミ、他の指をヒラヒラさせる「鼻てふてふ」。その「鼻てふてふ」をしていたすずちゃんを見て、「デキルやつ」と認めるかのこちゃんもビートたけし並の感性がありそうで、只者ではない。そう言えば、私のケータイのアドレス帳の写真で「鼻てふてふ」やってる友人も只者では無かった。　　　　　　　　　　　　　　本の中に出てくる分からない言葉　　　『香箱座り』　　　　猫の座り方の名称だが、猫を飼った事が無く、どのような格好なのか私には良く分からなかった。

2010年07月14日

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「天地明察」

　　　　　天地明察　　　冲方　丁（うぶかた　とう）　著本屋大賞や吉川栄治文学賞新人賞を受賞した作品だそうで、「江戸時代に正確な暦を作ろうとした人物」と言うのを新聞広告で見て、どんな本かと書店で見たら、装丁が「面白いよ～」って呼んでいる気がして、すぐ買った。中身を知らない本を買う場合、装丁は重要な判断基準の一つだ。装丁は、中身を象徴するものでもあろうし、デザインを選ぶにあたっては作者の好みも反映されると思ったりもするから、作者の感性も少しは見ることが出来るかもしれない・・・など。で、読んでみたらかなり面白かった。より精密な暦を作る為に努力を重ね、遂に大和暦を作った人、渋川春海。この人は知らなかったし、暦術や碁や算術など、知らないことばかり出てくるが、読みだしたら止められない面白さは、主人公が努力に努力を積み重ねて目標を達成しようとするからだろう。春海は、挫折もするが「ちょっとスーパースターすぎない？」と思う程に能力を発揮していく。それでも惹かれるのは、どのような状況の時でも、周囲からどのように見られようとも、生涯をかけて、目標に向かって行こうとするブレない姿勢があるからだろう。目標も無く日々の生活に追われている、ちっぽけな一主婦の座右の銘「継続は力なり」を、これからも持ち続けようと思わせてくれた本だった。

2010年07月12日

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最近読んだ本「乙女の日本史」他

　　乙女の日本史二女が大学図書館で、「歴史分野にしては意外な貸し出し数に驚いて借りてきた」という本だった。開くと納得した。ＰＯＰな編集、軽妙な文章、時折はさまれたマンガにより、乙女目線で歴史上の人物を説明していた面白本だった。驚いたのは、教科書でお馴染みだった東京書籍がこのように柔らかい本を出していると言うことだ。他に、人に借りてよんだ「禁断のパンダ」（サスペンス）は、私にはイマイチだった。「ひとり暮らし　」（エッセイ）は、谷川俊太郎さんの洗練された感覚や文章に感じ入りつつ読んだ。　　禁断のパンダ　　　　ひとり暮...

2010年07月03日

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最近読んだ本「花物語」「告白」

３月から、ほとんど本を読んでいない。体調が悪いと目も疲れやすいのか、それとも、単に気力がなかったためか・・・とにかく、本を読んだりＰＣを開いたりするとすぐ疲れてしまっていた。５月になってようやく、少しずつ読めるようになってきた。　　　まず、誕生日に貰った「花物語」　　牧野富太郎　著これは、小説ではなくて植物エッセイ、いやいや、植物へのラブレターとでも言えるものだ。昭和の初め頃の文章なので、やや文語調だけれど、植物に対してはとても繊細な表現だ。最初は、著者の植物の知識が深く広範囲であり、説明が非常に細かいので驚いくばかりだったが、『植物園のようにいろいろな花を植えて、多くの人が来て見たり買ったり出来るようにする』とか『野草で食べられるものを栽培して、その料理を地域の特産品として売り出す』とか、地域振興策のような事が書いてあるのが面白かった。体が弱かった富太郎は、幼い頃から植物への愛情が深く、日本中の野や山で実地調査をしながら独学したそうだ。どうやら、この岡山県にも調査に来ていたそうで、「市立自然史博物館には、牧野富太郎の残したこの地域の植物の資料があった」と、インターンシップで自然史博物館に行った二女が言っていた。　　　　　　湊かなえ　著前から読んでみたいと思っていたが、思いのほか文庫化が早かったので、早速購入した。恐い！だけど面白い。と言うか、読みだしたら、途中では止められない。女性教師の告白から始まるからこのタイトルだと思っていたけれど、読むうちに、これは事件に関わる人それぞれの告白なのだと思った。サスペンスなので、内容については語れないけれど、今の時代の子どもをとりまく複雑な環境が、心の成長を歪ませていることがあるというのを、能く表現出来ていると思う。子どもを正しく愛する事の大切さについて考えさせられる。

2010年05月24日

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最近読んだ本「陰陽師夜光杯の巻」「旅をする木」

　陰陽師（夜光杯ノ巻）　夢枕獏　著さまざまな不思議事件を解決する清明と博雅コンビが、今回もかっこいい。「博雅のふく笛『双葉（はふたつ）』を聞けたらいいのになぁ～。」といつも思う。「旅をする木」　星野道夫　著minohマダムさんが12月15日に紹介してくれた本。図書館で一生懸命さがしても見つからないから、カウンターで聞いたら書庫にしまってある本だと言われた。「そんなに大切な本なのかしら？」と思いつつも、出してきてもらったら普通の本だった。どういう基準で書庫に移すのか、いつか聞いてみよう。　　　　　　　中身は雄大なアラスカの自然がいっぱいで、それが景色として浮かんできそうな文章だった。そして、星野さんが出会った素晴らしい人々のこと。ひとりだけ知っている人（というか、絵）がいた。誰が描いたかも知らずに、大好きで大切にしている六花亭の包装紙や詰め合わせ用の缶たち。これらの花の絵を描いたのが、坂本直行さんという画家であること、そして、坂本直行さんがどんな人だったかをこの本で教わった。とにかく、人も自然も雄大な星野ワールドだった。見た事もない自然現象や動物や木や・・・星野さんの写真を見たくなった。というわけで、次は図書館で写真集を借りてこようと思う。

2010年02月02日

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最近読んだ本「螺鈿迷宮」「ナイチンゲールの沈黙」「ブラックペアン１９８８」

　　螺鈿迷宮　　ナイチンゲールの沈黙　　ブラックペアン1988（上）　　ブラックペアン1988（下）前に、「チームバチスタの栄光」「医学のたまご」を読んで図書館に返却に行き、次の本を探していたら、海堂尊のところに１冊だけ「螺鈿迷宮」があり、即、借りて読んだ。また図書館へ行くと、同じように「ナイチンゲールの沈黙」があったので「これは読むしかない！」と、また借りたのだった。きっと、私が借りる直前に、同じ本を読んでは返している人がいるのだと思う。「どんな人なのか」と一瞬考えたりするが「きっと、定年退職後の人だろう。」と括ってしまうほど、６０代男性が増えているように思う、最近の図書館だ。それはさておき、３冊目の「螺鈿迷宮」まで読んだら、これらが同じ東城医大を舞台に、時間を縦軸にして書かれたものだとはっきりわかり、「ナイチンゲールの沈黙」も、面白く読んでしまった。そうなると、「全て読まないと全貌が見えない」と思い始めた。つまり全部読みたくなるほど、面白いということだ。ちょうど、物語のスタートと思える「ブラックペアン１９８８」が文庫化されたと新聞広告が出たので、早速本屋さんで買って読んだ。しばらくは、海堂作品のマイブームが続きそうだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　今年は、全部で４０冊くらい読んだ。「家守奇譚」「火天の城」「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」など、印象に残った本もあるし、後半は、今まであまり読んでいなかった東野圭吾・海堂尊のミステリーも読んだ。来年も、良い本と会うことができますように。

2009年12月28日

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最近読んだ本「探偵ガリレオ」・・・

前回の記録から1カ月以上経っているが、11月後半はあまり読めなかった。　探偵ガリレオ　　東野圭吾　著「容疑者Ｘの献身」が面白かったので、ガリレオシリーズを読みたくなって買った。これは、主人公が同じで話は短編なので、気楽に面白くよめた。で、続けて「予言者」も読んだ。この2冊を読んでから「容疑者Ｘ］を読む方が、ガリレオ氏の性格などを、より把握出来て更に面白かっただろう。　さまよう刃　東野圭吾著ちょうど劇場映画が上映されていたので読んだのだが、最初からググッと引き込む文章の東野圭吾作品とは言え、少年犯罪がテーマの上に婦女暴行致死罪で、かなり気持ちが重く、なりなかなか進まなかった。折しも、島根県での女子大生事件と時期が重なったこともあり、途中で何度か投げ出したくなった。被害者家族や捜査する側の心情が細かに描写され、それが意外な結末へと繋がることは最後の最後に分かり、面白かった。　

2009年12月03日

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最近読んだ本「容疑者Ｘの献身」「チームバチスタの栄光」・・・・

この前、このタイトルで一生懸命入力して、「あと少しでＵＰ出来る」ってところで、どこをどう触ってしまったのか管理ページに飛んでしまい、せっかく入力した文章は全部消えてパァになってしまった。もう一度入力する気になれないから、今回は読んだ本の表紙だけ。　容疑者Xの献身　東野圭吾　著　　　映像化されたのも面白かったが、もっと面白い。　ガリレオシリーズは全部読もうと思った。　チーム・バチスタの栄光　海堂　尊　著　　　とても面白い。　出版された時、これを読んだ現役ドクター達が「面白いよ」と言っていたのを思いだした。　登場する厚生省技官白鳥が、イン・ザ・プールの伊良部医師レベルの変人だ。　医学のたまご　海堂　尊　著　　　これも、面白い。　村田エフェンディ滞土録　梨木果歩　著　　　「家守寄譚」のトルコ編といったところか。　沼地のある森を抜けて　梨木果歩　著　　　　ちょっと不思議な話で面白かったが、生命の発生とか進化とか理解しにくいところもあった。　　　　　　（頭が悪くてスミマセン　って思った）　でも、糠味噌を物語の中心に据えてくれたことは、糠味噌を日々混ぜている私には、嬉しい事だ。

2009年10月26日

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最近読んだ本「浮かれ黄蝶」他

　浮かれ黄蝶　　平岩弓枝　著大好きな「御宿かわせみ」シリーズの３４冊目が文庫になったもの。相変わらずの江戸情緒たっぷりで人情味あふれ、おなじみメンバーが活躍する小説だが、だんだんジュニア世代が活躍するようになってきているのが面白い。　いっちばん　　畠中　恵　　著これも、大好きな「しゃばけ」シリーズ、第７弾。病弱だが推理力抜群な若旦那とたくさんの妖（あやかし）たちが活躍して事件解決するお話。時代物だがファンタジーのように楽しい小説で、今回も、あっと言う間に読んでしまった。この「しゃばけ」シリーズが好きなのは、心優しい若旦那が、人も妖も道具をも、平等に大切にするところ。　ピンクの神様　　魚住　直子　　著kayokorinさんのブログで知り、ずっと図書館で探していたが、やっと巡り合えた。女性あるいは少女が主人公の７つの短編集で、人間関係に悩みを持つ話なのだが、どれも、最後には希望が見える終わり方なので、とても良い読後感がある。上手く人と関わることは難しいと思う。特に、周囲に自分と合わない人が多い場合は辛い。少女や若い女性の、日常生活のそういう感覚が上手く表現されていて、「そんなの、あるある！」と頷けた。この著者は、元々児童文学を書いていたようだが、今後も大人向けのものを書いてほしいと思った。

2009年09月24日

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『家守奇譚（いえもりきたん）』

『家守奇譚』梨木香歩著空き家になる亡き友人の実家に住み込む事を頼まれる、作家の綿貫。その家での暮らしや周囲の人々（生き物）との関わりが小タイトルの花の名に因んだ話しとして、綴られている。本全体に落ち着いた雰囲気があり、文体からも細かい描写からも、少し前の時代の物語である事が分かるし、まるで花暦のように季節を追って花が語られていて、良い気持ちになる。出版当時、このタイトルに興味を持ったのだが、何となく読まないままでいたのを、少し損した気分になった。良い本に出会えたと思った。

2009年09月10日

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「８分音符のプレリュード」

　　　　8分音符のプレリュード　　　松本佑子　著これは、kayokorinさんのＨＰで見て、中学生向け課題図書だったがタイトルが気になり読んだ。主人公が吹奏楽部員でフルートパートと言うのも、気になる要因だったが、どっかに居る「昔々のフルート少女」とは大違いで、こちらは優等生だ。何事にも良く気付きテキパキしていて、クラスメートや教師からも信頼されていた果南は、ある日担任から、転校生透子のお世話係を頼まれる。誰にも打ち解けたがらない（というより、透子は悩みを持ち心を開かないだけではなく、精神的に他の子より大人であり、思春期の子にある「群れる」ということをしないのだが）透子を何とかしようとするが、上手くいかずにいるうちに、ある事件から果南自身も透子同様に自分から孤立していく。そんな立場になってみて、孤立した透子の気持ちを思いやるようになったり、本音をぶつけあったりして、やがて二人は本当の親友となる・・・・・。その二人の関係が変化していくきっかけとして、吹奏楽部と音楽が存在していたので、このタイトルだったのだろうが、『８分音符』が何を意味するのか、イマイチ分からない。もしかしたら、８分音符を二つ繋いだ形を、果南と透子の心の繋がりと見るべきなのだろうか？と考えた。この本を読んで、基本的には、ひとり行動を好む私も、中学生位の頃は友達大好きで、「親友」なんて言葉も意識したし、良く見聞きもしていた事を思い出した。今思えばそれも、人間関係を築く訓練だったのだろうなぁ。

2009年08月11日

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「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」

　沙門空海唐の国にて鬼と宴す（巻ノ1）　沙門空海唐の国にて鬼と宴す（巻ノ2）　沙門空海唐の国にて鬼と宴す（巻ノ3）　沙門空海唐の国にて鬼と宴す（巻ノ4）　　　　夢枕　獏　　著この１週間、熱中して読んでいた。４冊積んだら、漬物が漬かりそうな分厚い本だったが、読みやすくて面白くて、どんどん読みすすめた。お陰で、目が疲れて肩こりもひどくなった。遣唐使の空海と橘逸勢が、「陰陽師」の清明と博雅のように中国で物の怪をやっつける話かと思いつつ読んでいたが、話はどんどん発展して、陰謀あり、物の怪あり、ちょこっと恋ありの「唐の国大伝奇フアンタジー」だった。ちょっと気持ち悪いところがあるので、どんな女性にもは、お勧めできないけど、李白とか、白楽天とか、楊貴妃とか、有名人がいっぱい出てきて奇想天外な物語は面白い。でも内容の説明は、お話が長いし、登場人物の名前が難しくてムリ　2100m/90min

2009年07月29日

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『明治人の姿』

　明治人の姿　　櫻井よしこ著今、忘れられようとしている、日本人の生き方、誇りと言うものについて考えさせられる本だった。自分の子育てや生活を反省させられる部分もかなり多かったが、それらを素直に受け入れる気持ちになる説得力が文章にあるのは、やはり、著者の魅力に他ならないだろう。幸い図書館の本ではなく、新書を買ったので、また読みたくなったらいつでも読める。1250m/60min

2009年07月15日

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みい子ちゃん

コミック「こっち向いてみい子」は、私の大好きな本だ。元々、小学生だった娘が読んでいたのがきっかけで、読み始めた。主人公のみい子は、小学５年生の小柄な女の子で、勉強は苦手だけど、明るく元気で子どもらしいのが可愛いいし、学校の友達や家族との出来事は、いつもほのぼのとして、すっかりファンになってしまった。今では、新刊が出ると、お馴染みの書店が、頼まなくても取り置きの連絡をくれる。勿論、買うのは今でも娘だ。このみい子ちゃん、性格が娘に似ているところがあるし、おかっぱ頭にバッチリおめめは、昔の仲良しさんを思い出させてくれるのも、大好きな理由かも知れない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ついでに、最近読んだ本も記録しておこう。　こころげそう　畠中恵　　著最近「しゃばけ」が人気の畠中恵だが、これは別の物語。でも、畠中ワールドばっちりで、こちらは切ない恋をしながらも成長していく幼馴染数人のお話。時代小説でも、いつもＰＯＰで爽やかさあふれる畠中作品は大好きだ。　夜は短し歩けよ乙女　森見登美彦　著これは本屋大賞か何かを取り、かなり売れた本だと記憶している。前にこの作者の「きつねのはなし」など読んだが、なかなか面白かったので期待していたが、思ったほどでもなかった。その理由は、「大学生の恋物語」なのだが、かなりぬるい学生生活を想像させられるところが、私の気に入らないところであったのだと思う。学生生活を送った時代や状況が違うのだから仕方ないと言えばそれまでだが・・・。しかし、「彼」と「彼女」の二人の視点から同じ状況が違う印象で表現されるという　　（つまり「私」となる人物は、「彼」と「彼女」がほぼ交代で出てくる）物語の進み方は面白く、彼らの周りの登場人物も個性的な人で飽きさせない。２０００m/８０min

2009年07月08日

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「火天の城」他

火天の城　　山本　兼一　　著「利休にたずねよ」を読んですぐ、図書館で山本兼一の本を捜して借りてきた。この「火天の城」を読んだ方々がこぞって「とても良い」と感想を書いていて、ぜひ読んでみようと思っていたので、すぐ借りられてラッキーだった。施主の絶対的な要求に答えるために考える工法、苦労する材料調達、作業員の中に潜む敵方の工作員・・・・・さまざまな困難を乗り越えて、城を作り上げていく総棟梁は、主である信長に忠実なだけではなく、大工としての情熱と誇りを大切にしている。また、その父親に反発しながらも後を追い続ける息子との親子関係の変化が、親子それぞれの心情を細かに描写しながら綴られている。後半、城の建設と親子関係の構築が同時に進んでいく様は見事で、どんどん引き込まれた。もう１冊、山本兼一の「弾正の鷹」というのも借りていたので、腰を痛めて寝ている間に読んだ。弾正の鷹これは、信長が勢力を広げている戦乱の世の中で、敗者たちが主人公の短編集。１，２時間で読める軽い感じのものだったが、どの話も不幸な結果に終わり、切ない読後感だった。

2009年06月06日

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「利休にたずねよ」

　利休にたずねよ　　山本兼一　著最近あまり本を読んでいなかったとはいえ、久しぶりに面白い本を読んだ。直木賞受賞した時から読みたいと思ってはいたが、先日のラジオのインタビューに著者が出演したのを聞いて、ますます読みたくなり、買って読んだ。著者の山本兼一さんは、品のある文章が上手いと思う。冒頭からグイッと引っ張られるように本の中に入り込める。そして、物語の中心にある利休の恋にはなかなか触れられず、ややもどかしいが、最後にそこへ向けて段々盛り上がって行くので、読むのを途中で止められなくなる。利休に関わる人々ごとに段落が区切られていて、その人物像が浮かびやすかった。それから、当然何度も出てくるお茶室の場面で、「利休の動きには、何一つ無駄なところが無い」と言う表現があった。まだ若い頃、数年間お茶のお稽古に通っていたが、先生が「お店前は、本来合理的な動きで無駄なところが無いのです。」と教えてくださっていたのを思い出させてくれた。

2009年05月25日

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「ぼくを探しに」

ぼくを探しに新装版　　シルヴァンスタイン　作　　　倉橋由美子　訳誕生日プレゼントに貰った本をさっそく読んだ。白地に黒い線だけで描かれた丸い「ぼく」の絵本。こどももおとなも読める絵本。シンプルだけど、読むほどに深い絵本。何かが足りないと感じる「ぼく」が、足りない「かけら」をさがす旅をする話。歌いながら進んでも、困難に出会ったり、見つけたと思った「かけら」が違っていたり。でも、めげずに進む「ぼく」「かけら」は一体何？それを決めるのは、読んでいる自分。何回も読むと、これは自分への応援歌のように思えてくる。　　　「Nちゃん、さすが！！」何かある度、心が不安定になりウジウジ考える傾向の私に、ぴったりの本を選んでくれた。ついでに、本のページを「ぱらぱらまんが」にして見たら、「ぼく」が進んでいるように見えなくも・・・・・ない。

2009年04月13日

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「二十一世紀に生きる君たちへ」

21世紀に生きる君たちへ　　　以前、minohマダムさんが、紹介して下さった本だ。　　「二十一世紀に生きる君たちへ」は、小学校六年生の国語の教科書に掲載されたものだ。人が生きる上でもっとも大切な事は何か、分かりやすく書かれていたように思う。『私ども人間とは、自然の一部にすぎない・・・』『自然物としての人間は、決して孤立して生きられるようにはつくられていない。』（本文より）などは、印象深い言葉だ。「自分は、地球の中のちいさなパーツの一部でしかないから、自然が破壊されれば、自分だけ安泰な訳は無く、壊れていくのは当然だ。」とよく思う。私の考えが司馬遼太郎さんの考えることに到底及ばないことは承知しているが、でも、ほんのちょっとだけ同じような気もしているのは、許されるだろうか。図書館で借りようと思ったら、その時対訳版は無くて、冒頭の写真の二冊を借りてきた。　(対訳版があったとしても、英語苦手な私は、きっと英文は読まない、いや、読めないだろう。）どちらも、同じ文章が載っていたが、右の本は、著者の原稿がそのまま掲載されており、大変な推敲を重ねた事が良く分かる。左の本は、児童向けで、読みやすいように、大きな字で、漢字には振り仮名があった。そして、ところどころに、風景や植物の美しい写真が載っていた。私には、写真が美しく、繰り返し読める児童向けが一番向いているようだった。

2009年03月05日

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「泣き虫ハァちゃん」

泣き虫ハァちゃん　河合隼雄　著日本が戦争中であった時代の、丹波篠山でのびのびと育つ、ハァちゃんと兄弟や友達との物語だ。ハァちゃんは、男の子で6人兄弟の5番目だ。厳格だがユーモア溢れる父と優しい母、賢く弟思いの兄達という暖かい家庭の中で育っているが、自分でも困るのは、感受性が豊かなために、何かにつけ涙が出てしまうことだ。そんなハァちゃんにお母さんは、「ほんまに悲しいときは、男の子も、泣いてもええんよ」と言い、ハァちゃんはちょっと安心する。泣き虫ながら、周りの人々に揉まれたり支えられたりしながら、成長していくハァちゃんの姿は、可愛らしくもあり、頼もしくもある。これは著者の思い出を書いたものだと考えて読んでいたので、「河合隼雄氏の暖かさは、こうして形成されたのか」と納得したのだが、あとがきによると、設定は著者の少年時代のイメージながら、お話はフィクションだという。ところが、ちょうど読み終えたこの日、NHK-BS2で、著者の過去の映像や談話が放送されたので、見たところ、ハァちゃんそっくりの顔で涙を流していた。「やっぱり、ハァちゃんのお話は思い出のような気がするなぁ」と思った。本を読んで暖かな気持ちを貰った後で、TVでもう一度同じ気持ちに満たされた。河合隼雄さんと言えば、アマチュアフルーティストとして有名だ。若い頃吹いていたのを中断し、５０代後半からレッスンを再開していると聞いていたので、その精神を、恥ずかしながら自分の目標とでもするように注目し、「いつかその音色を聴く機会があれば良いなぁ」と考えていた。しかし２００７年に逝去されたので、願いは叶わなかったが、このNHK-BS２の番組で、演奏シーンが放映された。聴いたのは短いフレーズながら、優しく誠実さ溢れる演奏であった。

2009年02月04日

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「かもめ食堂」

かもめ食堂　群ようこ　著映画「かもめ食堂」は見ていたが、まだ原作は読んでいなかった。主人公サチエが、何故フィンランドに「かもめ食堂」を作るようになったのか、その経緯から物語が始まるのであり、その点は映画にはないところだったので、面白く読み始めることが出来た。全体には地味な物語なのだが、ところどころにギャハハと笑えるシーンがある。ヨガをしていて足がはずれなくなったとか、うっかりと、変なキノコを食べてろれつがまわらなくなったとか・・・。（どうしても映画のキャラクターが浮かぶのが、尚更おかしさを誘うのかもしれないが。）「おにぎり」が物語のテーマを象徴するものとして何度も出てくるのだが、読んでいるうちに、「海苔を巻いた鮭とおかかと梅干しのおにぎり」が食べくなってしまう。私が大好きだった「科学忍者隊ガッチャマン」のテーマの歌詞が全部出ていたのは嬉しかった。勿論、元気に歌った。１日ですぐ読めて、穏やかな心地よさが残る本なので、安らぎたい人にはお勧めだ。本を読んだら、また映画を見たくなったので、DVDを見た。たらちゃんが、WOWWOWを録画してプレゼントしてくれた大切なDVDだ。今度は原作と比較して見てしまうが、やっぱり映画としての完成度が高いせいか、面白さに変わりは無かった。何より、小林里美、片桐はいり、もたいまさこの３人が、「役なのか本人の地なのか？」と思う程に上手いので、「やっぱりこのキャスティングしかないよなぁ」と感じる。原作にないところもいくつかあった。コーヒーを淹れる時のおまじない「コピ・ルアック」を教わるシーン。これは映画だけだが、印象に残る素敵なシーンで、コーヒーを淹れる時には、時々マネしている。プールで泳ぐシーンも映画だけだ。伝統を感じさせる柱があり、落ち着いた雰囲気あるプールなので、誰でもが「泳いでみたい」と思うような気がする。静かに、日常の幸せを感じさせてくれる映画だ。　かもめ食堂 / 小林聡美

2009年01月30日

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「ガン日記」

　　ガン日記　　中野孝次　著これは、２年前に一度読んだものだが、文庫化されたので即購入して、再び読んだ。タイトルがあまりにも、はっきりしているため、敬遠されるかも知れないが、これは、病状について詳しく知ると言うよりは、著者の心のありようを知る内容であり、その高い精神に感銘するものだ。ガン発見から入院までの４０日間位の日記だが、退院後の自宅療養中に浄書したらしいのだから、死後人の目に触れる事を意識して、準備していたことは明らかだ。残り１年との宣告を受け、治療方法や生活について悩む。そして「今ココニ」と言う思いを支えとし、日々を大切に過ごそうと努める様子が良くわかるが、文章は非常に静かで美しいのが、印象的だ。日記と一緒に掲載されている夫人の言葉から、著者が、病気による苦痛や死への思いは一切口にせず、心の中に留めていたこと、また、入院中の看護師長の言葉の引用である「こんなに体が大変な時に、精神がこれほど明晰な方は知りません。奇跡的です。」などから、著者の精神力の強さがうかがえる。そしてそれは、本の中に掲載されている「黒いノート」の抜粋に見るように、著者が長年にわたり学んだ多くの哲学者、宗教家などの賢人の言葉によって支えられていたのだと分かる。　　　　《註》「黒いノート」とは、長年にわたり、著者が日々心に残る言葉を書き留めたノート。２００６、６、１０付けで感想を書いていたので読み直したが、やはり同じ様な感動を受けた。

2008年12月13日

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「桃山ビートトライブ」

　桃山ビート・トライブ　　　天野純希　著権力に支配される事なく自由に音楽をしたいと思う藤次郎、笛での名声を望む小平太、そして心のままに踊るちほ、故郷を思い魂の太鼓を叩く弥介の４人が出会い、別れ、再会し、一つの物を目指していく姿は、現代のバンド少年がそのままタイムスリップしたようだ。ストーリーのテンポが速く、内容も文章も若々しくて楽しいのですぐに読めた。織田信長～豊臣秀吉～徳川家康と天下統一が進みゆく時代背景と物語を上手く絡めているので、歴史上の人物がたくさん出てくるところは面白い。奴隷として売られ日本まで流れてきた太鼓打ちの青年の叩くリズム描写が、以前聴いたアフリカンドラムの、変拍子の多い明るい演奏を思い出させてくれた。「演奏で感情を素直に表現する事」や「人の心に伝わる演奏をする」という基本姿勢が何回も文中に感じられ、「そうだ、そうだ！」と一人頷きつつ読んだ。

2008年11月17日

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最近読んだ本「陰陽師・瀧夜叉姫」「邪魔」

　　陰陽師瀧夜叉姫（上）陰陽師瀧夜叉姫（下）夢枕獏　著大好きな陰陽師シリーズの長編が文庫化されたので、早速読んだ。相変わらず沈着冷静で頭脳明晰な晴明と、純粋さと熱い心の博雅コンビが都の不思議な事件を解決する物語だ。今回は長編の上、平将門や藤原純友、小野道風など、日本史でおなじみの人物が多く出てきて大暴れする。なかなか楽しく、上下２巻はすぐに読めた。ただ今回は、博雅の笛「葉ふたつ」が活躍しなかったのが、笛吹きおばさんとしては、少し残念だった。　　（文庫版）　　（文庫版）　奥田英朗　著小さな放火事件の捜査が進むうちに、周囲への波紋がどんどん広がり、警察内部の力関係も絡み、複雑になるが犯人は捕まらない。今まで「インザプール」を始めとした明るい奥田英朗作品を読んでいたので、サスペンス物に意外な感を持ったが、実はこちらの方が早い時期に書かれたものだった。サスペンス小説は好きではないが、なかなか面白かった。

2008年11月16日

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「陰日向に咲く」

　　　陰日向に咲く　劇団ひとり　著２～３年前に話題になった本だったが、最近文庫化したので買ってみた。ホームレスに憧れを持つサラリーマンや、落ち目のアイドルを応援する青年や、合コン相手に遊ばれる女の子や、積もる借金がありながらギャンブルを続ける青年、売れないお笑い芸人など、上手くいかない人々の話の短編集だった。ギリギリの状況も、決して悲惨さを感じさせず面白く書かれていて、最後には、それぞれの話の人間関係が明かされると言うしかけもあり、作者の物書きとしての才能をうかがわせてくれる。しかし残念ながら、同様に、上手くいかない人生を送り堕ちて行く人々を強烈に描き、更に、登場人物の人間関係やタイトルの意味が、最終章に明かされるという仕掛けがある「ララピポ」を読んだ後だったので、印象はやや薄くなってしまった。　　　ララピポ　　　奥田英朗　　著　　　　ララピポ　　　奥田英朗　　著これはとても面白かったが、風俗描写が多くて、その点ではあまり好きではなかったし、人に進めるのは躊躇してしまう。でも、面白い。　　　　　　　　　　　　　本を読んだあと、DVDも見た。　　陰日向に咲く、9つの花～勝てない僕らが咲けるまで～(DVD) ◆20%OFF！主役の岡田准一が、良い。三浦友和も、西田敏行も、平山あやも良い。映画では、本とはすこし設定が変わっていたが、２時間で見る人情話として上手くまとまっていた。これはこれで、本にはない良さが出ていると思われた。

2008年11月11日

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「あいうえおちゃん」他

あいうえおちゃん　　　　　　　森絵都　著kayokorinさんの日記で知り、面白そうなので買ってきた。言葉遊びの絵本だろうが、歌のようだ。メロディーを付けて歌いたくなる。全てが、４-４-５　の音（おん）のリズムになっているからだろう。読み終えたら、自分の話言葉も　４-４-５になってしまいそうだった。五十音すべての文字から始まる言葉遊びが、１ページずつある。　　　　　ぬいでも　ぬいでも　ぬいぐるみ　　（本文より）は、文も絵もかわいい。一番笑えたのは、　　　　　　　　そうりも　そろそろ　そだいごみ　　（本文より）何とタイムリーなのだろう。印象に残ったのは、シュールで　可笑しい　「し」のところ。（４-４-５　になってしまった）　　　　　しんだら　じごくで　しょっぴんぐ　　　　　しまいに　しかえし　しんでれら　　　　　しちがつ　しおかぜ　しろいなみ　　　　　　しごとに　しっぱい　しゃっきんく　　（本文より）何回読んでも楽しい本で、気分転換にはぴったりだと思う。Star egg　　　　　　　森博嗣　著「あいうえおちゃん」を買うとき、「森さん」同志で隣に並んでいて、森博嗣の絵本がどんなのかと思い、買って帰った。長女が見て「買わなくても、ハードカバー持ってるのに。森博嗣はほとんどあるよ！！」と、言った。彼女は、超が付く、森博嗣ファンなのだ。と言う訳で、ちょっと出鼻をくじかれたが、読んでみたら絵も可愛いし面白かった。「星の玉子さま」が行く、小さな星たちの話だ。末尾に、それぞれの星の話について解説してあり、それを読むとやはり「森博嗣」だ。理屈っぽい！でも、この絵本は好きになった。

2008年09月16日

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「床下仙人」他

床下仙人原　宏一　　著この作者は名前を知るのも読むのも初めてだ。著者の説明に『現代日本に生きる会社人間・サラリーマンの姿を、鋭い風刺と諧謔で描き、読書界の話題を呼んだ』とある。『話題を呼んだ』のは知らなかったが、サラリーマンの辛いところを描きだした短編５作だった。多分、夫が読むと共感するだろうと思っていたら、「読んだら貸して！」と言われた。「床下仙人」と言うから「床下の神様」的内容を想像したら、全く違っていて、ちょっと期待はずれだった。私の面白かったのは「てんぷら社員」と「シューシャイン・ギャング」だ。あれ！？どっちも「しゃいん」が入っているが、それは関係なく、読後に痛快感があった。花まんま朱川　湊人　　著これを読むのは２度目だ。この作品が直木賞を受賞した時、まだ書店勤めだったので、文芸春秋に掲載されたのをちょこちょこ読んだ覚えがある。今回文庫化されたので、もう一度読みたくて買った。６つの短編集だが、どれも不思議でちょっと怖い話しだ。でも、胸にジーンとくるものが残る。好きだったのは、冒頭の「トカビの夜」とタイトルの「花まんま」だ。どちらも死者の関わる物語だが、家族愛を感じる暖かさがある。

2008年08月20日

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本選び

たみちゃん０８１０さんから、「どんな時に読む本をみつけるのか？」と言う質問を頂いたが、質問される程読んでないので、恥ずかしくてたまらない。しかし、どうやってみつけるのか考えてみた。まず、新聞の新刊書の広告は、毎日見る。出版社各社の、毎月出る文庫本の広告もチェックする。それから、日曜日の新聞の読書欄を見る。(ウチの新聞の場合、日曜日にある)どちらも解説や感想を読んで、興味があれば書名や著者、出版社をメモしておき、書店にあれば、ちょっと中身を見て、買うかどうか考える。そして、どうしても欲しい時しか買わないで、図書館で借りて読むか、文庫化するまで待つ。(増えると片付けが大変なので、なるべく家の本を増やしたくなくて、いつの間にかそういう習慣になった。)あと、時々書店へ行くので(行きたくなるだけで、特に用は無い)、「面白そうなの無いかなぁ」と捜す。本選びに関する情報はほとんどそれだけだ。おっと、最近はブログでおすすめの本も要注意に入れている。私の本を選ぶ基準は、１．ベストセラーはなるべく避ける。２．ざっと見て、ピピッて感じたら読む。３．装丁が好きな本は読む。４．好きな作家の本は読む。以上の４点くらいだ。書き出してみたら、やっぱり大した事はなかった！　　　　　　　　　　たみちゃん０８１０さん、いい加減で済みません。　　

2008年08月04日

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春のオルガン

　　春のオルガン湯本香樹実　著小学校を卒業した主人公トモミの心は、子どもから大人へと移り始めているらしい。物語前半は、父も母も自分の都合優先に思えるし、弟もヘンテコな事ばかりするし、おじいちゃんは、納戸から古いオルガンを引っ張り出して来て修理を始めるしで、家族がバラバラと感じて、イライラしているトモミの心の様子がよくわかる。やがて、弟に付き合い、猫探しをするハメになるが、その時知り合った、猫の世話をするおばさんや野良猫たちとの体験や、家出見舞に来たおじいちゃんの昔話などを通して、荒れた気持ちが落ち着いてゆく。特に、病気になったおばさんの代わりの猫の世話や、看病をしているうちに、大人たちが、自分ではどうにも出来ない事と折り合いをつけながら生きているのだと、なんとなく感じるようになるらしい。物語の終わり近くで、「おばさん、どうしようもないことってあるね。」というトモミの言葉に、おばさんは、「どうしようもないかもしれないことのために戦うのが勇気ってもんでしょ。」とさらりと言ってのける。カッコイイおばさんだ。これはやはり、親という立場ではなく、他人であり、対等に友人として位置する大人だからこその言葉だろう。子どもを守り育てるのは親だが、子どもを大人にするのは他人なのだということを、再認識させられた思いだった。物語の中で、主人公トモミとオルガンはほとんど接点がないが、ではなぜ「春のオルガン」か？と思っていたら、その謎は最後に解けた。でも、明かしてしまえば、もし今後読む人がいたら面白くないから、やめておく。　

2008年08月03日

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「家日和」　「港町食堂」

　　　家日和　　　　奥田英朗　著＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊42歳の主婦・晴美は、不要品をネットオークションに掛けたことがきっかけで、家中に目を光らせるようになったが（「サニーデイ」）。36歳夫の会社が倒産。専業主婦だった妻が働き始め、夫が家事をすることに。「ここが青山」離婚寸前の営業マン38歳の正春。妻が家を出てからインテリアショップ巡りに目覚めて・・・。「家においでよ」東京郊外の一戸建て、二人の子供を持つ専業主婦の弘子は、平凡だが幸せな毎日を過ごしていた。ある日自宅を訪れた営業マンに会った夜から、妙な夢を見始める。「グレープフルーツ・モンスター」イラストレーターの春代の夫は職を変わってばかり。ところが彼が転職するたびにイラストの出来がよくなることに気づく。「夫とカーテン」42歳作家の夫の妻が＜ロハス＞に凝りだした。子供ともどもつきあうことにしたものの・・・。「妻と玄米御飯」それぞれの家庭内の「明るい隙間」を名手が描く短編集。【内容情報】（「BOOK」データベースより）＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊６つの短編からなる、家・家庭の中の小さなことから広がるトラブルや新しい世界の話。著者の前作「マドンナ」「ガール」に続くものと思えるが、これは３０～４０代夫婦の家庭篇のようだ。奥田さんの本はいつもそうなのだが、面白くてあっという間に読み終えた。６つの話のどれにも、「そうそう！」と共感できるところがあり、結末は爽快さが残る。そして奥田さんの目線には、ジェンダーフリーな感じがする。面白かったが、私は３作の中では、「マドンナ」が一番好きだ。　　　港町食堂　　　　奥田英朗　著タイトルから察して、「珍しく人情小説か？」と思ったのだが、全然違った。旅行雑誌の企画で、船で港町に入り旅行記を書くことになったが、決して旅行好きではない著者の面白紀行文だった。高知・土佐清水篇、五郎列島篇、宮城・牡鹿半島篇、韓国・釜山篇、日本海篇、稚内・礼文篇の６つだ。タイトルが「港町食堂」だけあって、ほとんどが食べ物の事で、「ああ、美味しそう！」と思ってばかりだ。しかし旅行が度重なるほど、食べすぎで体重を気にする表現が増えてくるところが、身近な人に思えて楽しい。何よりも面白いのは、奥田さん本人がまるで「伊良部医師」のようだということだ。もう一度「イン　ザ　プール」を読んで、へんてこな伊良部医師に会いたくなる。　　　　　　

2008年07月10日

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ゆめつげ

　　ゆめつげ　畠中恵著　　ざざっと物語は　＊＊＊＊＊＊幕末の江戸の小さな神社の禰宜である弓月は夢の中に入って捜し物をしたり、未来を見たりする「夢告」が出来る。ある日、大きな神社の神官に夢告してほしいと頼まれ、神社の修理の為に、礼金目当てに弟の信行と出かけていく。そこで、事件に巻き込まれるが、夢告をしながら解決していく。　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊主人公は、しゃばけシリーズのほんわかと暖かい雰囲気を持つが、物語はずっとサスペンス調だ。多分、生々しい流血の描写などが、しゃばけシリーズには無いものだからだろう。前半は、なかなか進まなかったのだが、真ん中あたりから、面白くて一気に読めた。　最近、他に読んだのは・・・・・・　　まんまこと　　　　畠中　恵　著　　小判商人　　　　平岩弓枝　著　　　　「御宿かわせみ」シリーズです。次の二つは、とても、綺麗な着物の写真集。昔の着物はとても丁寧に、心を込めて作られているのが良く分かり、何度見ても、楽しい。　　着物と日本の色（子ども着物篇）　　　　時代きものこのところ、あまり読んでいないのは、ちょこちょこと忙しい事がある為かと思っていたが、そうではなくて、ついＤＳをやってしまうのが、読書タイムを失くしていたようだ。ここらでそろそろ、読書復活しようと思う。

2008年06月05日

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