『ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせに(以下略)』 1972年
ディノの誕生日、レストランで食事をした後はLa Filmotheque Quartier Latinで『ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう』を鑑賞。(なんて大胆な、そしてなんて長い題名・・・。今回はちょっとだけストーリーバレがあります。)この日だけはウェスタンだろうと韓国映画だろうとディノが望むなら、私の好きじゃないジャンルの映画でもつきあってあげようと意気込んでいたのに、結局時間や場所の関係上「これ!」と思えるものがなかったそうで、大昔にテレビで見た事のあるというこれになってしまったのだった。 これが新しい年齢になってから初めて観る映画かよ・・・。人ごとだし、別にいいけどね。上映が終わってから彼は「面白くなかった。時間が経ち過ぎて色褪せちゃった感じ」なんて言っていたけど、実は私は結構楽しめた。ふだんはウディ・アレン本人が作中に出てくるのがあまり好きではないんだけど、今回は最初から最後まで突き抜けてアホくさいので7つのオムニバスのあちこちに何度も彼が登場するのが気にならなかったし、道化に扮している『媚薬は効くの?』や精子役の『射正(注)中に何が起きるの?』では、ここまでやり切るところが微笑ましくすら思えた。(注:この言葉をまともに打つと楽天のブログはアップできないみたいなので適当な当て字にします。)『ソドミーとは?』に出てきた羊はブサカワで、『女装する人は同性愛者?』の主人公はどこまでもどこまでもお間抜けで最後がさりげなくて、私もなんだか愛着湧いちゃった(笑)。『どうして女性の一部はオルガズムに至るのが大変なのか?』は、ただ雰囲気で笑わせてもらった感じ。ウディ・アレンがイタリア語で他者にぐちゃぐちゃ喋っているのが可笑しくて・・・話し手を中途半端に写すあの雰囲気、どこかで観た事があるかもと思っていたら、ディノは「アントニオーニを意識したんじゃないの?」と適当に返事。そうなのかな??最後にちょっと、考えてみよう。この映画、タイトルの割には何も教えてくれないと言われているみたいだし(原題には「教える」というニュアンスはないみたい)、それぞれの短編のタイトルを文字通りに捉えるなら1つ1つに回答が隠されていてもよさそうなものなのに、どうもこれというものが思い当たらない。だけどよく考えてみたらそれなりに答を提示してくれているのかもしれない。ちょっと確認してみよう・・。『Do Aphrodisiacs Work? 媚薬は効くの?』 答:ある!(あのストーリー展開を見る限り、これは間違いない。媚薬というよりはただの興奮剤かもしれないけど・・。)『What is Sodomy? ソドミーとは?』 答:身を滅ぼすもの(?)。『Why Do Some Women Have Trouble Reaching an Orgasm? どうして女性の一部はオルガズムに至るのが大変なのか』 答:提示されているんだかいないんだか微妙。男がとことん、女の欲望につきあってあげればOKという事??『Are Transvestites Homosexuals? 女装する人は同性愛者?』 答:そうとは限らない、という事よね?『What Are Sex Perverts? 性倒錯とは?』 さあ??このエピソードからは解き明かせないけど・・・紹介の仕方によっては世間の人に興味を抱かせたり笑わせたりできる、というのが答えなのかな??『Are the Findings of Doctors and Clinics Who Do Sexual Research and Experiments Accurate?性の研究または実験をしている医者や診療所の発見は正しいの?』 これはNO、だよね??あんな危険極まりない巨大乳首が出来たのも博士のせいなんだし。『What Happens During Ejaculation?射正中に何が起きているの?』 答:本編の通り!(ウディ・アレンが体を張って精子役を買って出て、デモンストレートしてくれてます。)私としては最初の4作品が面白くて後半の3作はぱっとしない感じだったけど、だからといって長さを感じる事もなくてあっという間に終わってしまった映画。笑わせようと狙っている映画やテレビがあまり好きではない私が楽しく観れたのだから、それだけでも満足です。ランキングに参加しています。投票(をクリック)していただけると、嬉しいです。上の写真は映画館入り口の横に貼ってあったウディ・アレン特集の広告。今年の6月ぐらいからずーーっとこれが掲示されているのは気のせい??