BABEL
「怖い絵」展に続いて、10月の終了前にすべりこみ、どうしても見ておきたかった「BABELの塔」展へ。どんなモチーフを、どのように組み合わせ構成しているか。なんでもモチーフにはなり得る。その素材をどうやって組み立てていくか。音楽と一緒だ。ジャンルが異なるからこそ、異なる視点からのヒントがもらえるし、思い切った発想で音楽を組み立てる勇気ももらえる。既存の型にはめなくても、もっと自由に作るってもいいんだと。でも、行き着く所は、何をテーマにするか。テーマにモチーフの素材を組み立ててどんな世界を描きたいのか。それが明確でないと、伝わるものがない作品になってしまう。テクニックだけ並べても、すご〜い様でも、何も伝わらず、心に残らない。感覚で作り始めて、テーマの端っこをつかんでまとめることができる場合もあるけど、結局、感覚だけのものは不完全燃焼で終ってしまう。何なんだろう。その違い?同時に見た展覧会との比較でなんとなく感じた。感覚的な色彩の組み合わせや、感覚的に思われるモチーフの作品の空虚さ。それに対して、緻密で、重厚で、密度の濃さ、そこからイメージさせるものの深さ広さ時間、歴史的、宗教的、哲学的地平の広がり。何でそこまでそのテーマを描きたかったのか、描かざるを得なかったのか。。小手先の知識や技術だけの寄せ集めでは到達できないBABELの塔のよう。作編曲や演奏もそうなんだろうなぁ。作家がこの作品にたどり着いた経緯や周辺が知れて興味深かった。偶然、1発で生まれるものではない、地味な道のり。国立国際美術館の近くでランチ。