母のこと
母の状況はいよいよ厳しい。胆管癌の進行は時間との戦いで、母の持ち時間はもうわずかしかない。でも、2度の内視鏡手術の結果、母の心は混乱をきたし、精神科の薬は母の気力と体力を奪ってしまった。ベットの上でうわごとのように見えない人の姿に話しかける母はあまりにつらい。今日、さっき自宅に介護ベットを入れてもらった。1日でもいい。自宅へ返してあげたい。私の疲れは母の看護だけではない。医師とのやりとりでずいぶん傷ついた。泣いて看護婦さんに慰められたこともある。毎日「なぜ?」という思いが駆け巡っている。悲しさと憤りと疲労は身体にこたえる。でも投げ出すわけにはいかない。これは私にしか出来ないことだから。母の笑顔を。