九州は焼酎の王国!
九州で造られるお酒は種類がとても豊富です。福岡県久留米市城島町の清酒蔵も有名ですが、特に有名なのが焼酎! 全国に854か所ある焼酎製造免許場のうち、九州・沖縄の8県には計382か所があり、全体の45%を占めています(国税庁「2018年度 都道府県別の製造免許場数」より)。 =単式蒸留焼酎の製造免許場数= 福岡( 48) 佐賀( 10) 長崎( 24) 熊本( 47) 大分( 36) 宮崎( 44)鹿児島(121) 沖縄( 51) 計(382) 東京( 15) ・なぜ日本酒ではなく、焼酎の工場が多いのか? 参考リンク(あくがれ蒸留所 九州に焼酎酒蔵が多い理由と、地域毎の特徴について) 日本全国では1,740か所の清酒蔵(日本酒を造る蔵)があります。その中で、九州・沖縄8県には計172か所の清酒蔵がありますが、焼酎の製造工場の数と比較すると半分以下です。なぜ九州では日本酒ではなく、焼酎の工場が多いのかは諸説ありますが、有力な説は以下の3つ。 (1)九州は高温の地域が多いので、身体を温める効果のある日本酒よりも、身体を冷やす効果のある焼酎が人気だから。 (2)九州(特に鹿児島県)はサツマイモの名産地。サツマイモを利用したお酒を造りやすい環境にあったから。 (3)遅くとも16世紀には九州で焼酎が造られていたという記録が残っています。その根底には「タイから沖縄経由でもたらされた」「中国から長崎県・壱岐経由でもたらされた」など、大陸から蒸留酒の文化がもたらされたという説があります。 続いて、焼酎の種類ごとに見てみましょう。 (1)芋焼酎:サツマイモが原料。味はかなり濃厚。主に鹿児島県や宮崎県で大量に造られています。私は特に「黒白波」がお気に入り。 造られる環境としては、まず桜島の火山灰で覆われた水はけの良いシラス台地。これが鹿児島の産業の特徴を決定づけたと言っても過言ではありません。そして暖かい気候という最高の条件のもとで育ったサツマイモが主原料として使われます。 主なブランド:霧島酒造「赤霧島」「黒霧島」、 薩摩酒造「白波」「黒白波」「さくら白波」、 本坊酒造「桜島」 白玉醸造「魔王」 (2)麦焼酎:主に大麦を原料とするもので、米焼酎よりクセが小さめ。麦特有の香ばしい香りが特徴。長崎県壱岐島で造られたのが始まりですが、現在は大分県が名産地です。 主なブランド:三和酒類「いいちこ」 二階堂酒造「二階堂」「吉四六」 高千穂酒造「高千穂」 (3)米焼酎:米を原料とするもので、味は濃厚。特に熊本県の人吉盆地で造られる米焼酎は「球磨焼酎」として有名。 主なブランド:高橋酒造「白岳」「白岳しろ」 鳥飼酒造「吟香鳥飼」 (4)そば焼酎:そばが主原料。味わいは麦焼酎よりも更に軽い。1973年に初めて販売されたという、歴史がとても新しいお酒です。宮崎県北部の五ヶ瀬町がふるさとです。この地域には非常に純度が高い清流が流れています。しかも一年通して気温が低いため、温度管理がしやすく、まさに焼酎造りに適した地域なのが特徴。 主なブランド:雲海酒造「そば雲海」 宝酒造「そば焼酎・十割」 (5)黒糖焼酎:黒糖から造られます。鹿児島県の奄美地方でのみ造られるのを許された焼酎。シロップのような甘い香りが特徴。ラム酒に似ているのがポイント。 主なブランド:奄美大島開運酒造「れんと」 富田酒造場「龍宮」 喜界島酒造「喜界島」 (6)栗焼酎:栗の実を主原料とします。宮崎県延岡市が発祥の地。 主なブランド:神楽酒造「栗天照」 (7)ジャガイモ焼酎:ジャガイモが主原料。ジャガイモの名産地・長崎県で造られています。 主なブランド:福田酒造「じゃがたらお春」 (8)トウモロコシ焼酎:トウモロコシとトウモロコシ麹を使用した焼酎です。宮崎県高千穂町で主に造られています。 主なブランド:高千穂酒造「静寂の時」 (9)泡盛:言わずと知れた沖縄名物のお酒。その正体は米焼酎。黒麴菌の米麴のみを原料とし、タイ米を使用するなど、本土のあらゆるお酒とは製造方法が大きく異なるのが特徴。3年以上貯蔵したものは「古酒(クース)」と呼ばれます。 主なブランド:比嘉酒造「残波」「残波プレミアム(古酒)」 ヘリオス酒造「くら」 ここで、今日のまとめ。 さあ、もう年末だ!コロナがなんだ、みんなで乾杯! 引用元:アニメ「ご注文はうさぎですか?BLOOM」第4話より。 メグちゃん、マヤちゃんはビールと見せかけて、実はりんごジュースを飲んでます。 当然、Twitterでは 「未成年飲酒だあああああああああああああああああ」 「手を出してしまったか……」 と大騒ぎになったのは言うまでもありません。