子だくさん家庭が多い熊本県の秘密。
今日はこどもの日。ですが、4日に発表された子ども(15歳未満)の推計人口(2022年4月1日現在)は、約1,465万人(総人口に占める割合は11.7%)。1982年以来、41年連続で減少が続いている状態という寂しい限りです。それにしても「少子高齢化」は、私が小学校高学年だった1990年代後半には既に深刻な問題になっていました。 そんな中、熊本県では1世帯あたり3人以上の子どもがいる「多子世帯」が増加中だというのです。九州はもともと子だくさんの家庭が多いことで有名です。 特に熊本県では、宇土市に住む10人きょうだい(両親を合わせて12人)の大家族が有名です(それが、下記の新聞記事にある岸さん一家です)。第1子と末っ子とでは17歳もの年齢差があります。 大家族の20年、映画に 宇土市の岸さん一家 29日から先行上映(4月23日、熊本日日新聞) 10人の子どもを持つ大家族として知られる宇土市の岸英治さん(68)、信子さん(66)一家の約20年間を見つめたドキュメンタリー映画「人生ドライブ」が、29日からDenkikanで先行上映され、5月21日から全国公開される。自宅の火災や病気の発症など岸さん一家を襲った苦難の連続の中、前向きさを失わない家族愛を描いている。 1983年に結婚した岸さん夫妻は20~37歳の7男3女と、1~9歳の13人の孫に恵まれた。現在は四男大我さん(26)、五男日向さん(24)、七男不動さん(20)、信子さんの母、永柄ミツ子さん(90)と6人で暮らす。 映画は不動さんを妊娠した場面からスタート。英治さんが新聞配達など複数の仕事を掛け持ちしながら一生懸命に働く姿や、2010年に自宅が全焼する火災に遭いながらも立ち直る様子、子どもたちの結婚や巣立ちの場面などに密着している。 信子さんは「火災の後も、近所の人が変わらない態度で接してくれて、多くの人から支援してもらった」と感謝する。20年には脳梗塞で緊急入院するが、「そのおかげで別の病気が見つかった」とプラス思考で生き抜く。笑顔を絶やさない信子さんに、英治さんも「未来にもっと違う幸せがあると思えば頑張れる」と前向きだ。 映画は、2000年ごろから一家に取材する熊本県民テレビが開局40周年事業として製作。「岸さん一家の暮らしは、身近なところに幸せがあると気付くヒントになる」と一家を取り上げた「NNNドキュメント」などを93分の作品に再構成した。 (池田祐介) (引用終わり) 10人きょうだいだけでもすごいのですが、一組の夫婦で13人もの孫に恵まれたこともすごいですね。ちなみに私の一族の場合、父方の祖母から見ると、息子2人、孫5人(全員男)、ひ孫2人。いずれにせよ、昭和初期生まれの人と令和生まれの赤ちゃんが出会えるのは本当に奇跡です。 さて、そんな子だくさん家族が多い熊本県には何か秘密があるのか?首都圏では実現できないけど、九州では実現できる何かがあるのか?やはり、どうやら政策の問題らしいです。 子ども3人以上 「意外」な増加 熊本の9割市町村 手厚い支援背景か(5日、熊本日日新聞) 全国的な少子化で18歳未満の子どもがいる「子育て世帯」が減る中、熊本県内では9割の市町村で子育て世帯に占める3人以上の多子世帯の割合が増加したことが熊日の分析で分かった。2015年と20年の比較で多子世帯の数自体が増えた自治体も3割あり、子どもを持つ場合に多人数を志向する傾向がうかがえる。 こどもの日を前に15年と20年の国勢調査を比較、調査区分が異なるため母子・父子世帯を除く子育て世帯について調べた。多子世帯の分析は珍しく、専門家も「意外だった」と話す。 15年調査では、県内の子育て世帯12万9652世帯に対して多子世帯は3万1543世帯、割合は24・3%だった。20年調査では、県内の子育て世帯12万771世帯に対して多子世帯は3万1494世帯。割合は26・1%と5年前より1・7ポイント増加し、全国の18・4%を7・7ポイント上回った。 多子世帯の割合は県内45市町村のうち40市町村で増加。多子世帯の割合が40%を超えたのは湯前、山江、球磨の3町村。熊本市は22・4%と割合は最も低かったが、5年前よりは1・5ポイント増加した。 熊本や合志、益城など13市町では多子世帯の数自体が増えた。嘉島や菊陽など熊本市周辺の町が目立つ。熊本、益城、甲佐など9市町では、子育て世帯の数が減る中でも多子世帯の数が増えている。 各市町村は子どもの医療費無償化の対象拡大や小中学校の給食費補助など、さまざまな支援策を打ち出している。熊本大大学院の八幡彩子教授(家政学)は「多子世帯の割合が増えているのは意外。母数が減った影響も考えられるが、子育て中の人の意識変化や行政による環境整備なども要因かもしれない」と分析。各世帯の経済的な要因よりも周囲の手助けや行政による経済的な下支えが影響している可能性を指摘した。 (立石真一) (引用終わり) ==子育て世代における「多子世帯(子だくさん家族)」の割合(2020年国勢調査)== 熊本市 22.4%(+1.5%) 八代市 26.9%(+2.4%) 人吉市 29.5%(+1.9%) 荒尾市 28.0%(+3.2%) 水俣市 26.9%(+0.3%) 玉名市 30.1%(+1.5%) 山鹿市 31.1%(+1.2%) 菊池市 33.0%(+0.9%) 宇土市 26.6%(+2.1%) 上天草市 30.8%(+1.3%) 宇城市 30.4%(+2.6%) 阿蘇市 32.9%(+1.2%) 天草市 30.6%(+2.0%) 合志市 25.6%(+2.5%) =下益城郡= 美里町 36.0%(+4.2%) =玉名郡= 玉東町 33.1%(+1.6%) 南関町 33.9%(+2.4%) 長洲町 30.0%(+4.2%) 和水町 34.7%(+4.1%) =菊池郡= 大津町 26.4%(+2.5%) 菊陽町 23.5%(+2.2%) (以下、追記予定) =阿蘇郡= =上益城郡= =八代郡= =葦北郡= =球磨郡= =天草郡=