15年使ったパソコンがついに壊れる・・・が、コンデンサ交換で復活
2003年に自作し、今年の秋まで、およそ15年8ヶ月使ったパソコンがついに壊れました。それまでハードディスクは2度、電源とDVDドライブは1度交換していましたが、マザーボードとCPU、メモリなどの基幹部品は自作した当時のまま、大きなトラブルも無く使い続けていました。このパソコンを使う目的は限られていて、その用途に使う分には十分にその目的を果たせていたので、15年前のパソコンでも全く不自由は感じていませんでした。OSは、ずいぶん前にマイクロソフトのサポートが終了したWindowsXPです。ちなみに自宅では現在、別の用途でWindows10のデスクトップ1台とノート2台、Windows8.1とWindows7のノートPCをそれぞれ1台(一度はwin10にアップ済み)使っていますが、ある用途に限って言えば、それらのPCと比べて動きが遅いということもありませんでした。起動時間は10と比べれば遅いですが、1分はかからないので、待たされる感じはしません。むしろ、この古いパソコンには、他機にはない愛着がありました。その理由は、このパソコンは一貫して遊びにしか使っていないからだと思います。遊び用ですから何でもアリで、中身は15年も前のファイルが保存されているため、電源を入れて1分以内にその頃の記憶にアクセスできます。容量的には160GBの内蔵HDDが2台、外付けHDDを含めても1TBほどに過ぎませんが、イメージ的には膨大な内容が収まっています。小学校5年から中学三年まで毎日書いていた日記も、高校時代にワープロでデジタル化したため、FDDを繋げば35年前の記憶にもアクセスできます。一応、HDD交換時にはPowerMaxでローレベルフォーマットをかけて処分していますが、他人には価値のない内容ばかりで、昔の記憶にアクセスできたからといって意味はありません。その15年前のお気に入りPCが、今年に入ってから不安定になってきました。症状としては、画面が固まり、気づいた時にはマウスポインターが動きません。次第にブルーバック画面も出るようになりました。今回もHDD交換で直るだろうと気楽に考え、シーゲートのクローンソフトで別のHDDにOSごとコピーして、一時は改善したように見えました。しかし、大もとの原因はハードディスク自体ではなかったようで、交換後も次第にフリーズする頻度が増え、フリーズはしなくてもCDやDVDを焼損じることが多くなりました。ドライブの問題かと、別のドライブに交換してみましたが改善しませんでした。フリーズ時に強制シャットダウンする回数が増えたため、新しくOSを入れ替えたHDDもブルーバック画面が出るようになってしまいました。いよいよ寿命が来たかと、HDDのデータを別の遊び用PCに移動しました。壊れたPCのマザーは燃えないゴミに出し、使っていたケースには下の写真の兄のお古でも入れようかと思いました。しかし先日、KENWOODのCDプレイヤー、DP-SE7の電解コンデンサを交換した時に、その関連記事でマザーボードの電解コンデンサを交換して使っている人のサイトを拝見しました。その記事によると、マザーボードの寿命は電解コンデンサの寿命に左右される場合が多いらしく、劣化したコンデンサを交換すればまだ使える場合もあるというのです。正直な話、コンデンサを交換してまで古いマザーを使っている人がいることに驚きました。自分が16年も前のマザーボードをつい先日まで快適に使っていたことも忘れて、そんな古いマザーボードに使う用途があるのかと思ってしまいました。そんな矛盾はともかく、ただコンデンサを交換するだけで復活するなら、別のマザーボードに変えて、わざわざチップセットドライバーやらライティングソフトなどを入れ直すより、手間と時間もかからないのではないかと思いました。ただ、オーディオ修理のお気に入りのサイトには、マザーボードの電源コンデンサが爆発したという記事もあったので、古いマザーボードを適当に修理して使い続けるには危険も伴うようです。しかし、どうせ捨てるのですから、試しにコンデンサを交換してみるのも面白いかなと、とりあえずケースを開けてマザーボードを覗いて見たところ、案の定、CPUクーラーの横にある5つの大容量コンデンサが膨れ上がり、そのうちの2つはすでに液漏れしていました。こんな状態で、最近まで使えていたことが信じられないくらいの状況でした。15年間、ほとんどトラブルもなく働いてくれた優秀なマザーボードは、BIOSTAR社のP4VMA-Mという機種で、組んだのは2003年の冬だと思います。取ってあった箱によると、秋葉原のfaithで5780円でした。MicroATXの中では2番目くらいに安いマザーボードで、その直前に、それより安いPCチップスというメーカーのMicroATXマザーボードでも1台組みました。その後、ソケット478ではGIGABYTEのマザーボードでも1台組みましたが、そのマザーボードは10000円以上したにもかかわらず、4年ほどでグラフィックコントローラーがダメになってしまいました。当時、GIGABYTEやASUSに比べてBIOSTARやPCチップスのマザーボードは半額くらいだったので、当然耐久性も劣るものだと思っていましたが、結果的には価格の安い2つのメーカーの方が長持ちしたことになります。あまり使わなかったから長持ちしたわけではありません。組んだ当時から6年間ほどは、仕事から帰宅後、次の日の出勤まで夜間の12時間は常時電源を入れ放しにしていたし、最近までほぼ毎日、動画を観るために一日1時間は電源を入れていました。オーディオ熱が再燃したこの1年で、CDを400枚くらい焼いたし、買ってから合計すればメディアは3000枚以上焼いたと思います。このPCに使ったLG電子のDVDマルチドライブGSA-4160Bが優秀だったこともあると思います。同じドライブを予備に2台購入していたため、10年使った時点で一度交換しました。HDDは2回交換し(故障後を入れると3回)、DVDドライブと電源は一度交換しましたが、マザーボードとCPUとメモリは当時のままです。メモリはハイネックス製のPC3200の512Mを2枚、CPUは当時、消費電力と性能のバランスが良かったノースウッドPentium4の3.0Ghzです。というわけで、興味本位で、お気に入りPCの復活も少し期待して、コンデンサを交換してみることにしました。まずはP4VMA-Mから膨らんだコンデンサを外しました。最初は中学生の頃に授業で自作した30Wのハンダゴテで外そうとしましたが、温度が上がらず、鉛フリーらしいハンダが溶けませんでした。そこで、温度調節機能付きのハンダゴテの温度を370度に設定しD型の小手先で当てて見ましたが、こちらでも溶けが悪いです。徐々に温度を上げて行き、最終的には最高温度の500度に設定し、ようやく取り外すことが出来ました。しかし、コテ自体がだいぶ焼けて色が変化してしまいました。P4VMA-Mから取り外したコンデンサに表示されている容量は3300μFで、耐圧は6.3Vです。その一つを試しにコンデンサ容量計付きのデジタルテスターで測って見ると、48μFしかありませんでした。CPUの電源平滑用らしいコンデンサ一つの容量が2%以下になっても、このマザーボードは起動出来ていたようです。3300μFの電解コンデンサは1個100円以上するようなので、直るのか分からないマザーボードにこれを数個使うのはもったいないような気がしました。そこで、昨年、知り合いの家の片付けを手伝った時に不用品として回収し、HDD以外は捨てるつもりで物置に放置していたDellのパソコンのマザーボードから、コンデンサを外して使うことにしました。しかし、そのDellのパソコンに付いていたMSIのマザーボードのコンデンサは耐圧は同じですが容量が1800μFしかありませんでした。その代わり、数は倍くらい使われていました。また、P4VMA-Mに比べれば新しいものの、そちらもかなり古いので、使用前に容量を確認してみました。MSIのマザーから外したコンデンサの容量をすべて測ってみると、どれも1700から1800μFくらいは維持していました。ただ、3300μFが使われていた場所に半分の容量では、どう考えても不足です。そこで、下の写真のように2個をパラレルで取り付けてみました。2個のコンデンサを並列に繋げた線は、カテゴリー5eのLANケーブルをほぐしたものです。パラレルにしたコンデンサをマザーボードに取り付け、マザーをケースに戻し、恐る恐る電源を入れてみたところ、なんと、復活してしまいました。まさか、素人が適当にコンデンサを交換するだけで本当に直るとは思いませんでした。現在、4週間ほど使用していますが、いまのところ正常に使えています。電源を6時間ほど入れっぱなしにしてチェックディスクをかけたりデフラグしたり、試しにCDを焼いたりしましたが、フリーズすることはなくなりました。気のせいか、前より起動時間が早くなったような感じです。捨てるつもりのマザーボードから外したコンデンサを使った修理で、いつまで持つか楽しみです。