百人一首 52番歌 明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほ恨めしき 朝ぼらけかな
百人一首 52番歌明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほ恨めしき 朝ぼらけかな あけぬれば くるるものとは しりながら なほうらめしき あさぼらけかな 作者:藤原道信朝臣(ふじわらのみちのぶあそん)藤原道信 972~994 平安中期の歌人。中古三十六歌仙の一人。寛和2年(986年)伯父・藤原兼家の養子として淑景舎にて元服。正暦2年(991年)左近衛中将兼美濃権守に任官。当時流行していた天然痘により23歳で卒去。 気が付けばあたりが明るくなる朝になってしまった。また君に逢えるとわかっていても別れが切ない夜明けですね。平安時代の貴族たちの恋愛は、男が女の元に通うのが一般的でありました、男は家に帰ってから「後朝(きぬぎぬ。男女が共寝をした翌朝)の歌」を贈るのが通例でした。『後拾遺集』の詞書に、「女のもとより雪降り侍る日帰りてつかはしける」とあるそうですから雪降る寒い朝に別れて帰るわけですからこの歌の意味合いも更なりでありますね。※