東欧の国:ルーマニア 地理と国民
地理西のセルビア、南のブルガリアとの間におけるルーマニアの国境は、基本的にドナウ川を境界としている。モルドバとの国境線であるプルト川もドナウ川と合流し、東に位置する黒海に注ぐ。ドナウ川の河口は三角州(ドナウ・デルタ)となっており、生物保護区となっている。これらの自然国境はそれぞれの川の流路変更によって変化する。また、ドナウ・デルタは、年に2~5 km²ずつ面積を増やすため、ルーマニアの領土面積はここ数十年、増加の傾向にある。1969年に237,500 km²だった総面積は2005年には238,319 km²となっている。ルーマニアの地形は34%が山地、33%が丘陵地、33%が平地である。国の中央をカルパチア山脈が占め、トランシルヴァニア平原を取り囲んでいる。カルパチア山脈のうち14の山は2000m級であり、最高峰モルドヴェヤヌ峰は 2,544 mである。カルパチア山脈は南の丘陵地帯に続き、さらにバラガン平野に至る。国民チャウシェスク政権時代の人口大増進政策によってルーマニアの人口はバルカン半島一となっている。しかしそのために子供を育てきれなくなった親が子供を捨てるといった事例が続出し、大量の孤児(ストリートチルドレン)を出してしまい、孤児院は常時満員状態となった。民族住民は、ルーマニア人が89%、マジャル人(ハンガリー人)が6%、ロマ人が2%などである。その他にはセルビア人、ウクライナ人、ドイツ人、トルコ人、タタール人、スロヴァキア人、ブルガリア人、ロシア人、ユダヤ人、ノガイ族等が居住している。ルーマニア人は古代のダキア人と植民したローマ人の混血だとされているが、異論もある。マジャル人の多くはハンガリーとの領有権問題を抱えるトランシルヴァニアに居住している。言語公用語はルーマニア語であり、東欧ではモルドバと共に数少ないロマンス系言語を公用語とする国家である。その他、ハンガリー語、ドイツ語、フランス語等も使われている。宗教2011年の調査によれば、宗教は、正教会の一派ルーマニア正教会が81%、プロテスタントが6.2%、カトリックが5.1%、その他(その他のキリスト教、イスラム教(英語版)、エホバの証人、ユダヤ教)が1.2%、無宗教が0.2%、無効データが6.2%である。教育7歳から14歳までの8年間の初等教育と前期中等教育が義務教育であり、無償となっている。主な高等教育機関としては、ブカレスト大学(1864年)などが挙げられる。保健現在ルーマニアは深刻な野犬の問題に直面している。全国で推定200万匹が野放しになっている。2005年において同国内で2万人以上が犬に襲われる被害を受けている。当局は駆除に乗り出そうとしているが、動物保護団体の激しい反対に合い対策は進んでいない。2006年1月7日、動物愛護活動家でもあるフランスの女優ブリジット・バルドーは声明を出して駆除計画に抗議、ルーマニア当局を非難した。同年1月29日、日本人男性がブカレストで野犬に噛まれ、失血死する事件が起きた。引用:Wikipediaエクスペディアの海外ツアー