統計学:ITと統計学の素晴らしき結婚
なぜ今、統計学が花開いたのか1948年、当時増加傾向にあった心臓病の原因を明らかにするために「フラミンガム研究」という疫学研究が立ち上げられました。フラミンガムには当時2万8,000人の住民がおり、29から69歳の住民のうち約2/3にあたる5,127人がこの研究に参加しました。この疫学研究がその後、統計学が各領域で重要視されるきっかけとなりました。フラミンガム研究の調査が2年に1回だったわけフラミンガム研究は5,000余名を対象に検査と聞き取り調査を行うというもので、研究スタート時はその調査間隔は2年に1回でした。毎年調査すればと思いますが当時はこれが限界でした。研究スタート時にデータの入力・管理、集計に使用できた設備は「パンチカードシステ」だけでした。この設備では2年に一度の調査が限界だったのです。フラミンガム研究が10年間にわたる調査データを分析できるようになったのは、60年代にIBMが大型汎用計算機が利用可能になってからでした。退屈だった「紙とペンの統計学」かつての統計学の教育は黒板とチョーク、紙とペンを使い、数式を理解し、数10件のデータを手計算で分析するといったものが中心でした。しかし、ITの目覚ましい進歩によりデータ量や計算の複雑さは、ほとんど問題にならなくなりました。その反面、現代の統計家は数理的な理解とIT的応用の双方に精通しなければならなくなりました。「ビックデータ」という言葉が流行るわけITの進歩した現在、会社の業務プロセスはすべて電子化済みで、どんな大量データでも、どんな計算でもできる技術ができた今、計算すべきは「統計解析」以外にないといっても過言ではありません。「統計解析」という言葉を魅力的に伝える為に最近使用されるのが「ビックデータ」、「ビジネスインテリジェンス」といった流行り言葉ではないでしょうか。2010年8月23日付けでマイクロソフト社がMicrosoft JobsBlogにテクノロジー分野で今後最もアツい3つの専門性として以下をあげました。1、データマイニング、機械学習、人工機能、自然言語処理2、ビジネスインテリジェンス、競合分析3、分析、統計(特にウェブ分析、A/Bテスト、統計解析)これから10年で最もセクシーな職業2009年1月、Google社チーフ・エコノミスト、ハル・ヴァリアン博士はマッキンゼー社の発行する論文誌にて次のように語りました。I keep saying the sexy job in the next ten years will be statisticians.(私はこれから10年で最もセクシーな職業は統計家だろうと言い続けてるんだ。)※「sexy」とは「イケてる」、「とても魅力的」という意味引用:「統計学が最強の学問である」、西内啓 著、ダイヤモンド社【送料無料】 統計学が最強の学問である データ社会を生き抜くための武器と教養 / 西内啓 【単行本】