フィナステリド(プロペシア)
承認年2005年開発の経緯Merck Sharp & Dohme Corp., a subsidiary of Merck & Co.,Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は、1950 年代に男性ホルモンの研究を開始し、男性ホルモンと関連した疾患として、前立腺肥大症、ニキビ、男性型脱毛症や男性型多毛症に関する情報を蓄積してきた。1960 年代後半、5α-還元酵素がテストステロンをより強力な男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)へと変換することが判明した。それを受け、Merck Sharp & Dohme Corp., a subsidiary of Merck & Co., Inc., Kenilworth, N. J., U.S.A.は5α-還元酵素阻害薬の開発に着手し、4-アザステロイド化合物であるフィナステリドが、5α-還元酵素Ⅱ型に対する強力なin vitro 阻害作用を有し、男性ホルモン受容体に対し有意な親和性を示さず、男性ホルモン、エストロゲン、抗エストロゲン、プロゲスチン、あるいは他のステロイドホルモン様の性質を示さないことを見出した。男性型脱毛症患者の治療に関する海外での臨床開発は、前立腺肥大症患者におけるフィナステリド5mg/日の長期安全性が確立された後に、1991 年から開始された。1997 年に1mg/日の用量で男性型脱毛症の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)の承認を受け、現在(2011 年末現在)に至るまで海外60 ヵ国以上で承認されている。国内での開発は、2001 年6 月より第Ⅱ/Ⅲ相二重盲検比較試験を開始し、2005 年10 月11 日に男性型脱毛症の治療薬として承認され、同年12 月14 日発売された。2021 年7 月、MSD 株式会社からオルガノン株式会社に製造販売承認を移管した。製品の治療学的特性(1)1 日1 回の内服薬。(2)ジヒドロテストステロン(DHT)の産生抑制フィナステリドはテストステロンからDHT(抜け毛の原因物質)へ変換する酵素(5α-還元酵素Ⅱ型)を阻害する(in vitro)。フィナステリドは各種ステロイドホルモン受容体に親和性を示さず(ハムスター、ラット)、また、エストロゲン様作用、抗エストロゲン作用、ゴナドトロピン分泌抑制作用、アンドロゲン様作用、プロゲスチン様作用および抗プロゲスチン作用は認められていない(ラット、マウス、ウサギ)。(3)プロペシア®の改善率は0.2mg 群54%、1mg 群58%であり、プラセボ群に対して有意に優れていた。なお、0.2mg 群と1mg 群の間に有意差はみられなかった。(国内臨床試験:1 年後頭頂部写真評価)(4)90%に抜け毛進行抑制・改善効果(参考:海外データ)1mg 投与5 年後の写真評価によると、90%の患者で抜け毛の進行を抑える効果、あるいは改善効果が認められている。一方、プラセボ群では25%であった。(5)承認時における副作用発現率(臨床検査値異常変動を含む)は4.0%(276 例中11 例)であった。主な症状はリビドー減退1.1%(3 例)、機能不全0.7%(2 例)であり、臨床検査値異常変動は0.7%(276 例中2 例)〈総コレステロール増加、ALT(GPT)上昇各1 例〉であった(承認時社内集計)。販売名和名プロペシア®錠0.2mgプロペシア®錠1mg洋名PROPECIA® Tablets 0.2mgPROPECIA® Tablets 1mg名称の由来一般名和名(命名法)フィナステリド(JAN)洋名(命名法)Finasteride(JAN,INN)ステム(stem)テストステロン還元酵素阻害剤: -steride引用:プロペシア・インタビューフォームあなただけではない円形脱毛症 よい患者・医者選び