広角レンズの不思議な世界「東京散歩」
さて、もう少しビーナスフォートの写真を紹介しましょう。広角レンズを使った少し不思議な写真です。広角レンズは名前のとおり広い画角を持ちます。ビーナスフォートに行った事がある人は「あれこの像の向かいにこんな丸い飾りがあったっけ?」と悩んでしまうかもしれません。もしこんな飾りが無かったとすれば、これは合成写真?この丸い飾りのような物体は実は天井なのです。広角レンズだけが撮影できる不思議な光景です。もちろん魚眼レンズになればもっと特殊になりますが、あまりに特殊で一般向けではなくなります。こうしてみると広角写真は面白いのですが、このあまりに肉眼で見た景観とは違う風景が写真撮影をとても困難なものとします。10mmクラスの超広角レンズを持つ人たちはこの難しさに耐え切れず、高価なレンズをタンスの肥やしにする人が多いのです。ちなみに18mm以降であれば普通のレンズでこの違和感に悩まされることはあまり無いと思います。人事ではなく私も危なかったのです。普通、カメラで写真を撮影するときはまずカメラを構えず肉眼でイメージを描いてからファインダーを覗きます。指で四角い形を作る人もいましたね。しかし広角の場合はそれが出来ません。自分の目で見た景色よりはるかに横、もしくは上下の風景画入り込んでくるので、まずは見渡すことが必要になります。左右に人がいないか、上下にいらないもの、例えば電線やマンホールが無いか。でも一番の敵は自分の指(笑)左手の指(特に人差し指)を伸ばしていると写真に入ってしまいます。これに慣れるまで大変でした。とにかく写真のセンスより望遠には必要ない注意深さが無ければ使いにくいレンズです。