映画『地獄の黙示録』- 製作現場こそまさに地獄!!
製作現場こそまさに地獄!!地獄の黙示録Apocalypse Nowアメリカ(1980年2月)153分 ■ 監督 フランシス・フォード・コッポラ■ 出演者 マーロン・ブランド/ マーティン・シーン/ デニス・ホッパー/ ロバート・デュヴァル..........................................................................................................- INTRO -今は去ること はるかな昔・・・文部省の推薦とやらで当時我がクラスは引率付きで都市汲んだりまで出向いて映画館で本作を鑑賞する事になったテスト後のイベントとして定着した映画鑑賞であったが、数本の候補がある中なぜこの映画を選んだかについてはまず「超大作だから」「お金が掛ってるから」何となく「コッポラの名前を聞いていたから」 の他圧倒的だったのは 戦争映画だったから であるベトナム戦争の狂気を描いているという事は映画評論家の批評で知っていたがベトナム戦争はともかく、「狂気」といえば、何となくレコード屋のロックのコーナーに陳列されていた黒地にプリズムのジャケットのイメージがある程度で、狂った様に戦闘をする事を批判する映画なのだろうなどと軽々しく想像しながら何の予備知識無しに本作に挑む 烏合の衆 が見たものはナパーム弾投下の物凄いスペクタクルシーンの後は打って変わったように延々と川をさかのぼる主人公達の疲弊した姿を捉えた重々しいばかりの映像で明らかに選ぶのを失敗した、という声が各所から上って来そうな淀んだ空気の場内を尻目に、主人公達は目的地に到着し既にドン引きの学童達に更に追い討ちをかけるのは、6月の空よりも重々しく展開する人生初体験のシュールな芝居であった。バカな学童達の頭の機能はゆうに処理能力を超えるばかりの思考を停止(居眠り)させるには充分な超大作であった。帰りの電車の中でクラスメイト達は口々に「クレイマー・クレイマー」にすれば良かったね、きっと面白かったよ と・・・昔の学校とは学童の情緒をかくも過大評価した機関であったとつくづく思う。■A South Vietnamese UH-1H is pushed overboard to make room for a Cessna O-1 landing.(画像参照: wikimedia)さて、ベトナム戦争と言われて当時のブログ主がイメージした事は、稲穂が茂る田畑を横切る戦車をあぜ道から見ている農民の後姿を写した写真と甲板に溢れたヘリコプターを海に人力で落としている映像、の2つである。頭の弱い学童であったが、ベトナム戦争でこの二つをイメージ出来たことは我ながらツボを得た洞察力と言えるであろうか。なにしろ前者の写真は、アメリカ軍が南ベトナムの民意を損なう行為を写したものであり、後者はサイゴンが陥落しアメリカ空母の甲板に 避難する南ベトナム政府関係者 で溢れかえる姿を撮影したものだからである。当時は気が付かなかったが、前者の写真の戦車は田畑を横切っていると言うよりは明らかに稲穂にキャタピラの轍の跡を付けようとしてわざと田畑のど真ん中を進んでいる様に見える彼らにとっては稲も単なる長い草でしか無く戦車で 気晴らしで踏み潰していた に違いない。農民は自分達を支援に来た筈の米軍に自分の田畑が荒らされ、あぜ道で呆然として立ち尽くしている。この、日本人であれば誰でも理解できる「心情」を、「米」を主食にしないアメリカ人の到底理解する事の無い、自覚無き蛮行が写された写真が1つ目のイメージである。クチでは支援と語り ベトナムをまるで新兵器の実験場にする様な戦闘を繰り広げ兵士のきばらしにベトナムの人々が食する 命の糧 を踏み潰しベトナム国内を戦闘によって散々荒して行くそんな不誠実なアメリカを 憎む気持ちはベトナム全土に拡がりいつしか南と北の民衆が互いに手を取り 共にアメリカ排除へ向けて激しい抵抗を始める事になる奇しくも 共通の敵を見出した事により こうして南北ベトナムは統合されて行くのである南北の争いだった戦いは、いつの間にか ベトナム対アメリカの戦いへと変化し世界情勢の変化と、ベトナムの民意を失った連合軍は 各地で撤退を余儀なくされ終戦間近には アメリカ寄りだった南ベトナム政府はベトナムから追われ、パニックで米軍空母に押し寄せた政府関係者で甲板がごった返した姿を撮影したのが2つ目のイメージである。ベトナム戦争の真実とは、世界一を自負するアメリカの思いあがりと不誠実が民意の前に 失墜 した敗戦であったと言える。そもそもブログ主が本作の真意を理解するに到る情緒を形成するのも、 本作鑑賞から数年を経ての話で あっ た・・・..........................................................................................................-STORY-現地人部隊を組織・訓練するため、ナン河上流のジャングル奥地に潜入したカーツ大佐がその後、後方との連絡を絶ち、ジャングルの奥地に「王国」を築いて自らそこの支配者に収まっているとの情報から、軍部は特殊行動班のウィラード大尉を現地に派遣し河をさかのぼりカーツ大佐を暗殺する密名を下す。..........................................................................................................-解説-純粋な戦争映画では無い本作は、歴史的事実や史実にのっとった戦略を描いたものでは無く戦争の狂気そのものを描いており軍事行動を中心に描く通常の戦争巨編とは 一線を画す 作品です猶予う様に意味深なミステリアスなシーンが延々と続き一人の兵士が見たベトナム戦争の姿を追体験する形で 鑑賞者に訴える手法を取っており当時のアメリカにとって、南ベトナムの支援目的にに派遣された米軍が行った軍事行動が南ベトナムばかりか、アメリカ全土で民意を失いその挙げ句敗戦した戦争を描くのはアメリカに取って触れられたくない「傷」であった事からも映画化にあたりハリウッドが懐疑的であった点でも 異色作と言える作品です□■本作本来の目的はベトナム戦争の様々な面を更に掘り下げて戦争の裏に潜む 道徳問題まで踏み込むものでしたが映画制作を進めるにつれ 徐々にそれ自体が 一人歩き をはじめて行き当初ベトナム戦争を扱った唯一のアメリカ映画を目指したというコッポラの思惑とは外れ映画製作 そのものが映画のストーリーとリンクした壮絶なものになって行きましたそれを物語る様に 撮影期間は延長に延長を重ね制作費は莫大に肥大していきます撮影当時 まだ明確なラストシーンが決まらないまま残るクライマックスの撮影に挑みコッポラの現場での思い付きで進行する演出には脚本すら存在しなかったと言います出演者にはモチーフのみ与えて延々アドリブによる手探りな撮影を続けベトナム戦争で疲弊していた兵士達さながらの、何時終るともしれぬ撮影現場にスタッフの疲労は頂点に達し、まさに撮影現場こそ 地獄絵図 と化しますそうして完成したラストは、鑑賞者に解釈を委ねるような難解な造りの結末となって行くのでした■□本作の「鍵」となる マーチン・シーン 演じる主人公ウィラード大尉は観客と同じ様に見知らぬ国の戦争を見つめる瞳で戦闘に参加せず戦闘行為の驚異を唯只 見つめる事に終始 していますその様な中で唯一取った行動はジャングルの奥地でさながらどこかの共産国をミニマル化した様な王国を作ったマーロン・ブランド 演じるカーツ大佐を殺害した事でしたその行動を、狂人に脅威を感じた自衛的行動と取るか心の奥底の「何か」に駆り立てられた発作的行為と取るか「2001年宇宙の旅」のボウマン飛行士が狂ったコンピューターを停止して行く中で人間の脳を模して造られたシステムの最後に残ったユニットが「恐怖」であった様にラストのカーツ大佐が残した言葉が人間の生存する 本能 を物語ったモノだったのかどうかは鑑賞した方自身が判断するのが良いのでしょう☆M「こんな悪魔でも携帯は守れるらしいぜw」地獄の黙示録【Blu-ray】価格:1,500円(税込、送料込)iPhone6 iPhone5c iPhone5s iPhone5 iPhone4S ケース カバーiPhone シリーズ 悪魔 シリコンケース価格:1,382円(税込、送料別)