映画 『タワーリング・インフェルノ』 ミュージカル映画の様な絢爛豪華な顔ぶれ
ミュージカル映画の様な絢爛豪華な顔ぶれタワーリングインフェルノThe Towering Inferno1975年6月 アメリカ 165分■ 監督 ジョン・ギラーミン■ 出演者スティーヴ・マックィーン/ポール・ニューマンウィリアム・ホールデン/フェイ・ダナウェイ/フレッド・アステア(※2014年2月6日 全文章書き直し更新)......................................................................................................................過去 『パニック映画』 と呼ばれた デザスタームービーの定義はまず 災害を舞台に描かれる所にあるのですが(04)「デイ・アフター・トゥモロー」 や (09)「2012」果ては (04)「ソウ」みたいなものまで入れますと かなり多義に渡って来ますここで言う 『パニック映画』 とは、古き良きハリウッド映画の流れを受け継ぐ絢爛豪華な顔ぶれによる群像劇の形を取ったグランドホテル形式の スペクタクル映画 を指し(97)「タイタニック」や (91)「バックドラフト」 の様な新世代によって製作されたものではなく(56)「ベンハー」や (59)「十戒」などの50年代、60年代、ハリウッド大作志向の流れを汲む作品を指します本作はその流れを汲む、古き良きハリウッド映画の栄華を味わえる最後の超大作映画と呼べる作品です......................................................................................................................-STORY-サンフランシスコにそびえ立つ超高層ビルグラスタワーの落成式が催され 各界の著名人達が訪れる中設計士のダグ(ポール・ニューマン) は工事に設計図と違う資材を使っている事に気付き工事を担当したオーナーの娘婿シモンズを問い詰める。規格外の電気工事を施していた事が判明すると ダグはオーナーに落成式中止を進言したが既に81階の備品室では火災が発生していた。......................................................................................................................-解説-『パニック映画』 という言葉が流行していた時期の最高傑作とも言える超大作です当時 スティーブ・マックイーン と ポール・ニューマン の 共演と言えば 大事件になった程で今で言えば トム・クルーズ と トム・ハンクスの 共演と言った感じでしょうかw先の大きな震災を思えば本作の様な 災害を舞台にしたスペクタクル映画に熱狂した70年代と言うのは実に 不謹慎 な時代だった様に思えますが70年代という 社会不和が根底にあった時代には 国家間の危機や経済不安、社会情勢の悪化など人々の 不安 を掻き立てる様な事件が 日常茶飯事の様に報道されていた時期で映画にも自然とそうした要素が反映されて行った という理由が考えられます従ってデザスターシーンとは 映画の一要素であって本来の作品の醍醐味は ミュージカル映画並みの絢爛豪華な 大スターの共演による群像劇にありますミュージカルの大スター フレッド・アステアやジェニファー・ジョーンズ、ウィリアム・ホールデン など50年代60年代を 代表するスターが出演し ハリウッド全盛期の勢いそのままの雰囲気を再現して作品に華を添えております古き良き時代の流れを汲んだ最後のスペクタクル映画と呼ばれる所以はこの点にあり本作以降の災害を取り扱った映画は全て 「デザスター・ムービー」 の括りに入る事になりますさて、本作は予算削減、工期短縮の為の手抜き工事で建てられた超高層ビルが火災を起こし取り残された客を救い出し鎮火する スペクタクルと 様々に渦巻く人間模様を描いた作品ですこけら落しの当日に 規格外で無理に組まれた電気系統がショートを起こし出火しスプリンクラーが作動しない、 防災設備が役に立たない状況で 出火は瞬く間に 全階へ拡がり大勢の客が 屋上のパーティー会場に取り残されるという大災害へと発展し消防隊員達の 決死の救出劇が 本作の見所の一つです本作は紛れもない超大作であり 未曾有の救出劇を描いた 渾身 の一作である事は間違い無くその規模と世界的大ヒットになった実績からも 世紀の名作 と言っても過言では無い作品だと思います興味深いのは 災害の原因が世襲に固執した社主の不肖の婿養子が引き起こした人災である点で華麗なるセレブ一族の豪華な外壁に対して 内側は崩壊している様を超高層ビルの火災に例える脚色は 絶妙と言えるでしょうとは言え 21世紀に持ち越すには プロットの難 が目立つ作品でもありロバート・ワグナーや ジェニファー・ジョーンズなどの例の様に無為に人を死なせて盛り上げる傾向が 違和感を感じる点だったり既に映画界は ニューシネマの時代に入り 『ゴッドファーザー』や『カッコーの巣の上で』など魂に訴える様な名作が次々と制作されている中で 本作の様な 最先端を行くべき作品がステレオタイプなキャラクターに 演劇的な演出を付けるというドラマに 五感に訴えるものが無い点や最上階の貯水タンクを破壊して鎮火するという圧倒的展開もクライマックスは一律爆発させるという 大味な ハリウッド的 発想の 現実味に欠ける演出 など作品が持つメッセージ性に対して 支える柱が弱く、 時代に付いて行っていない点は大きなマイナス要素と思えますが結果的には 映画は世界的な大ヒットを記録しました本作が最後の パニック映画 である理由も『絢爛豪華な出演者による悲劇を描いた 演劇的な群像劇』 として作られ大ヒットした最後の映画 となった事が何よりの大きな理由でこれ以降のハリウッド映画が スティーブン・スピルバーグ の様な映像作家の出現により映像的体験 を用いたアトラクション性の高い作品が主流となって行った事でこの様な古い演劇タイプの映画は 衰退 の一途を辿って行ったからでもありますこの後、本作のプロデューサーである アーウィン・アレンは2000万ドルもの巨額の予算を使い (80)「世界崩壊の序曲」 を制作しますが豪華キャストとスタッフ、アカデミー脚本家を二人も起用した作品は収益は170万ドル と惨憺たる結果に終り映画業界から撤退を余儀なくされるのでした敗因は様々なのですがコッポラの 『地獄の黙示録』 や ルーカスの 『スター・ウォーズ帝国の逆襲』 がヒットしボブ・フォッシーの 『オール・ザット・ジャズ』 がパルムドールを受賞する様なこれ迄のハリウッド映画では観た事も無かった驚くべく作品が次々と登場した時代にもはやステレオタイプにしか見えないキャラクターに 観客の予想の範囲内の筋立てでスタジオで撮られる良く見る映像で演劇をする程度の映画に 巨費をつぎ込んで制作した事自体に全ての原因があった様に思われます一時代の栄華を誇った ハリウッド・パニック映画 の終焉にしては 寂しい思いがする最期で時代の流れを感じてならない、出来事に思いましたともあれ、アカデミー主題歌賞を受賞した カーペンターズ・タイプのテーマ曲ひとつ取ってみても古き良きハリウッド映画の匂いを感じる本作が 名作である 事には変わり無く消防隊員達や様々な人物達の勇敢な行為を描いた本作は未曾有の火災や災害対し鎮圧に向けて立ち向かって行く方々への最大限の敬意を表した作品であり これからも評価されるべき作品だと言えるでしょう■□楽天市場□■見た目は「車の工具」!神戸フランツのプレミアムチョコ使用。【工具チョコレート】カーマニアセットV1価格2,839円 (税込 2,980 円) 送料別面白いが、こんな工具ではすぐ溶けてしまうぞ!タワーリング・インフェルノ【DVD】価格:1,000円(税込、送料込)