過失の証明
保険会社から電話が掛かってきた昨日起こした交通事故についてのことだった事故の概要は昨日既に説明してあるので、担当者からは確認のための実に事務的な会話だった二台の車による衝突現場に、自分の車が追突した今回の事故はじめは玉突き事故になることを覚悟していた玉突き事故の場合、一番後ろから追突した運転手の責任が重くなるけれども、タクシードライバーが「玉突き事故にはなっていない」という証言をしたそうで、賠償はタクシーのみとなったしかし、事故当時は物損事故として警察には届け出たのだが、今日になってタクシードライバーが、事故によるものと見られる痛みが生じて病院に行っているとのことで、人身事故扱いになることを聞かされた事故による痛みは後日発症することもあるので、その点は何ら疑問には思わなかったむしろ予測していたぐらいであるそこで、過失割合はどうなるのか、担当者に尋ねてみたというのも、今回の事故、タクシーは派手にスピンしてタンクローリー車や防護壁に衝突を繰り返しているその衝撃は、大破した車を見れば一目瞭然であるそのタクシーに後ろから自分が追突したことは紛れも無い事実だが、はたしてタクシードライバーの事故による痛みは、いつどの時点で発症したのか?それを立証するのは極めて困難なのであるそのことに関して保険会社の担当者は、明白な回答は避け、言葉を濁したただ、その言葉のニュアンスからは、タクシードライバーの怪我は、100%自分に非があると捉えかねないような言い回しだったなんだか納得がいかない自分は、電話を切ったあとも悶々としていた過失の証明…100%自分に非があるということが悔しいのではない現場の状況を知りもしないで、杓子定規でしか物事を見ないことに苛立ちを覚えていた果たして、どのような審判が下されるのだろうか…