北欧最後の日、未知なる自分への出会い
北欧旅最後の都市オスロに向かった。オスロから飛行機でスイスのチューリッヒまで飛ぶ予定だ。前日ベルゲンの市場でお土産を買いに行った、北欧らしい食料品、セーターなどの衣類、木製品などが売られていて目移りしてしまい、どれがいいかなーと探しまわるが値札をみると現実に戻される。 セーターで18000円もする。値段も手ごろでこれからの道中持ち運びにそこまで重くない、食料品だなーとすぐに売り場に足が向かう。熱心な呼び込み、笑顔をまじえてのサービス精神、言葉の巧みさやっぱりついつい足が止まってしまったのは中国人が売り子をやっている店だった。「こんなところにも、さすが中華人民、恐るべし」と、その親切心についつい買うつもりじゃないカニ缶まで買ってしまった(日本でも買えるのにー)クマの肉、トナカイの肉、カニ、サーモン、キャビア、イクラ、などなど試食させてくれるので、北欧の幸山海編を堪能した。この旅で一番豪華なものをここで食べてしまったかもしれない。北欧最後の都市オスロについてだが、いまではほとんど記憶に残っていないし、当時の日記にも特におもしろいところはなかったと書かれている。ひたすらトイレを探して終わったとある。ごく最近はどうだかわかないが、この当時はたいがいのトイレが有料だったので、「用を足すのにお金を払うのはどうも納得がいかない!」と頑固反対していたふしがあり、そのぬけみちを探そうと無料トイレなるものを必死になって探していた。たいがいデパートの中のトイレは無料だったのだが、デパート自体も少なくけっこう探し周った。そのうち、「毎回飲み水を買うのはバカバカしい」という結論に達し、「なんでヨーロッパの人は水道水を飲んでるのに俺に飲めないのだー、飲んでしまってダメならあきらめるが、飲まないでガイドブックに書かれているままに従うのは嫌だ」と強引な結論を導き出し、エーーーイとある時から飲むことにした。結果はまったく問題がなく、僕のお腹はヨーロッパ化した。後日、うちのおばあちゃんがヨーロッパに行った時にそのことについては何も話していないのだが、むこうから「スイスの水はおいしかったわ、イタリアもなかなかいけるわねー、ミネラルウォーターなんかよりおいしいんじゃない」と水道水を平気で飲んでいたらしい、血はあらそえないのか、うちの家系の腹はヨーロッパ系らしい。北欧を約2週間駆け抜けたわけだが、ヘルシンキに降り立ち、日本のなまぬるい高校生活をひきずった高校生は二日目にして野宿という予想外の展開を機に、何かが自分の中で破裂し、その表皮がベロリと剥がれていき何か新しいものが姿をみせはじめていることを感じはじめた。毎日が新しい出会いの連続、明日は何が起こるかのワクワク感、ただ何よりも嬉しいのがその様々な出会いを通して自分自身が理科の実験のように説明のつかない、人や自然、食べるもの、周りの環境などを通しての科学変化を起こし想像もつかない未知の自分へ出会っていけるのが心地よい。次の地は自分に何をみせてくれるのか?次回はスイス、山と豊かな人々との出会い。